9.11の米国同時多発テロへの関与をめぐって、米国とサウジアラビアの間に緊張と不信感が高まっている。
サウジアラビア政府や王族の関与を疑い、米国の法廷に引き出そうとする「9/11法案」が2016年1月、米上院司法委員会を通過した。この事態に、3月、サウジアラビアのアーデル・ジュベイル外相外務大臣がワシントンを訪問。もし同法案が成立すれば、サウジアラビアが米国債など米国に保有する資産、最大7500億ドルを売却すると米国側を脅した。
一方、オバマ政権は「米国の政府、国民、企業を法的リスクにさらす」として、法案を否決するよう両党議員に働きかけている。オバマ政権下ではサウジアラビアへの武器輸出が拡大しており、法案成立を望む犠牲者遺族や両党議員は、「政府は米国市民よりもサウジアラビア側につくのか」と反発を強めている。4月15日付のニューヨーク・タイムズが報じた。
- Saudi Arabia Warns of Economic Fallout if Congress Passes 9/11 Bill ([The New York Times]2016/4/15)