4月14日21時26分ごろ、九州地方で強い地震が発生し、熊本県益城町では震度7が観測された。その後も震度6強など、震度3以上の激しい余震が続き、益城町(ましきまち)では家屋の倒壊や火事など二次災害が生じ、倒壊した建物の下敷きになり意識不明で病院へ運ばれるなどの事件が発生した。
九州地方には鹿児島県に川内原発と、佐賀県に玄海原発があり、川内原発は昨年の11月中頃、2号機が再稼働した。TwitterをはじめとするSNSでは、東日本大震災の同様、津波による原子力発電所への被害が起きるのでは、と危惧する声が多く見受けられた。
「巨大地震×原発」――。最悪のシナリオを目の前に、IWJ記者の取材に対して、鹿児島大学准教授・火山学者の井村隆介氏は、IWJの電話取材に答えた。以下に全文を掲載する。
火山学者の井村隆介准教授に緊急電話取材! 「余震の分布が今後、火山の直下に移っていくかどうかに注視すべき」
IWJ「今回の地震はどのようなものですか?」
井村隆介准教授(以下、井村・敬称略)「現在、私が住んでいる姶良(あいら)市では、震度2~3くらいの揺れでした。鉄道が止まったりしてはいるものの、特に混乱は生じていません。
地震自体は、それほどマグニチュードの大きくない、局所的な地震、典型的な活断層地震です」
IWJ「この地震による津波の心配は?」
井村「陸地が震源地で、かつ横ずれの地震なので、津波の心配もありません」
IWJ「頻発する余震は、大きいものなのか?」
井村「余震の震度は5~6のものが続いていますが、マグニチュード自体は小さく、4程度です。最初の地震のマグニチュードが6.4でしたので、2下がりました。マグニチュードが2違うということは、パワーが1000倍違ってきます」
IWJ「火山活動との関係は?」
井村「今回の地震は、震源地が火山と離れているので、火山との関係はないでしょう。ただ、もしマグマが準備されていれば、この地震が引き金となって、火山の噴火につながることがあってもおかしくはないと思います。
今回の地震だけですぐに火山が『バーン!』と噴火するということはありませんが、余震の分布が今後、火山の直下に移っていくかどうか、注視すべきです」
IWJ「原発への影響は?」
井村「九州には玄海原発と川内原発がありますが、今回の震源地は川内原発近いです。しかし、川内原発のある地域でも揺れは震度2~3で、この程度で原発に問題が生じることはまったくありません」