もんじゅの安全管理について文部大臣に文書勧告することを決定~田中俊一原子力規制委員長定例記者会見 2015.11.4

記事公開日:2015.11.4取材地: 動画
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 保守管理に問題のある高速増殖原型炉「もんじゅ」について、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)は運用管理組織としてふさわしくないと結論、文部大臣に対して是正するよう文書勧告を発することを決定した。

■全編動画

  • 日時 2015年11月4日(水) 14:30~
  • 場所 原子力規制委員会(東京都港区)

今回の勧告は「もんじゅの安全に関する懸念」に対するもの

 安全上の保守管理に問題がある高速増殖原型炉「もんじゅ」について原子力規制委員会は、JAEA(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)はもんじゅの運営組織としてふさわしくないと結論。監督官庁長である文部科学大臣対して文書勧告を発することを決定した。

 これまでの委員会会合でも、「ナトリウム漏れ事故から20年が経過しており、改善する時間は十分にあった、改善の努力をするチャンスはもう過ぎた」と更田豊志・規制委員は発言している。田中知・委員は「JAEAはもんじゅを管理する能力がないと判断せざるをえない」と述べている。

 これまで文科省に文書で改善を即したり、JAEA理事長や、文科省の担当局長から意見を聴取、議論を行ってきた。しかし、その結果は「納得できる改善が見られない」そのため「勧告せざるを得ない」と田中委員長は決断した。

 ただし、今回の勧告は「もんじゅの安全に関する懸念」に対してであり、高速炉の研究開発を続けるかやめるかを言うものではないと述べた。もんじゅを廃止するかどうかは事業者や文科省が決めることであり、規制委員会が言う事ではない、「その点は間違わないように理解願いたい」と田中委員長は述べた。

 高速増殖炉は核燃料サイクル、再処理、MOX燃料、地層処分など、日本の原子力政策の多くが関わってくるため、もんじゅの廃炉という争点は遥か遠くにある。

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