安全に必要な機器の点検違反状態を3年経っての是正できないJAEAもんじゅ、このままではいつまでたっても運転に必要な安全の確認ができないと田中委員長は強く発言。高経年化でもあり運転再開はどこにも見えない。
安全に必要な機器の点検違反状態を3年経っての是正できないJAEAもんじゅ、このままではいつまでたっても運転に必要な安全の確認ができないと田中委員長は強く発言。高経年化でもあり運転再開はどこにも見えない。
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高速増殖原型炉もんじゅのに関してJAEA(国立研究開発法人 原子力研究開発機構)は、平成24年11月に、計測機器の点検が適切でないという、保安規定違反があることを原子力規制庁に報告した。それを受けて原子力規制庁は、”保安措置命令”を出し違反状態を是正するように命じた。
それから3年が経ち、規制庁の立ち入り検査や保安検査も繰り返しているが、いまだに保安規定違反の状態のままだ。違反のままでは新規制基準適合性審査が行えない。
このままの状態が続いた場合どうなるのか。田中委員長は「規制当局の立場では、安全確保できることが前提。それが確認できないということになる」と答えた。
但し、「それ以降のことは今何か言う段階ではない」と言うにとどまった。厳しい処置としては、設置変更許可の取り消しということも法律的には可能だ。しかし委員長は「(許可取り消すは)簡単にはできるとは思っていない。そこまでは考えていない」と答えた。
もんじゅは1994年4月に臨界を達し、それから30年以上経過している。つまり、高経年化評価の対象だ。たが、1995年12月のナトリウム漏れ事故や、2010年8月の炉内装置落下事故により、ほとんど動いていない状態だ。
仮に運転を目指すのであれば、技術的には設置変更許可などの審査、高経年化評価審査を終えなければいけない。しかし、保安規定違反がいつまでも解消しないのは、技術ではなく組織の問題という面が大きい。JAEAにもんじゅを保守管理する能力はあるのだろうか。つまり、高速炉計画をどうするのかが問われている。