いよいよ、あなたのもとにも届く「マイナンバー」! 「共通番号法」が10月5日より施行開始!――新連載第1話「さあ手元に届いた。でも…何をすればいいの? 教えてエマイナちゃん!」 2015.10.5

記事公開日:2015.10.5取材地: テキスト
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 「マイナンバーは、自分だけの番号。自分専用の番号で、いろいろ便利になっていく!」

 内閣府によるマスコット「マイナちゃん」と有名タレントが、マイナンバーの通知開始を知らせるテレビCMを目にしたことのある人も多いことでしょう。

マイナちゃん

▲内閣府のマスコット「マイナちゃん」
http://on.fb.me/1JJ10eV

 いよいよ本日2015年10月5日より、マイナンバー法の施行、マイナンバーの通知が始まりました。けれども、そもそもこのマイナンバーによって何が変わるの? 受け取ったら何をしなければならないの? 分からないことだらけのはずです。

 安全性やプライバシーの問題を懸念する声があちこちから上がっています。心配になってきますが、心配をするその前にマイナンバーとは何か、「基本中の基本」をおさえておかなきゃ! 乗り遅れてしまったそちらのあなた、ご安心ください! マイナちゃんにかわって、私、城石エマが、IWJの臨時解説マスコット「エマイナちゃん」の「中の人」となり、一から徹底解説します!

 基本のきからの徹底解説シリーズの第1回は、「さあ、手元に届いた。で、何すればいいの?」と題して、通知を受け取ってから、私たちが何をどうすればいいのか、都内の大手出版社で働く会社員・アンナさん(仮名・30歳)をモデルケースにして、見ていくことにします。

ポストを見ても入っていません! マイナンバーは『簡易書留』で送られてくる 不在の場合は、再配達など手配を

 仕事も恋愛も一生懸命! だけど、税とか社会保障については、とんと疎いアンナ、30歳。年金も社会保険も所得税も払ってはいるけど、会社が自動的に給料から差し引いてくれているから、あまり支払っているという自覚はない。当然、もうすぐ始まる『マイナンバー制度』についても、アンナはほとんど何も知らなかった。

 秋の気配も深まってきた10月半ばのある日、アンナがいつものように会社へ向かおうと身支度をしていると、インターフォンが鳴った。玄関に出てみると、手渡されたのは一通の簡易書留郵便だ。そうか、マイナンバーの通知は10月からだった。昨夜もCMで見かけた気がする。

 去年から年金生活を送りはじめた両親は、今金沢に旅行中で、ちょうど家を空けていた。あと数分、早く家を出ていたら、危うく今日はマイナンバーを受け取れなかったかもしれない。

 時間はないが、一応封を切って中を見てみると、出てきたのは「通知カード」、「個人番号カードの申請書と返信用封筒」、「説明書」。アンナの分だけでなく、一緒に住む父・タクロー、母・シズエ、そして先月から福岡で一人暮らしをしている妹・モモコの分も一式同封されている。そういえば、モモコはまだ住民票を移していなかった。

 「通知カード」と書かれた用紙には、「12桁の番号」が記載されていた。誕生日や電話番号とはなにも連関のない、見ず知らずの数字。これが『マイナンバー』だ。同封されていたモモコの番号とも、続き番にはなっていない。

 この封筒がどれほど重要なものかはわからなかったが、「説明書」は仕事から帰ったら読もうと思い、アンナは何気なく通知カードを財布に入れ、家を出た。

◇エマイナちゃん解説(1)住民票記載の住所に届く「通知カード」とは!


エマイナちゃん

 あれ! アンナは通知カードをお財布に入れてしまいました。お財布の中には、運転免許証や健康保険証など、身分証明書がしっかり入っているのに、これでは万が一、お財布を落としたり盗まれたりしたときに大変です。マイナンバーを悪用されてしまうかもしれません。リスクの分散化は重要な防護策で、家族と連番になっていないのもそのためでしょう(と、いいながら、あらゆる情報を一本に束ねてしまうマイナンバーそのものがハイリスクなのですが、それはこの連載全体を通して、追々ご紹介していきます)。

ちなみに、「通知カード」はこんな感じです(写真:総務相HPより)。

通知カード

 薄緑色の紙に、氏名、生年月日、住所、性別、カードの発行日とともに12桁のマイナンバー(個人番号)が記されているのでよく見てみてくださいね!
 通知カードは、2015年10月5日時点で住民票に記載されている人たちに送られます。だから、日本国籍でも、日本に住民票がない人には、マイナンバーは通知されません。

「見ない」「言わない」「聞かない」「扱わない」で自己防衛?

 やっばぁ… マイナンバーの受け取りなんかしていたら、家を出る時間を過ぎてしまった。昨日も寝坊で遅刻したのに、今日も遅刻したら遅刻の常習犯は決定だ。自転車に飛び乗ったアンナは、いつもの3倍速で駅に向かった。

 アンラッキーな日には、アンラッキーなことが重なる、というのはアンナが小さい頃から信じてきた「迷信」みたいなもので、この日も、遅刻しそうになるという災難に見舞われたアンナは、何かが起こる気がしていた。

 いつもは15分かかる片道を、なんとか6分で到着することに成功した。この分であれば、いつもの電車に駆け込みで間に合うかもしれない。希望を感じたアンナは、せわしなく歩く人の波をかき分けながら、改札に向かい全力でダッシュした。

 バッグに手をつっこみ、Suicaの入った財布を探す。しかし、あれ? どれだけ中をかき回しても、今朝入れたはずの財布がない。確か、家を出る前にマイナンバーの「通知カード」を入れて、そのままバッグにつっこんだと思ったんだけど…。焦る気持ちを抑えながら、立ち止まり、顔をつっこむようにしてバッグを探る。しかし、そこに財布はなかった。

 イヤな予感がして駐輪場まで戻ると、アンナの自転車のかごの中に、黒くて小さなものが見えた。良かった、財布だ。自転車で全力走行する道中、激しく揺られたバッグから中身が外に落ちていたのだ。

 念のため、中を確認してみたが、何もなくなったものはない。運転免許証も、保険証も、それから今朝受け取ったばかりの「通知カード」も。

 ほっとしたアンナだが、通勤電車は行ってしまった。今日もまた遅刻だ。

◇エマイナちゃん解説(2)ナンバーは生涯変更なし! 唯一の例外は…

エマイナちゃん

 アンナのドジっぷりには、見ているこっちの方がハラハラしてしまいますね。アンナの財布は今回、幸い何事もなく手元に戻りましたが、次も無事とは限りません。それに、このくらいのアクシデントは日常生活のどこにでも起こり得ますよね。
 万が一、通知カードを紛失した場合にも、再申請することはできます(手数料については検討中とされています)。マイナンバーは原則として、一生変更はありません! 例外として、マイナンバーが漏洩して不正に用いられるおそれがあると認められる場合に限り、本人の申請、または市町村長の職権により変更することができるとしています。それでも「漏洩してから」では手遅れかも! 細心の注意が必要です! ちなみに、韓国などでは、ナンバーの変更は「性転換」や「行政の割り振りミス」の場合に限られており、仮に漏洩しても変更はきかないそうです!

会社は一苦労! 従業員のマイナンバーを集める「義務」でも提出しない人も…?

 電車を1本逃したアンナは、就業時間を10分もオーバーして会社に到着した。

 先輩の目を避けつつ、コソコソと自分のデスクに向かうと、経理のタハラさんの姿が見えた。アンナとタハラさんは、ともに観葉植物や花が大好きで、休憩のときにはいつも会話が弾む仲の良さだ。

 今日のタハラさんは、従業員に、向かって何かを呼びかけていた。

 「マイナンバーを受け取った方は、提出してくださーい」

 え? マイナンバーって会社に提出しなければならないものなの!?

 アンナは、今朝受け取ったばかりの通知カードを財布から取り出し、タハラさんに声をかけた。本当に財布が盗まれなくて良かった、と思いつつ、タハラさんに通知カードを提出すると、「身分証明書も一緒にお願いね」と念を押された。

 番号を控えたタハラさんはすぐに通知カードと、身分証明書として出した運転免許証を返してくれた。これだけでいいのか。この分であれば、全従業員のマイナンバーもあっという間に集まりそうだ。そう思ったアンナは、タハラさんの次の言葉を意外に感じた。

 「こんなふうに呼びかけても、提出しない人や、まだ受け取っていない人もいて、全員分を集めるのは時間がかかりそうなの」

 提出しない? マイナンバーの提出は義務ではなく、「提出しない」という選択肢も“アリ”なのかしら? タハラさんは不思議がるアンナに、「実は、従業員みんなに提出してもらうことが望ましいんだけど、従業員がマイナンバーを提出するかどうかは『任意』なのよね」と明かした。

 タハラさんによると、提出しない従業員たちは会社にマイナンバーを管理されることが不安なのだという。そのような人たちに関しては、書類に「拒否された」旨を記載し、税務署に提出することになる。マイナンバーのせいで仕事が増える、とタハラさんは煩わしそうだった。

◇エマイナちゃん解説(3)日雇いでもナンバーを提出!? 実は提出は「任意」

 マイナンバー通知後は、アンナのような正社員だけでなく、アルバイト、パート問わず、勤務先からマイナンバーの届け出を求められます。しかも。1日限りの日雇い労働でも例外ではありません! 源泉徴収の際に必要な番号ですので、雇用関係ができた場合は基本的に必要になると思ってください。
 通知カードだけでは法律上の本人確認が完了しないため、アンナが免許証を提示したように、届け出の際には顔写真の入った運転免許証やパスポートが必要になります!
 アンナは言われるままに渡しましたが、マイナンバーの提出を求められるときには、どうして必要なのか、よく確認しましょう。そして、あくまで法律上は、提出が「任意」であることをしっかり意識しましょう!
税理士も、従業員から強制的にマイナンバーを集めることはできません。しかし、書類へのマイナンバーの記載は義務づけられています。国税庁はこれについて、次のように説明しています。
 「法定調書作成などに際し、個人番号の提供を受けられない場合でも、安易に個人番号を記載しないで書類を提出せず、個人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください」
 会社側に、番号を請求するように押しつけているんですね。会社員は、会社から求められたら従わざるをえないと考えているのでしょう。個人の番号を預かるはめになる企業側も、大変な負担となります。
 会社が従業員に番号の提出を求めても、提供を受けられない場合は、記録を残す必要があります。国税庁HPでは、こう説明されています。
 「それでもなお、提供を受けられない場合は、会社側は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
 経過等の記録がなければ、個人番号の提供を受けていないのか、あるいは提供を受けたのに紛失したのかが判別できません。特定個人情報保護の観点からも、経過等の記録をお願いします。
 なお、法定調書などの記載対象となっている方全てが個人番号をお持ちとは限らず、そのような場合は個人番号を記載することはできませんので、個人番号の記載がないことをもって、税務署が書類を受理しないということはありません」

深刻な「理解不足」通知開始後も国民の多くはマイナンバーを理解しきれていない!

 アンナがタハラさんとそんな会話をしていた頃、会社の喫煙所では、マイナンバーに関してこんな会話が交わされていた。先輩社員のヤマナカさんが、のんきな口調で、新人のサワヌマさんに聞いていた。

 「マイナンバーってさあ、俺の娘にも届くのかなあ?」

 「ヤマナカ先輩のとこの娘さん、まだ1歳ですよね。赤ちゃんが持ってても仕方ないし、送られてこないんじゃないですかねえ」

 「そうだよな。赤ん坊が税金払うわけじゃないもんな。あれは税金をしっかり取るための仕組みなんだろう。サワヌマはもう受け取ったの?」

 「いや、僕はまだ…。たぶん実家に送られていると思うんですけど」

 「あれ、サワヌマ今、実家暮らしじゃなかったっけ?」

 「一応会社では実家暮らし、ってことになってるんですけどね。しばらく帰ってないんすよ。会社からチャリで行ける距離にカノジョが住んでて、まあ、そこに転がり込んでるって感じで…」

 「それじゃあ、マイナンバーを受け取りに一回帰らなきゃいけないよなあ」

 「いや、それは面倒くさいっすよ」

 「っていうか、君、実家から会社のまで分の定期代、もらっているんだろ?」

 「まあ、そういうことです」

 「おいおい、それ、マイナンバーがきっかけでバレるんじゃないの?」

 「え、実際の住所と、住民票の住所が合っていないと、面倒なことになりますかね?」

 「あるかもなあ」

 「なんか厄介なことになりそうですねえ。だいたい、僕は運転免許証があるから、そもそもマイナンバーなんていらないんすよねえ。受け取り拒否すれば、なかったことにならないかな」

◇エマイナちゃん解説(4)マイナンバーはゆりかごから墓場、拒否は不可!

エマイナちゃん

 ヤマナカさんも、サワヌマさんも適当なことばかり! 全然理解できていません(涙)。マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄りまで、ゆりかごから墓場まで、住民票のある人にはみんな通知されます! そして、サワヌマさんのように、「別にいらないもんね」という人も、付番を免れることはできません。これは「強制」です。カードを受け取らなくても、番号は付与されてしまうのです。
 ちなみに、サワヌマさんのように、住民票の住所と現住所が異なるなどで、マイナンバーを受け取れなかった場合は、郵便局から自治体に戻り、その後、自治体が一定期間保管(東京都港区は3ヶ月間。保存期間は自治体ごとによって異なる可能性もあるので要確認)したあと、廃棄されてしまいます!
 しかし、通知カードが廃棄されたとしても、割り当てられたマイナンバーが削除されるわけではありません。通知カード廃棄後にカードを受け取りたくなった場合、自治体に出向いて受け取る必要があります。

あなたの手元に届くのは年末になるかも!? 一筋縄にはいかない、全国民への通知

 経理のタハラさんが、ため息まじりにアンナに言った。

 「政府は、11月末までに全国民への通知を目指すというけど、もしかすると年内いっぱいはかかるかもねえ」

 マイナンバーの配布は10月の最初の月曜日、つまり10月5日から始まった。10月半ばのタイミングで通知カードを受け取ったアンナは、わりと早い方だったのかもしれない。

 そういえば送られてきた封筒の中には、住民票を移し忘れている妹・モモコの分の通知カードが同封されていたことを思い出した。アンナが転送しなければ、面倒くさがりのモモコはいつまでも自分のマイナンバーを取りにこないだろう。そういう人たちは、年内どころか年明けまで、マイナンバーを受け取れないかもしれない。

◇エマイナちゃん解説(5)通知カードが届かない!? 放置すれば「破棄」に!

 政府としては、アンナがモモコへ郵送などせず、直接手渡してくれた方がありがたい。途中で紛失したりしたら大変ですからね。しかし、それほど手をかける人がどれだけいるかは分かりません。
 そして、モモコのように実家で代わりに誰かが受け取ってくれる、というラッキーな人ばかりではありません。一人暮らしの人は、「通知カード」の通達時に不在にしていたら、ポストに不在票が入り、一定期間、郵便局に保管されます。
 そしてそれは、郵便局にとっても悩ましい問題。なぜなら、10月中旬以降は郵便局の一大イベント、「年賀状の発売時期」と丸かぶりだからです。
 さらに、通知の問題は、自治体にとっても頭の痛いところ。国は11月末までに全国5200万世帯に郵送すると言うけど、99の政令指定都市、特別区、中核市、県庁所在地のうち、35自治体が「1割以上が宛先に届かずに戻ってくだろう」と予測しているようです。文京区ではなんと、25%の世帯に届かない、との試算もあるそう。住民票を居住場所に移していない場合や、不在票と引き換えに本人が受け取らない場合は住民票のある自治体に戻るため、郵便物が宛先に届かない「不達」が大量に生じる可能性があるのです。
 その場合も、自治体が一定期間保管した後、廃棄の流れになります!

「住民票に登録された住所へ送る」––DV被害者には、深刻な危機をもたらすことに

 「タハラさん、大変そうですねえ。マイナンバー制度は便利だと思っていたけど、会社には負担じゃないですか!」

 アンナは、タハラさんを気遣った。しかしタハラさんは、声を落としてこう返した。

 「確かに、会社は業務の負担が増えて大変だけど、もっと辛いのはDV被害者の人たちよ」

 「え、どういうことですか?」

 「実はね、私の友達のお姉さん、5年くらい前に結婚して、1年後には子どもも生まれたんだけど、出産後あたりから、旦那に暴力を振るわれるようになったのよ。それで、3年くらいは我慢してたんだけど、とうとうその旦那が、奥さんを家から出さないようになって。見ていられなくなった私の友達が、警察に頼んで、家から逃がしたのよ、ちょうど去年の今頃」

 「へえ、そんなことが本当にあるんですねえ…」

 「でね、まだ離婚の手続はしていないんだけど、手続するのに顔をあわせるのも危険だからってね。それで、今は子どもを連れてその暴力男から身を隠しているわけだけど、今度マイナンバーが旦那の住んでる家に送られてくるわけでしょ。そしたら、どうなると思う?」

 「あ! 自分の大事な個人情報が、そのDV夫の手元に届く…」

 「そういうこと。マイナンバーが把握されたところですぐに直接的な被害はないかもしれないけど、マイナンバーは基本的に一生変わらない番号だから、番号を控えられたりすれば悪用される危険性もゼロではないし、DV被害者は一生、不安がつきまとうんじゃないかな」

◇エマイナちゃん解説(6)

エマイナちゃん
自分の番号が相手に知られたら、すぐにでも悪用されてしまう、ということではないかもしれません。けれど、怯えながら暮らす被害者にとって、自分の個人情報に結びつく数字が加害者のもとに送られる、そしてそれを見られる、というのはどれほどの精神的苦痛を伴うでしょうか。
これを受けて総務省は、2015年8月24日~9月25日の間に、住民登録先の市区町村に対し、窓口か郵送で申請した人には、避難先で通知を受け取れるようにするとしました。その結果、全国から約26万4千件もの申請があったそうです。内訳は、東日本大震災の被災者が約11万5千件、DV等被害者が約2万件、長期入院・入所者が約11万2千件、その他の理由が約1万7千件でした(10月2日高市総務相による記者会見発表)。受けつけ期間が短すぎて間に合わなかった、とか、知らなかった、という人もいるに違いありません。
総務省は、居住地での受け取りを認める申請期間を過ぎたあとも、申請に対して柔軟に対応するとしています。
 個人番号カードコールセンターによると、もし、DV被害者の通知カードがDV加害者の手元に届いてしまっても、市町村役場で再発行(身分証明書持参)できるということです。この場合、マイナンバーの数字自体は変更してくれませんが、コールセンターは「マイナンバーだけでは悪用できません」と強気。
 確かに、すぐに被害には結びつかないかもしれませんが、身分証明書のほうを捏造されでもすれば、簡単に「マイナンバー」を悪用できるのではないか、不安は拭えません。

小さく産んで大きく育てる?どんどん拡大してゆくマイナンバー!

 いよいよ配布が始まったマイナンバー。今回、マイナンバーについてほとんど何も知らないアンナをモデルに、まずは「マイナンバーの受け取り方」の流れをメインに再現してみました! 

 でもまだまだ、わからないことだらけですよね。2015年9月3日には衆院本会議で改正マイナンバー法が可決・成立してしまいました。まだマイナンバーが指定さえされていなかったというのに、です。これによって、2018年から銀行などの預金口座にも、任意で番号が適用することができるようになりました。こうしてマイナンバーの利用範囲はどんどん拡大してゆく予定です。

 いきなり壮大な構想を打ち出せば当然、大きな反発を買うことが予想されますよね。拡大してゆくマイナンバーは、まさに典型的な「小さく産んで大きく育てる」方式であるといえます。

 次回の第2話は、「マイナンバーの管理は大丈夫?」「IC付き『個人番号カード』ってなあに?」などのテーマでお送りする予定です!

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