「安倍家の墓地があるところで言うのは誠に恐縮ですが、政権交代しないとマズいと思います」――。
2015年9月5日(土)14時より、山口県長門市にある「ラポールゆや」にて、慶應義塾大学名誉教授で弁護士の小林節氏が、新安保法制に反対する講演会をおこなった。客席500人の会場は満席となり、通路には立ち見客もあふれた。
会場となった長門市油谷(ながとしゆや)には、安倍晋三首相の父・晋太郎氏と、祖父・寛氏が眠る墓地がある。まさに安倍家にとっては、地元中の地元であるが、憲法を無視した今回の新安保法制の強引な進め方に、地元の有権者も大きく揺れている。
講演会の前に、安倍家の墓参りをしたという小林氏は、講演冒頭、「今回の論争は、この国のあり方に関わる政策論争であって、特定の個人に対する好き嫌いの問題ではない。好きと言えば、安倍寛という方は尊敬しております。晋太郎という方は、私は好きです。晋三というのは、よくある育ちのいい青年」「人間だから、地縁、血縁好き嫌いの感情が出てしまうのはわかるが、これは天下国家の公の問題であり、お互いの発言に責任を持ってきちんと論じ合うべき」などと述べた。
※注: 安倍寛(あべ かん):昭和12年に衆院議員に初当選。昭和17年、第二次世界大戦中の翼賛選挙の際も東條英機らの軍閥主義を鋭く批判し、無所属・非推薦で出馬し当選した。
誤り「新安保法案は明白に意見である」→ 正しい「新安保法案は明白に違憲である」
ご指摘ありがとうございます。急ぎ修正させていただきました。(IWJ編集部)