小林節氏が安倍家の墓がある山口県長門市で講演「新安保法制は、法的、政治的、経済的に愚策」 2015.9.5

記事公開日:2015.9.13取材地: テキスト動画
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(IWJ中継市民・こうの みなと)

 「安倍家の墓地があるところで言うのは誠に恐縮ですが、政権交代しないとマズいと思います」――。

 2015年9月5日(土)14時より、山口県長門市にある「ラポールゆや」にて、慶應義塾大学名誉教授で弁護士の小林節氏が、新安保法制に反対する講演会をおこなった。客席500人の会場は満席となり、通路には立ち見客もあふれた。

 会場となった長門市油谷(ながとしゆや)には、安倍晋三首相の父・晋太郎氏と、祖父・寛氏が眠る墓地がある。まさに安倍家にとっては、地元中の地元であるが、憲法を無視した今回の新安保法制の強引な進め方に、地元の有権者も大きく揺れている。

 講演会の前に、安倍家の墓参りをしたという小林氏は、講演冒頭、「今回の論争は、この国のあり方に関わる政策論争であって、特定の個人に対する好き嫌いの問題ではない。好きと言えば、安倍寛という方は尊敬しております。晋太郎という方は、私は好きです。晋三というのは、よくある育ちのいい青年」「人間だから、地縁、血縁好き嫌いの感情が出てしまうのはわかるが、これは天下国家の公の問題であり、お互いの発言に責任を持ってきちんと論じ合うべき」などと述べた。

※注: 安倍寛(あべ かん):昭和12年に衆院議員に初当選。昭和17年、第二次世界大戦中の翼賛選挙の際も東條英機らの軍閥主義を鋭く批判し、無所属・非推薦で出馬し当選した。

記事目次

■ハイライト

  • 講演 小林節氏(慶応義塾大学名誉教授、弁護士)「新安保法制は、法的、政治的、経済的に愚策」
  • タイトル 「新安保法制は、法的、政治的、経済的に愚策」
  • 日時 2015年9月5日(土)14:00〜
  • 場所 ラポールゆや(山口県長門市油谷)
  • 主催 憲法学者・小林節さんのお話を聞く会(詳細、PDF)

そもそも「立憲主義とは何か」

 小林氏は、憲法とは、「神ならぬ本来的に不完全な人間が預かる権力を乱用しないように上位法で枠をはめる原則」と説明した上で、国民は憲法を守る側ではなく、権力者(政治家・公務員)に対して、「憲法を守れ」という立場にあると説明した。

 その上で、「憲法9条を改正しないで、自衛隊の海外派兵や集団的自衛権の容認は、どう考えても無理」と安倍総理に直接、助言したことがあることを明かした。

 安倍総理も当初は憲法を改正しようとしたが、ハードルが高いため、まず初めに、憲法96条を改正し、国会議員2/3の賛成から1/2にハードルを下げようとした。小林氏は、「憲法は法律を改廃できる立場にいる者(政権)を統制する法である以上、改正の条件が法律よりも厳しくしなければならない。それを緩和しようという提案は権力者の禁じ手である」として、96条の改正に厳しく反対した経緯を説明した。

新安保法案は明白に違憲である

(…会員ページにつづく)

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「小林節氏が安倍家の墓がある山口県長門市で講演「新安保法制は、法的、政治的、経済的に愚策」」への2件のフィードバック

  1. 小川 洋 より:

    誤り「新安保法案は明白に意見である」→ 正しい「新安保法案は明白に違憲である」

    1. junsantomato より:

      ご指摘ありがとうございます。急ぎ修正させていただきました。(IWJ編集部)

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