「自民党王国」山口県で、「アベ政治を許さない」の声が上がり始めた。

　2015年8月29日（土）16時より山口県内9か所で同時に「8.29やまぐちアクション 安保法制反対県内一斉デモ」が行われた。「戦争をさせない山口1000人委員会」と「山口県憲法共同センター」の２団体が共同で呼び掛け実施されたものである。

　IWJでは、岩国米軍基地のある岩国会場と、安倍総理の選挙区（山口４区）である下関会場の中継をおこなった。

　雨が降りしきる中、岩国会場では、岩国市役所前公園におよそ250人（主催者発表）が集まった。また、下関会場では、JR下関駅前の遊歩道におよそ350人（主催者発表）が集まり、9会場の合計では2120人（主催者発表）が集まった。

　集会の最後に読み上げられた「集会アピール」では、「安倍首相の地元ということで、何かと声をあげづらい山口においても、安保法制はおかしい、との思いや声が多くあります。その県民の思いや声をしっかりとつなぎ、発信していきたいと思います」と宣言された。

　また、いずれの会場も、集会後は街中をデモ行進し、安保法制反対を訴えた。デモ行進では、「安倍晋三から憲法を守れ」「安倍晋三から日本を守れ」などのシュプレヒコールがあがった。安倍総理は8月12日に山口市で講演した際、「山口県出身の総理大臣として、恥ずかしくない実績を残していきたいと決意している」と述べているが、そのお膝元の山口県で有権者が反対の声を上げ始めたのは大きい。

老若男女が「安保法制反対！」基地のまち岩国では珍しい光景に

　米具基地、そして海上自衛隊基地のある岩国の会場では、市役所前の広場に、年輩者から小さな子ども連れまで、幅広い年齢層の約250名が参加。若者が抗議の声をあげることが少ない岩国では珍しい光景となった。

　住民投票を活かす会の代表、大川さんはスピーチの中で「戦争になれば米軍基地のまち岩国は、間違いなく戦争の拠点になってしまう」と警鐘を鳴らした。また、参加者代表の一人であり戦争を経験した谷さんは、自身の戦時中の体験を振り返ったうえで、「私たち国民は戦争できる国に変わることは望んではいません。今こそ黙っていないで戦争法案の危険性を多くの人に伝えていくべき」と訴えた。

　同じく参加者代表で２児の父である石田さんは、「子どもが聞いてもおかしいと感じるような答弁を堂々と政府の人たちがやっている」「テロの危険が増えることを子どもも不安に感じている。」と語り、経済的徴兵制についてあげ、子どもたちが大人になった時、食べていくためには嫌でも自衛隊に入らなきゃいけないような日本にしたくないと述べた。

　スピーチ後は集会パフォーマンスとして、参加者全員による『アベ政治を許さない』のプラカードを掲げたあと岩国駅までデモ行進が始まった。