「政治の主体は私たち一般市民であって、安倍首相ではない。だから、多くの市民の反対の声を無視してあなたが取り戻そうとしているものは、私たちが望んでるものではないんです」
SEALDsが主催する、戦争立法反対の金曜行動は2015年7月31日で第9回を迎えた。この日、関西から駆けつけたSEALDs KANSAIの津田研人さんが国会前でスピーチし、安倍総理の掲げる「日本を、取り戻す」というスローガンの正体は、市民から権利を奪うことだと批判。「民主主義の力で安倍政権から日本を取り戻そう」と訴えた。
また、津田さんは学生デモが注目を浴びる中での批判についても触れ、こう付け加えた。
「デモに参加すると就職できないとか、不利になるとか、そういうことを言って脅してくる人がいます。でも、少なくとも僕たちがやってることは間違っていないし、否定されるべきではないことだと思います。僕たちの活動をちゃんと見てください。知ってください。何も知らないのに、デモは危険というステレオタイプで見るのは、もう止めにしませんか」
以下、スピーチの動画と、全文書き起こしを掲載する。
津田研人さんスピーチ書き起こし
「神戸大学大学院の津田研人です。今日は関西から来ました。
いつもはSEALDs KANSAIの方でデモをやったり、街宣に参加しています。よろしくお願いします。
今、僕は怒ってます。安保法制をめぐり、安倍政権とそれに関わる人たちがやってること、やってきたことに対して、僕は本当に今、怒ってます。
僕は小学生の時に沖縄戦のことを勉強したことで、戦争と平和に感心を持つようになりました。何で戦争は起きてしまうのだろう。どうしたら平和になるのか。そういうことを考えながら、今まで勉強を続けてきました。
小学生の時に聞いた言葉が今でも記憶に残っています。
それは『戦争は人間を人間でなくする』という言葉です。この言葉、僕はとても重い言葉だと思います。戦争では人間が人間を殺します。肌の色の違い、言語や宗教、民族、そういった些細な違いだけで、生物的には同じ人間がお互いを憎み、殺し合います。
どんなに酷いことも平気で出来てしまいます。そこには負の感情しか存在しません。しかし、その死体は紛れも無く、私たち人間であって、戦争を始めることも、人を殺すことも、全て人間の手によって行われてきました。
戦後に生まれてきた私たちは、まず、その事実を受け止めなければなりません。
だからこそ、今、私たちがしなければいけないことは、二度と戦争が起きないために、平和を自分たちの手で守っていくことです。
人間は一人ひとり、幸せになる権利を持っています。
そして、それは、お互いがお互いを尊重することでもあります。それが、本来の人間の姿だと思います。
しかし、戦争は、普通の人が普通に人を殺し、命を奪うことを当たり前にさせてしまいます。これがどんなに恐ろしいことか、戦争を知らない僕たちも想像することができます。だから、絶対に二度と戦争を起こしてはいけない。これが、多くの人の命を奪った過去の戦争から日本が学んだことであるはずです。
日本が曲がりなりにも維持してきた平和主義は、そのような過去の戦争への痛烈な反省をもとに、人間自身が自らの手で作り上げてきた歴史の遺産に他なりません。
それにも関わらず、今、安倍首相は、再び日本を戦争できる国にしようとしています。
安倍首相は自衛隊が海外で戦争できるようになることで、日本が普通の国に、日本が国際社会で一人前になれると考えています。でも、普通って何でしょうか。一人前って何なんでしょうか。他の国もやっているから日本もやらなければならない、そういうことでしょうか。
でも、ここで確認しておきたいことは、他の国がやっていることは正しいことではなく、間違っていることだということです。
戦争では絶対に人が死にます。一人でも、人の命が奪われます。これは、どんな理由があっても絶対に肯定することはできません。ましてや集団的自衛権の名のもとに行われた戦争はすべて、自衛のための戦争なんかではなく、恣意的な目的の為に行われた違法な戦争でした。
ベトナム戦争だって、アフガニスタン戦争だって、イラク戦争だって、自衛の名のもとに多くの人の命が奪われました。他の国もやってるから自分もやる、そんな馬鹿な考え方がありますか。
間違っていることは間違っているんです。他の国がやっているからと思考停止するのではなく、間違っていることに対しては、断固として間違っていると、主張していく勇気が、本当に平和を作っていく上で必要とされていることではないのでしょうか。
僕はそう思います。
安倍首相は今、『美しい国、日本を取り戻す』というスローガンのもとに政治をやっています。でも、誰から日本を取り戻すんですか?何を取り戻すんですか?僕は全然分からないです。
政治の主体は私たち一般市民であって、安倍首相ではないんです。だから、多くの市民の反対の声を無視して、あなたが取り戻そうとしているものは、私たちが望んでいるものではないんです。
あなたは今、私たち市民から権利を奪おうとしているのです。それが『日本を、取り戻す』というスローガンの正体です。
憲法を守らない、言論弾圧をする、野次を飛ばす。そして何より、僕たち市民の声を聞こうとしないあなたの行動は美しいのですか?
そんなもの僕は望んでません。
今、必要なのは、僕たち市民が民主主義の力で、安倍政権から日本を取り戻すことです。
最後にひとつ言いたいことがあります。デモに参加すると就職できないとか、不利になるとか、そういうことを言って脅してくる人がいます。でも、少なくとも僕たちがやってることは間違っていないし、否定されるべきではないことだと思います。
僕たちの活動をちゃんと見てください。知ってください。何も知らないのに、デモは危険というステレオタイプで見るのは、もうやめにしませんか。
僕は安保法制を廃案にするために、そして安倍政権をやめさせるために、これからも自分の意思を表明していきます。
2015年7月31日、私は安保法制に反対します」
安倍首相は噂の真相誌に、実在のメーカー名とともに武器メーカーから献金を受けていると書かれていたことがある。それは小泉内閣になる以前の話でなので、安倍氏と武器利権の歴史は長い。米国でのそのような関係は日本では軍産複合体と呼んでいるのは皆様御承知のとおりです。
首相の野次は前代未聞で、特に「早く質問しろよ」と云う野次には強烈な印象がある。私はあれを見てこの人は本当の馬鹿だと確信した。それ以前から元全権大使などに「ここまで馬鹿だとは思わなかった」と書かれてはいたし、第一次安倍内閣の時には、「自民党内で馬鹿だ馬鹿だとみんなに言われている」と代議士の平沢勝栄氏や放送局の記者がラジオで紹介しているのは聴いてはいたが。
このデモに参加したことを理由に雇用をしないような企業はブラック企業なので、就職面接を受けて不採用にされた場合はその企業は世間からブラック企業の烙印を押されることにはなる。しかし、従業員が過労自殺したブラック企業の経営者が自民党の議員に成ってはいるのだが。
自民党と関係の深い企業で18歳(その業界の各社の奨学生扱いで実は給料前貸しの借金労働に過ぎない)で過労死させた企業があるが、ブラック企業として未来永劫評価されることと思う。その企業はマスコミだが、アンケート結果における安倍内閣の支持率はずっと高かった。隣の番地には、やはりアンケート結果における安倍内閣の支持率はずっと高い某マスコミ企業がある。発行部数そのままの“序列”が一番地と二番地と云う番地に反映されているのが面白い。東京駅の近くだから地図で確かめてください。
ごく当たり前のことを率直に語っているだけなのに、言いようのない安心感を覚えました。
自分が存在しない未来を託せる若者たちの活躍を心強く思います。
あってはならないことですが、いざ戦争が勃発した時、美しい国がどうのこうのと勇ましいスローガンを叫ぶばかりの臆病者を尻目に、愛する人を守るために進んで矢面に立つのは、彼らのように真摯な「市民」なんだろうと思います。
だからこそ、常に目を光らせて、戦争の芽は徹底的に摘んでおくべきです。