安全保障関連法案を審議している衆議院の特別委員会は、2015年7月6日、さいたま市の大宮パレスで地方参考人会を開いた。参考人として出席した5人のうち、弁護士である3人が同法案は「違憲である」と表明。一方で、2人が賛成の立場を示した。
法案に反対意見を述べた埼玉弁護士会会長の石河秀夫氏は、「国民の理解が得られないまま強行採決に至った場合は、国内の多くの方々と共に弁護士会は民主主義と立憲主義を守るために徹底して闘う」と述べ、15日にも強行採決を行おうとする与党議員を牽制した。
弁護士で東海大学法科大学院特任教授の落合洋司氏と、明日の自由を守る若手弁護士の会会員の倉持麟太郎氏も、同法案は「違憲である」と主張した。
その上で、倉持氏は「今回の安全保障における政府の答弁があまりにも不合理、不誠実、不十分であり、この法案の成立手続きにおける民主的正当性も欠如している」と厳しく断じた。
参考人会後の会見では、「自民党は15日頃の採決を考えているのか」との記者からの質問に対し、自民党・江渡聡徳衆議院議員が「(今週と来週の)日程をしっかりとこなしていきながら、採決をどうするかは各党間で協議しながら考えたい」と答え、15日前後の採決を否定しなかった。
- 参考人 石河秀夫氏(埼玉弁護士会会長)、落合洋司氏(弁護士、東海大学法科大学院特任教授)、倉持麟太郎氏(弁護士、明日の自由を守る若手弁護士の会会員)、佐伯鋼兵氏(埼玉県商工会議所連合会会長)、細谷雄一氏(慶應義塾大学法学部教授)
- 日時 2015年7月6日(月) 13:00~
- 場所 パレスホテル大宮(埼玉県さいたま市)
「基本的人権を壊す法案」――全国52すべての弁護士会が反対を表明
石河氏は、「安全法制は明白に憲法違反、ただちに廃案にすべき」と反対の立場を表明し、「弁護士法は『基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする』と定めている。弁護士としての社会的使命を果たすためにも基本的人権を壊す法案に反対しなければならない。全国52のすべての弁護士会が反対している」として、全弁護士会のリストを示した。
また、「『外国からの武力攻撃が迫った場合はどうするのか』という漠然とした脅威論で政府は一般国民を説得しているが、その想定する事態はこれまでの国際情勢から考えて、極めて不自然、不合理な内容」と、政府の説明を厳しく批判した。
さらに、5月31日に埼玉弁護士会の後援で行われた抗議集会「オール埼玉総行動」に1万人が集まったことに触れ、「埼玉で1万人が集まるなど聞いたことがない。抗議には時を経るたびに多くの市民が参加するようになっている。国会での審議はその時間が問題ではない。国民の理解が得られたかどうかが問われている。国民の理解を得られない法案を強行採決するようなことがあれば、それは民主主義への挑戦だ。断固として埼玉弁護士会を含め、日本弁護士会も反対の運動をするだろう」と訴えた。
「議論が充分でない論点が40件以上」――「このまま採決すれば手続き的にも民主的正当性を欠く」
「強行採決は民主主義への挑戦だ」「全国52すべての弁護士会が反対している」――埼玉参考人会、3弁護士が安保法案は「違憲」と表明、法案賛成派からの苦言も http://iwj.co.jp/wj/open/archives/251897 … @iwakamiyasumi
文字通り「民主主義の危機」。黙ってるわけにいかない。
https://twitter.com/55kurosuke/status/618727505327845377