安保法制「合憲派」2人の学者が会見 「侵略を再び起こさないか」の指摘に百地章氏が反論「なぜ、日本が権力を行使した場合だけ侵略に繋がるのか」 2015.6.29

記事公開日:2015.7.3取材地: テキスト動画
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(取材・記事:石川優、記事構成:安斎さや香)

※7月3日テキストを追加しました!

 今国会で審議中の安保法制をめぐり、2015年6月4日の衆院憲法審査会で参考人として招かれた3人の憲法学者が、全員「違憲」と断じた。与党・自民党推薦の長谷部恭男・早稲田大学教授までが違憲だと表明したことで今、潮目が変わったとの見方が強まっている。

 これに対し、菅官房長官は「まったく違憲ではないという著名な憲法学者もたくさんいる」と反論したものの、名前を3人しか挙げられなかった。そのうちの2人、百地章・日本大学教授と西修・駒沢大学名誉教授が、6月29日に日本外国特派員協会で記者会見を行なった。

 質疑では外国人記者からの「フランスは憲法を守る。そこが違う」という声に、百地氏が「日本人も日本国憲法を守る。それ(記者の指摘)は偏見というものだ。憲法を守っているから、こんなことしかできない。憲法を無視すれば、もっと大々的なことができる」などと反論する場面もあったほか、「なぜ、日本が権力を行使した場合だけ侵略に繋がるのか」と、怒りを露わにした。

記事目次

■ハイライト

「憲法に明記されていなくても集団的自衛権を有し、これを行使できることは当然」

 百地氏は、集団的自衛権の行使が認められることについて、「国連憲章51条によって認められた国際法上の権利」だと強調。会見中、百地氏は「国連憲章」という言葉を繰り返し用いて持論を展開した。

 集団的自衛権の行使が認められる理由について、百地氏は、「憲法に明記されていなくても、わが国が主権国家として集団的自衛権を有し、これを行使できることは当然だ」と主張。「憲法9条には集団的自衛権の行使を禁止したり、制約したりする明文の規定は存在しません。それは、わが国が国際法上、集団的自衛権の行使しうることは明らかです」と強調した。

 「国連憲章で認められているから」「憲法に書かれていないから」「憲法で制約されていないから」集団的自衛権の行使が認められるというという無理筋の主張を百地氏は堂々と語った。

砂川判決、集団的自衛権行使は「認められる」と解釈

 さらに百地氏は、砂川事件の最高裁判決からも、集団的自衛権行使は認められると語り、政府と同様の見方を示した。

 そのうえで、政府が提出している法案における集団的自衛権はあくまで限定的なものであるため、「憲法9条の枠内でありまったく問題なく、憲法9条にも違反しない」と言い切った。

 しかし一方で、憲法9条2項で「戦力の不保持と交戦権の否認」を定めていることから、集団的自衛権行使が制限されることはあり得るとも主張した。

 この砂川判決に関しては、多くの憲法学者、有識者が「砂川判決の争点は日米安保にもとづく米軍の駐留が合憲か違憲か、というもので、集団的自衛権は争点ではない」との見解を表明している。

 法案を「違憲」と断じた長谷部恭男教授は、6月26日に行われた岩上安身のインタビューで、集団的自衛権を行使できる根拠に砂川判決を用いることは「法律学のイロハのイに反するものだ」と厳しく批判した。 

「侵略を再び起こさないか」の指摘に不快感を露わにする百地氏

(…会員ページにつづく)

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「安保法制「合憲派」2人の学者が会見 「侵略を再び起こさないか」の指摘に百地章氏が反論「なぜ、日本が権力を行使した場合だけ侵略に繋がるのか」」への2件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    安保法制「合憲派」2人の学者が会見 「侵略を再び起こさないか」の指摘に百地章氏が反論「なぜ、日本が権力を行使した場合だけ侵略に繋がるのか」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/251032 … @iwakamiyasumi
    百地章と西修、この二人は日本会議フロント団体の役員でもある。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/617294109124919296

  2. 西遠寺 透 より:

    ふたりの憲法学者のお話のうち百地章教授の「演説」を視聴して考えました.
    1.国際法で合法である集団的自衛権行使を認める国際連合に日本は加盟している
    2.国連に加盟していることを以て、集団的自衛権は行使可能である
    3.憲法には集団的自衛権を禁止する条文はない。
    だから安保法制は合憲であるという主張です。専門である憲法への愛をすこしも感じさせません.
    フランス人記者への応答で、フランスの奴隷制への回帰の不可能性を持ち出し、主張の蓋然性をもたせようとするのはあまりに強引と思います。
    その主張は、1.政府見解の踏襲、2.憲法尊重の否定、3.合憲か違憲かの判断は、国際法を上位概念にすえ補強していますが、「違憲でないから合憲だ」という脆弱な論理によるものと思います。

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