総評退職者の会主催による「『戦後70年』問題特別講演会 村山富市元首相を迎えて」が2015年5月18日(月)、東京都文京区の全水道会館で開催された。
(IWJ・松井信篤)
特集 戦争の代償と歴史認識
※5月29日テキストを追加しました!
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総評退職者の会主催による「『戦後70年』問題特別講演会 村山富市元首相を迎えて」が2015年5月18日(月)、東京都文京区の全水道会館で開催された。
記事目次
■ハイライト
自らの人生を「めぐり合わせの人生」だと話す村山氏は、総理大臣になろうと思ったことも、考えたこともなかったという。村山氏は、総理大臣就任時の1994年、ASEANの国々と韓国、中国を訪問したことを振り返り、外交におけるそれぞれの国の印象を語った。
「その時に感じたことを申し上げると、韓国はなんと言っても口では言いませんけど、36年間の植民地支配に対する怨念が根っこにあります。余程、日本の方が考えないと、このままじゃ収まらないなという印象でした。
中国に行った時は、ちょうど天安門事件があった直後で、江沢民が国家主席になった時、法律を作って愛国教育をやったのですから、満州事変からずっと戦争の歴史を教えて、中国は酷い目にあったことを今、考えてご覧と。これだけ解放されて良くなったじゃないかと。これはやっぱり共産党の栄光の歴史だというようなことをずっと教えていくわけです。ですから日本への憎しみが倍加してくる。このままでは収まらないなという印象を受けました。
ASEANの国を回りますと、全然、雰囲気が違うんです。むしろ私の顔を見たら『よく来てくれた』と日本に対してみんな敬意を払っている。『日本が敗戦の中から短期間の内に世界第2位の経済大国になって発展してきた。発展したおかげで、援助もいただいて我が国の開発は進んでいる。日本のおかげです。日本に期待している。もっとアジアに腰を据えてちゃんとやってほしい』と言っていた。当時はそうだった。だけど、腹の底では日本の国は戦争の後始末をしていない。戦争の反省もしていない。日本が再び過ちを繰り返さないかという不安な気持ちは持たれてた」
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