「戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会」主催による「玄海原発の今!4.18学習会」が2015年4月18日(土)14時より、福岡市早良区・早良市民センターで開かれ、物理学者で佐賀大学名誉教授の豊島耕一氏が講演を行った。
(IWJ中継市民・こうの みなと)
※5月7日テキストを追加しました!
「戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会」主催による「玄海原発の今!4.18学習会」が2015年4月18日(土)14時より、福岡市早良区・早良市民センターで開かれ、物理学者で佐賀大学名誉教授の豊島耕一氏が講演を行った。
■ハイライト
講演の中で豊島氏は、佐賀県玄海町にある九州電力玄海原子力発電所について、「通常運転時のトリチウム放出が国内の原発の中で最大である」と指摘。10年間の排出量は「福島第一原発の汚染水に含まれる量に匹敵する」とし、「偏西風帯で日本列島の西に立地し、事故時は日本全域に放射能が流れる確率が高い」ことなど、数々の問題点を指摘した。
豊島氏は、玄海原発で増え続ける使用済み核燃料と保管場所の問題点についても指摘した。九州電力に照会して判明したデータによると、約15ケ月ごとに実施されている定期検査時に、原子炉内の約3分の1にあたる、約64体(193÷3)の燃料を廃棄しているという。
現在、稼働を停止している玄海原発1~4号機の原子炉容器内は空であり、全て燃料プールに移動されている。
1、2、4号機の共用プールには、貯蔵容量2,228体に対して、合計1,390体が保管されているが、燃料交換時などの作業スペースを除くと、貯蔵容量は正味1,653体分しかなく、余裕がかなり少なくなっている現状だという。
また、プルサーマル燃料(MOX)を使用する3号機のプールにも、容量1,050体分、正味789体分に対して、合計578体もの燃料が保管されていると豊島氏は説明した。
さらに現在、使用済み核燃料の保管容量を増やすため、「リラッキング」と呼ばれる、プール内で保管される燃料と燃料の間隔を狭める作業を申請中とのことだが、保管する核燃料が近すぎると原子炉内と同じ状態となり、地震などのトラブルにより再臨界が起こる危険性が高まることを指摘した。
九州電力によると、「詳細な保管場所は公表できないが、燃料プールは全て地上レベルの高さにある」との回答があり、福島第一原発4号機のような、高い場所にはないことを強調されたという。
しかし、現在のようなプールで使用済み核燃料を冷やし続ける水冷方式は、地震などの危険性から免れないため、豊島氏は、「空冷方式で燃料を冷やす乾式キャスクでの保管が望ましい」とした。
豊島氏は、講演会の前日の4月17日に、今年2015年1月に就任したばかりの山口祥義(よしのり)佐賀県知事と15分間、面会し、「玄海原発の再稼働を認めないでください」と直接要請したことを明かした。
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