週刊文春に「捏造記者」とのレッテルを貼られ、娘を「自殺に追い込んでやる」と脅迫を受けた元朝日新聞記者が、名誉毀損で文春を提訴!~日本外国特派員協会で会見 2015.1.9

記事公開日:2015.1.10取材地: テキスト動画
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(取材:IWJ・松井信篤、記事:IWJ・原佑介)

 「出ていけこの学校から、出ていけこの日本から、売国奴」

 朝日新聞で従軍慰安婦報道に力を入れていた植村隆元記者が1月9日、文藝春秋が発行する週刊文春の記事で名誉を毀損されたとして、文藝春秋と西岡力・東京基督教大教授を相手取り、1650万円の損害賠償や謝罪広告などを求め、東京地裁に提訴した。

 西岡氏が週刊文春の記事や論文などで植村氏の記事を「捏造」と書いたことが原因で、植村氏や植村氏の勤務する北星学園大学に、植村氏を追放するよう求める脅迫や誹謗中傷の電話、メール、手紙が殺到していると植村氏は説明する。

 「売国奴」「反日」といった罵詈雑言にとどまらず、植村氏の家族のプライバシーまでネット上では晒されているという。

 フランスの新聞社で多くの死傷者を出すテロ事件が発生したのと同様、植村氏に対する一連の脅迫や誹謗中傷は、言論の自由を侵そうとする卑劣な行為で、到底許せるものではない。こう訴える植村氏は提訴後、日本外国特派員協会で記者会見し、自身の受けた被害の実態を紹介するとともに、当時の慰安婦報道の真相を打ち明けた。

記事目次

■ハイライト
http://youtu.be/giYGonxmrf8

  • 会見者 植村隆氏(元朝日新聞記者、北星学園大学非常勤講師)/神原元氏(名誉毀損訴訟弁護団事務局長、弁護士)/中野晃一氏(上智大学教授)

「捏造記者」とのレッテルが貼られた日

植村隆元記者(以下、植村・敬称略)「パリの新聞社襲撃で多数の記者がたくさん亡くなったことにショックを受けています。1987年5月、私の朝日での同期の記者がやはり襲撃され、殺された事件がありました。それを改めて思い出し、衝撃をもって受け止めています。

 ジャーナリストとして、こうした暴力に屈してはいけないと思いました。昨日(1月8日)も北星学園大に脅迫状が届きました。こうした卑劣な行為は絶対に許せません。

 週刊文春で、私は『捏造記者』と書かれました。それでまったく関係ない大学にまで脅迫行為が行われているわけです。昨日は訴訟準備のために東京にいましたが、私のために大学が脅迫されることに心が痛みました。

 今日私は、文藝春秋、およびコメントを出した西岡力・東京基督教大教授を被告として、裁判を起こしました。私は私の人権、家族の人権、大学の安全を守るために訴訟を起こしたのです。

 91年、私は大阪社会部時代に、韓国で名乗り出た元慰安婦の記事を2本書きました。

 この記事が原因で、バッシングを受け続けています。私がその時に書いたキム・ガクジュンさんは、韓国で名乗り出た慰安婦の第1号でした。勇気ある証言で、後に、たくさんの被害者が名乗り出るようになった。慰安婦問題が世界に知られるようになった証言者第1号でした。

 今から1年ほど前の文春で、当時の記事が批判的に紹介されました。見出しでわかりますが、『“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に』とあります。西岡氏は『強制連行があったかのように書いており、捏造記事といっても過言ではない』とコメントしています。

 女性は中国東北部で生まれ、16才で、騙されて慰安婦にされた、と記事では書いています。しかし西岡氏は私のそうした記事には触れず、強制連行を捏造した、と言っています。これはフェアではない。私は記事のリードで、『女子挺身隊』という言葉を使いました。

 当時韓国では、慰安婦のことを『女子挺身隊』といった言葉で表現していました。しかし西岡氏は、92年の4月の文藝春秋で、これについて重大な事実誤認と非難していました。

 98年頃から、非難が『捏造』という言葉に変わりました。91年の記事に対して評価を変えてしまっているんです。フレームアップだと思います。その流れで、去年(2014年)の2月の文春は、私を捏造記者とレッテル貼りしました。これはフレームアップの延長線上です」

植村さんの娘にまで向かった矛先

植村「この記事が原因で、大学に非難や抗議の電話が殺到しました。一部はネットに公開され、さらに憎悪が煽り立てられています。標的は大学だけでなく、私の娘にまで及びます。

 娘の写真がネットに上がり、『こいつの父親のせいでどれだけの日本人が苦労したか。反日活動で稼いだカネで贅沢三昧に育ったのだろう。自殺するまで追い込むしかない』などと書かれています。私の妻はコリアンです。それを差別する書き込みもあります。

 週刊文春の『捏造』というレッテル貼りや西岡氏の言説が、こうした状況を引き起こしたと思っています。言論でも反論しましたが、法廷でも捏造記者でないことを認めてもらおうと思っています。

 私は捏造記者ではない、不当なバッシングに屈するわけにはいかないのです」

弁護団・神原元弁護士「補足します。植村さんの訴状は本日(1月9日)、東京地裁に提出されました。被告は文藝春秋、および西岡力さんとなります。

 裁判では、次の3つを求めます。1.ネットから西岡さんの論文を削除すること。2.謝罪広告を掲載すること。3.損害賠償として1650万を支払うこと。根拠は、『捏造』という記載が名誉毀損に基づく不法行為だからです。170人の弁護士が代理人として裁判を支援しています。

 他方、植村さんを攻撃する歴史修正主義者は他にもいます。私たちは、これからも次々と裁判を起こし、植村さんの名誉を回復したいと思っています」

91年記事作成過程の真相

(…会員ページにつづく)

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  1. 「憎しみと戦争」 より:

    愛と平和(Love and Peace)の反対は、憎しみと戦争(Hate and War)なんだなぁと痛感しました。

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