2014年12月24日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。午前の定例委員会に議題として挙げられた、福島第一原子力発電所のリスク低減目標に関し、増え続ける汚染水タンクの問題について問題意識は共有できたとし、トリチウム残留水は「やっぱり希釈廃棄しかない」とこれまでの考えを繰り返した。
2014年12月24日(水)14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。午前の定例委員会に議題として挙げられた、福島第一原子力発電所のリスク低減目標に関し、増え続ける汚染水タンクの問題について問題意識は共有できたとし、トリチウム残留水は「やっぱり希釈廃棄しかない」とこれまでの考えを繰り返した。
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東京電力福島第一原子力発電所は、事故処理として汚染水を処理したRO濃縮塩水を、さらにALPSで処理し、タンクに溜めている。タンクの数は千基以上に増え、これからも増え続ける見込み。しかし、いつまでも溜め続けられるわけでもなく、かえってリスクが大きいという指摘がある。
ALPS処理水は、主要62核種を告示濃度以下まで取り除くことになっているが、トリチウムは取り除けない。トリチウムについて田中委員長は、「技術的に見て、世界中どこを聞いてもわかりますけど、そんな簡単にあれが処理できるというところはない」と説明。
では、今後どうするのかという質問には、「やっぱり希釈廃棄しかない」と明言。「他の核種についてみたら、排出基準以下になってる」ことから、「住民によく説明して、事業者のほうでやってもらう」という。「安全上の問題から考えても、そうしないと、あそこの廃止措置は進まないだろうと」述べた。
東京電力では、これまで地下水バイパスやサブドレンピットから汲み上げた地下水は、関係者の了解を得てから海洋放水している。今後も同様に”関係者の了解なくしては海洋放出なし”と考えていると思われる。規制庁として、関係者の了解を得るための取り組みを行う予定はないという。
一方、経産省のほうでもトリチウムタスクフォースなどで最終処分についての検討を進めているが、委員長は「お手並み拝見ですけどね」と答えるにとどまった。
この日の委員会議論は、まだリスクの総ざらえの段階で、さらに詳細にまとめて、再度議論するつもりだ。