【大義なき解散総選挙24】「アベノミクスがもたらしたのは、景気の悪循環」、結党から今後のスタンスまで維新の党・小野次郎幹事長代理に岩上安身が聞く ~ 岩上安身によるインタビュー 第493回 ゲスト 小野次郎幹事長代理 2014.12.11

記事公開日:2014.12.13取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・平山茂樹)

 橋下徹・大阪市長が代表を務めた日本維新の会と、江田憲司氏が代表を務める結いの党が合流して結党された維新の党。「身を切る改革」「徹底行革」を掲げ、アベノミクスの「第三の矢」である「成長戦略」を、民間の活力をより大胆に投入することで、着実に実行するとうたっている。

 そんな維新の党だが、大手紙による情勢調査によれば、党勢の拡大に伸び悩んでいると伝えられる。朝日新聞の調査によれば、自民党が300議席を超える勢いであるのに対し、維新の党は、公示前の42議席を30議席前後に減らす見込みだという。

 投開票日まで残り3日と迫った12月11日、岩上安身が維新の党・小野次郎幹事長代理にインタビュー。維新の党の主要政策と今後の選挙戦について、話を聞いた。

■イントロ

  • 日時 2014年12月11日(木)20:30~
  • 場所 十全ビル(東京都千代田区永田町)

維新の党、結党の経緯

岩上安身(以下、岩上)「維新の党の小野次郎幹事長代理にお話をうかがいます。維新の党のポスターを見ますと、橋下徹さんと江田憲司さんのツーショットになっていますね。永田町をじっくりウォッチしている方でないと、なぜこうなっているのか、よく分からない方もいらっしゃると思います」

小野次郎氏(以下、小野・敬称略)「私は、小泉さんのもとで改革をやろうと思って、自民党に入って1期やりました。その後、本当の改革政党はどこかと考えて、みんなの党に入りました。そこに、江田憲司さんがいたということなんですね。また、橋下徹さんについては、大阪維新の会ができた時から、注目をしていました。

 今の維新の党の基本政策は、みんなの党の時代に維新の会とすり合わせをしてきたもの。ところが、みんなの党の中に、与党と連携したいと言い出した方がいたんですね。しかし、それは邪道だろう、と。

 結いの党は、結党した当初から、野党連携の中で発展的に解消してもよい、という理念でやっていました。そこで、橋下さんの維新の会と合流し、維新の党になった、というわけです」

岩上「当初から、維新の会にラブコールを送っていたということですね」

小野「日本維新の会には、橋下さんを中心にする改革勢力と、石原慎太郎さん、平沼赳夫さんを中心とする復古主義の勢力とが一緒になっていました。その中で、復古主義の人たちは出て行った、ということです」

憲法改正に対するスタンスは

岩上「石原さんは改憲で、江田さんは護憲だ、ということでしょうか」

小野「いえ、違います。一院制や地域主権型の道州制を実現するためには、憲法改正をしなければいけません。しかし、基本的人権や平和主義、立憲主義などはきちんと守っていきます」

岩上「石原さんが言っている憲法改正というのは、9条を変えるということですよね。軍事国家になるとか、核武装をするとか、そういうことを言っています。しかし、こうした石原さんの考え方は、自民党改憲案を見ると、安倍さんの考え方に近いと思います」

小野「我々は、憲法を不磨の大典として考えない、ということです。憲法の枠組みは維持しつつ、統治機構の部分について変えていこう、ということです」

岩上「集団的自衛権行使容認について、閣議決定による解釈改憲はどう考えますか」

小野「閣議決定は、次の内閣で変えることができるものです。やっちゃいけない、と言っているわけではありませんが、その程度のものです、ということです」

岩上「今回の選挙は、安倍総理が『アベノミクス解散』と言いましたが、隠された争点として、集団的自衛権や原発の再稼働があります。その中で、与党が3分の2を超えるとなると、憲法改正の発議が可能になります。つまり、改憲が問われる選挙なのではないでしょうか」

小野「原発については、安倍政権が川内原発の再稼働を目指していますね。それを端緒に、どんどん再稼働して、原発依存に回帰していきます。業界なり族議員なり経産省の言いなりになっているのではないでしょうか」

岩上「原発に関しても、はたして本当にエネルギーの問題なのか、と言われています。原発というのは、将来の核武装につながっていきます。橋下さんは、この点についてどうお考えなのでしょうか」

小野「もちろん、核武装なんてものは認めません」

「第二の矢」「第三の矢」は「飛んでいない」

岩上「アベノミクスについてお聞きします。圧倒的な量的緩和は、確かに影響を与えました。この『第一の矢』について、どう評価していますか」

小野「円安誘導して株価は上がりますが、物価も上がってしまいました。消費は伸びず、GDPはマイナスになりました。

 どこが経済の好循環なのか、と。景気の悪循環ですよ。オバマ大統領も、『日本は深刻な不況に突入している』と指摘しました。『二本目の矢』『三本目の矢』が飛んでいないのが問題なんですよ。

 農協というのは、競争がなくて独占しているわけですね。農業にも株式会社が参入して、農協も競争させて改革をすることが必要です。安倍さんも、当初は農協改革を言っていましたが、それをトーンダウンさせています」

TPP、消費税増税、特定秘密保護法、歴史認識について聞く

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