【大義なき解散総選挙23】「議席倍増」と躍進が伝えられる共産党 本土での「保革共闘」の可能性は? 日本共産党・小池晃副委員長に岩上安身が聞く~ 岩上安身によるインタビュー 第494回 ゲスト 小池晃副委員長 2014.12.11

記事公開日:2014.12.13取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・平山茂樹)

 大手紙の情勢調査によると、自民党が300議席を超える勢いと伝えられる一方で、野党の中で唯一、共産党の躍進が報じられている。

 日本共産党副委員長の小池晃氏は、今回の選挙戦について、「若者や、子育て世代の女性を中心に、手応えを感じている」と語る。

 一方、共産党に関しては、「なぜ、野党連携の輪に加わらないのか」という声も聞かれる。生活の党や社民党とは、経済政策や外交・安全保障政策において、ほとんど変わりがない。にも関わらず、共産党は、今回の選挙でも、全選挙区に候補者を擁立した。

 沖縄では、辺野古新基地建設の反対を掲げ、「保革共闘」が実現した。他の選挙区でも、同様のかたちでの選挙戦が可能ではないのか。岩上安身が話を聞いた。

■イントロ

  • 日時 2014年12月11日(木)18:00〜
  • 場所 日本共産党本部(東京都渋谷区)

選挙戦に手応え 若者からの支持も

岩上安身(以下、岩上)「自民党が300議席を超えるという報道が出ていますが」

小池晃副委員長(以下、小池・敬称略)「感触としては、ちょっと違うんですね。若い人、子育て世代の女性などが、このままでは戦争になるのではないか、と考えています。かなり危機感が広がっていると感じます」

岩上「自公で3分の2ということになると、憲法改正が現実味を帯びてくるということになります」

小池「今回の選挙で、集団的自衛権や憲法改正は、最大の争点だと思います。しかし、3分の2を取ったとして、世論の反発もあり、そう簡単に改憲できるとは思いません」

岩上「自民党憲法改正草案を読めば、憲法9条に限らず、ことごとく変えることになっています。共産党としては、9条に限定せず、アピールしていくべきではないでしょうか」

小池「戦争に突き進むのを阻止するという意味で、象徴となるのは、やはり9条だと思います」

野党連携には「大義が必要」

岩上「共産党が他の野党と連携し、非自民で統一戦線を組めないか、という声があります。沖縄では、保革共闘で、翁長雄志新知事が誕生しました」

小池「これは、基地建設反対という大義があったからです。我々としては、大義があれば積極的にやっていきたい。

 しかし、全国的に大義があるかというと、そうではありません。民主党は、三党合意で消費税増税をし、原発の再稼働も進めました。そういう民主党と組めるかといえば、そうはなりません。共産党が伸びれば、野党の背筋がしゃんと伸びるんです」

岩上「沖縄で取材をしましたが、共産党の方々が動き、歩み寄っていったということを聞いています。この2年間、そういうことができなかったのでしょうか」

小池「沖縄では、新基地建設を許さないという、圧倒的な戦いがありました。それから、沖縄は全国と政党の構図が違います。沖縄では、民主党の存在感というのはほとんどないんですね。そういうなかで、ほとんど政策が一致している、共産党、社民党、社会大衆党は結束することができた、ということだと思います」

共産党は、共産主義社会の実現を目指すのか?

岩上「先日、小沢一郎さんにインタビューをしました。共産党との連携について聞くと、日米同盟が是か非か、ということをおっしゃっていました」

小池「それは、メルクマールにはならないですよね。沖縄でも、日米安保の破棄を掲げているわけではありません」

岩上「一般の方は、根本的な問題として、共産党が政権を取ると、資本主義をやめて共産主義を目指すのでは、日米安保をやめるのでは、と考えていると思います」

小池「日米関係に関していえば、従属関係をやめて、対等の関係になろうじゃないか、ということです」

岩上「米軍基地はどうするんですか」

小池「それは、撤去ですよね。しかし、ただちにそうなるかと言えば、そうはならないので、米軍とともに戦争に出かけるようなことはやめよう、ということになります」

 社会主義の問題についていうと、トマ・ピケティの『21世紀の資本』が売れていることからも分かるように、資本主義の矛盾が、格差拡大というかたちで現れています。それでただちに社会主義へ、とは言いませんが、累進課税の強化などの改革をする必要はあります」

岩上「冷戦後、どんどん初期資本主義返り、ということになっているように思います。共産党は、国家と資本主義という枠組みを維持しつつ、社会民主主義を目指すのか、それとも共産主義を目指すのでしょうか」

小池「私達は、ルールのある経済を作りましょう、と言っています。大企業に蓄積している内部留保を吐き出させるようなルール作りを徹底していきたいと思います。それから、食糧主権をしっかりと守っていきます。

 もちろん、展望としては、資本主義そのものを改革しようという考えは持っています。しかしそれは、ソ連による独裁のようなものとはまったく違います」

TPP、集団的自衛権行使容認等、主要政策を聞く

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