「私達が世界で強いと呼んでいる国は、戦争を生み出すことには強気なのに、平和をもたらすことに対しては、どうしてそんなに弱気なのでしょうか?
どうして銃を与えることは簡単なのに、本を与えることは難しいのでしょうか? どうして戦車を作ることは簡単なのに、学校を建てることは難しいのでしょうか?」
(IWJヨーロッパ・鈴木樹里)
「私達が世界で強いと呼んでいる国は、戦争を生み出すことには強気なのに、平和をもたらすことに対しては、どうしてそんなに弱気なのでしょうか?
どうして銃を与えることは簡単なのに、本を与えることは難しいのでしょうか? どうして戦車を作ることは簡単なのに、学校を建てることは難しいのでしょうか?」
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ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさん(17)とカイラシュ・サティヤルティさん(60)を迎えて、12月10日(現地時間)、国際NGOセーブ・ザ・チルドレン・ノルウェーが主催するパーティがオスロの中心に位置するノーベル平和センターで開催された。このパーティは、ノルウェーの子ども達が企画したもので、12歳の子ども達が司会を行い、歌やダンスで会場を賑わせた。同日には、ノーベル平和賞受賞セレモニーが開かれ、受賞スピーチのなかで、マララさんは冒頭のように語った。
パーティでは、ノーベル平和センターの屋外に特設ステージが設置され、6000人以上の子ども達が集まり、大歓声の中、マララさんとカイラシュさんが登場した。
マララさんは、パーティの開催を感謝するとともに、自身が取り組む問題について語った。
「みなさんに会えてとても嬉しいです。とても興奮していますし、楽しんでいます。私の友人もナイジェリア、シリア、パキスタンから来ています。彼らは自分たちの権利のために立ち上がっています。世界には、学校へ行くことができない男の子や女の子がたくさんいるのです。
彼らはiPadが欲しいとか、プレイステーションが欲しいとか、Xboxが欲しいと言っているのではありません。学校と、一冊の本、一本のペンが欲しいと言っているだけなのです。あなた達はその声を聞くことができると思います。いつか、全ての子ども達が、教育を受けることができますように」――。
カイラシュさんは、世界が抱える問題を提示し、自身の思いを訴えた。
「あなた達はとても幸せな子ども達です。あなた達には、良い先生、学校、友達がいます。学校へ行くことができるのです。(世界では)多くの子ども達が誘拐され、売られます。
時には、彼らは何かを製造しますが、それを使うことはできません。彼らは靴や、洋服を作りますが、着ることはできません。私達は彼らを救助に行きます。それは大変危険なことです。私は彼らを助けに行くことを一秒たりとも待つことはできません。一人一人の子ども達が大切です。
もし、一人の子どもが危険にさらされているとしたら、世界が危険にさらされているということです」
マララさんも、自国のパキスタンで女性や子ども達が置かれている現状を訴えた。
「私の故郷、パキスタンでは、子どもの権利は無視されていました。学校は破壊されました。女の子達は自分達の家から出ることを許されませんでした。
私に先生になりたいとか、医師になりたいとか夢があっても、13歳か14歳で結婚して、子どもを産まなければなりませんでした。自分自身であるために、女の人であるために、私は声を上げることにしました。
しかし、当時の私の声は、多くの人に届きませんでした。でも、今は多くの人が私の声に耳を傾けてくれます。多くの世界の指導者達に聞いてもらいたいのです。これは一人の女の子の声ではありません。何百、何千、何万もの声なのです。私達、子ども達は、質の高い教育が必要なのです」
2人はスピーチの後、大勢の子ども達に見送られ、会場を後にした。
同日には、パキスタン出身のマララさんとインド出身のカイラシュさんのために、「インド・パキスタン祝賀会」も開催され、インドとパキスタンのダンスや歌が披露された。マララ氏とカイラシュ氏は、参加者全員が起立してノルウェーの合唱団が歌を歌う中で、拍手につつまれながら登壇し、スピーチした。
カイラシュさん「あなたはイスラム教信者、あなたはキリスト教信者、あなたはインド人でしょう、パキスタン人でしょう、ノルウェー人でしょう、アメリカ人でしょう、スーダン人でしょう、アフリカ人でしょう。これらのアイデンティティは大人によって作られました。子どもによってではありません。
もし私達が子ども達から学ぶことがあるとしたら、平和について学ばなければなりません。私達の隣を子どもの目で見てみましょう。私達はすぐに友達になることができるでしょう。子どもの目で、心で」――。
マララさん「(一緒に壇上に上がった女の子の方を抱きながら)私の大切な友達もここに私と一緒に居てくれてとても嬉しいです。私達は今日、ここに集まって、平和についてお話できることをとても嬉しく思います。平和という言葉は、口にするのはとても簡単です。しかし、達成することはとても難しいです。
女の子が学校へ行くことが許されません。私は、いつもインドやパキスタンの平和を考えるときに思います。私はいつも、安らかな故郷、安らかな祖国であってほしいと願っています。誰も死ぬべきではない、誰でも生きる権利があるということです。
私達は一緒に動かなければなりません。私達は一歩を前進しなければなりません。私達はお互いを助けるでしょう」
※以下、同日10日に行われたノーベル平和賞受賞セレモニーでのマララさんの演説要旨を掲載します
(…会員ページにつづく)
■参考