まもなく審査書案作成段階に入る高浜原発3、4号機、パブコメ実施へ ~2014年度 第40回原子力規制委員会 2014.11.19

記事公開日:2014.11.19取材地: テキスト動画
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 2014年11月19日(水)10時30分から、2014年度第40回原子力規制委員会が開催された。関西電力高浜原発3、4号機の設置変更許可申請の審査終了時に作成する審査書案に対して、川内原発の時と同様にパブコメを実施する方針が決まった。

■全編動画

  • 日時 2014年11月19日(水) 10:30~
  • 場所 原子力規制庁(東京都港区)

議題 1 核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則の一部を改正する規則等の制定等について

 核燃料物質の輸送に関する国際的な規則、IAEA安全輸送規則の2012年版の国内担保とするための規則改正案を10月1日の規制委員会で決定し、パブコメを行った。その結果をとりまとめ、報告するもの。

 核燃料物質を輸送する時に使用する容器の表記、文書保管、誤記指摘など、8件の意見が寄せられたという。

 更田豊志委員と田中知委員は、それぞれ個別の箇所に対して、「(事務方のパブコメへの対応についての)説明を聞いてようやくわかった」とコメント。規則の書き方が不親切で、「理解が得られるように書いていない」と意見した。

 容器の形状、安全確認などの考え方についての質問が出た後、規則、告示の改正案は事務方案の通り承認された。改正対象となる規則は14、告示は3。11月19日の委員会決定を受けて、12月上旬に官報に掲載して公布、2015年1月1日から施行の予定だ。

高浜原子力発電所審査書案作成後のパブコメを行う方針決まる

 議題1の審議終了後、「時間もあることなので」と、田中委員長が高浜原子力発電所の審査書案のパブコメ実施について、各委員に意見を求めた。全委員がパブコメは行うほうが良いと意見表明し、川内原子力発電所の審査書案と同様のパブコメを実施する方針が決まった。正式な実施は、審査書案作成について委員会で議論する時に同時に決定される見込み。

 関西電力高浜原子力発電所3、4号機は、近く審査書案作成の段階に入る。九州電力川内原子力発電所の審査書案の時に行ったパブコメでは、約18,000件の意見が寄せられた。事務方で精査、まとめたが、非常に多くの数を要したことから、田中俊一委員長は、高浜ではパブコメを実施するか否かについて、意見を全委員に求めた。

 更田豊志委員は、設置変更許可では基本設計、基本方針に関する規制委員会の判断を示す。川内原発ではパブコメの指摘により審査書の修正を行った経緯もあることから、当面はパブコメを行ったほうが良いと賛成意見を述べた。

 田中知委員は、川内のパブコメは新規制基準に基づく初めての審査だから行ったが、初めては原発全体か、各発電所か、PWR/BWRのことかという問題もあるが、高浜自体が初めての審査であること、高浜独自の安全対策もあるため、パブコメを行うべきと賛成意見を述べた。

 石渡明委員も、行うべきだと賛成。

 中村佳代子委員は、外部からの科学的技術的意見をとり入れることはお互いの鍛錬にもなり、漏れているもの、新しい見方の意見を聞くことは重要だと、賛成意見を述べた。

 田中俊一委員長は、高浜のパブコメを実施するということは、各発電所についてパブコメを行うことになるとし、川内原発の前例を顧みると、事務方に大きな負担になるから心配していると、事務方の意見を求めた。池田克彦規制庁長官は、事務方の負担は相当だが、政策方針の一環、委員会の判断に従うと返答。これに関連して田中知委員は、高浜以後は何回か行った経験を踏まえ、プラントの特徴に沿ったポイントを明確にして意見を聞くという方法もあるとコメント。今後、回を重ねながら工夫し、改めて検討するということだ。

 以上の意見などから、高浜3、4号機については審査書案に対するパブコメをする方針が決まった。

 今回は、あくまで方針が決まったに過ぎず、実施手順は川内と同様になる可能性が高い。具体的には、審査書案を審議する時に議論される予定。地元説明会も同様、地元から要請があれば開催される。

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