半減期が長い低レベル放射性廃棄物関係規則を改正、パブコメ実施へ ~2014年度 第36回原子力規制委員会 2014.11.5

記事公開日:2014.11.5取材地: テキスト動画
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 2014年11月5日(水)10時30分から、2014年度第36回原子力規制委員会が開催された。フランスから返還が予定されている半減期が長い低レベル放射性廃棄物(長半減期低発熱放射性廃棄物)の運搬に関して関係規則を改正、パブコメが実施されることが決まった。

■全編動画

  • 日時 2014年11月5日(水) 10:30~
  • 場所 原子力規制庁(東京都港区)

議題1:特定核燃料物質の運搬の取決めに関する規則及び核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則の一部を改正する規則(案)に対する意見募集について

 フランスから返還が予定されている、半減期が長い低レベル放射性廃棄物(長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物))に関し、核物質防護区分に関する法令、規則を定めたことから、意見募集を行うことについて委員会で議論した。

 8月20日に開催された第20回原子力規制委員会にて、TRU廃棄物は「核物質防護区分3」とすることが決められた。関係する法令、規則にもTRU廃棄物の防護区分を反映し、最新のIAEA勧告を取り入れるように、関係規則の改正を行う。それにともない、行政手続法に基づく意見募集(パブリックコメント)を実施する。

 改正の対象は、原子力規制委員会が所掌する次の二つの規則

  • 特定核燃料物質の運搬の取決めに関する規則
  • 核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則

 外部へ運搬する際、容器に施錠、封印を求めている。これまでは核物質防護区分1と2のみを対象としていた。この制限をなくすように改正するのが、今回の改正の主な点。核物質の”運搬”に関することから、航空、船舶で輸送する場合など、国土交通省の関係する規則も改正される予定だ。

 田中俊一委員長は、この規則改正で区分の制限がなくなるが、区分1、2の運用に変更はないのかと質問。山口寛峰・規制庁核物質防護室長は、変更はなく、区分の制限がなくなるだけだと回答した。

 田中知委員は、IAEA勧告に適合するよう規則を改正することは大変重要だとコメント。

 田中委員長が、この規則は核兵器への転用を国際的な協力で防ぐためなので、IAEA基準に沿うことが最も大事だとコメントした。

 他に意見なく、規則改正とパブコメ実施は承認された。

 パブコメは11月17日(月)から12月16日(火)までの一か月を予定しており、その結果を踏まえ、2015年1月中旬に委員会が決定し、2月上旬に公布・施行する予定だという。

議題2:原子力発電所の新規制基準適合性審査の状況について

 新規制基準適合性審査の状況について、委員会に報告するもの。PWRは6発電所12プラント、BWRは7発電所8プラントが事業者から規制庁へ申請されている。PWRの審査が先行している。BWRは、同じ論点を同じ審査会合で同時並行でまとめており、効率的に審査を進めていると櫻田道夫・規制庁原子力規制部長は説明した。

 各プラントについて主な状況は次のようになる。

 九州電力川内原子力発電所1、2号機は、設置変更は許可され、工事計画認可の審査段階に進んでいる。

 関西電力高浜原子力発電所3、4号機は、設置変更許可申請の補正申請が提出され、審査が進められている。

 九州電力玄海原子力発電所3、4号機は、地震、火山、津波の審議、プラント固有の問題は一応ほぼ終了したところ。

 北海道電力泊原子力発電所は、事業者の要望により3号機のみ先行して審査が進められている。四国電力伊方原子力発電所3号機とともに、破砕帯や地震動に関して論点が残っており、基準地震動もまだ審議していない状況。

 田中委員長は、「泊と伊方はまだ基本的なところが残っている感じがする」とコメント。小林勝・規制庁安全規則管理官は、伊方は中央構造線の評価がポイントで、泊は積丹半島地震が地震性隆起であるかどうかを今詰めているのに時間がかかっていると返答した。田中委員長は、「申請してきている事業者の取組み次第だが、着実に進めていただきたい」とコメントした。

 以上、報告のみで終了。

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