2014年11月12日(水)10時30分から、2014年度第38回原子力規制委員会が開催された。鹿児島県の市民らによる川内原子力発電所1、2号炉の設置変更許可に対する異議申立てについて、委員会は、議事運営要領に則り、審理、資料、議事録を非公開とすることを了承した。
2014年11月12日(水)10時30分から、2014年度第38回原子力規制委員会が開催された。鹿児島県の市民らによる川内原子力発電所1、2号炉の設置変更許可に対する異議申立てについて、委員会は、議事運営要領に則り、審理、資料、議事録を非公開とすることを了承した。
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規制に活用している民間規格の一つ、日本機械学会の規格の訂正を、規則に反映すると9月17日の第25回規制委員会で決め、意見募集(パブコメ)を行った。その結果をとりまとめ、委員会に報告、規則訂正の決定を議論するもの。同時に、今後規制委員会が活用する民間規格、学協会規格の訂正の取り扱いを定めた。
パブコメは2014年9月18日から10月20日まで行われ、1件の意見がよせられたことが報告された。
更田豊志委員は、「今回の件のように、直近の改訂版に正誤訂正は見るが、それ以前の過去のもの全てをチェックするのは時間的にも不可能だ」とコメント。訂正の有無は一種の品質管理であり、学協会が規格を発行する際、誤りがないという品質管理を厳しくするよう注意喚起したいと意見した。そのために、学協会とコミュニケーションをとって、きちんとするよう対応する必要があるだろうと述べた。
竹内大二・規制庁安全技術統括官長は、9月17日の委員会で学会に注意喚起し、対応をお願いしていると返答。フォローアップしていき、意見交換も検討すると応じた。
また、今後も学協会規格に訂正が生じることを考え、軽微な訂正は新しい規格を引用するように、規制基準を改正する案が事務方から示され、特に意見はなく了承された。
関西電力・高浜原子力発電所の1号炉は、11月13日に運転開始後40年を経過する。冷温停止状態の維持を前提とした保安規定変更の認可申請が、昨年2013年11月12日にあった。審査の結果、問題はないと判断され、保安規定の変更認可が行われた。
1号炉は、冷温停止状態を維持する前提で、現状の保全、保守管理方針のままで良いと判断された。また、1号炉は新規制基準適合性審査の申請をまだしていない。そのため、高経年化技術評価に係る部分のみを審査したもの。現状では運転できず、冷温停止状態を維持し続けることしかできない。
旧JNESで研究していた防潮堤に関する安全研究について、規制庁と統合後、規制庁で研究していたものの中間報告を行なった。
独立行政法人港湾航空技術研究所の津波水路試験設備等の実験結果から、フルード数と波圧係数の相関関係を示した。フルード数は波の性状を示す指標の一つ、波圧係数は防潮堤などの設計ガイドで示される係数の一つである。
石渡明委員から、大規模、中規模の二種の試験装置の結果の違いは何かと質問があった。高松直丘・安全技術管理官は、試験装置水路の横面の摩擦ではないかと推論。石渡委員は、自然の津波では横面の摩擦はほとんどないとし、さらに解析、検討するよう要請した。
更田委員は、今回のデータを詳しく見ると、「釈然としない点もあり、あくまでこういう傾向だというだけだろう」とコメント。高松氏は、今回は中間報告で、今後もデータや結果の精査、解析を進めていきたいと答えた。
原子力規制委員会が9月10日に設置変更許可を出した川内原子力発電所1、2号炉に対して、11月7日に許可の取り消しを求める異議申し立てが行われている。それに対して、事務方から委員会に内容説明があり、対応案を議論するもの。
まず、異議申立書が行政不服審査上の要件を満たしているかを確認。その後、必要な審理を行うという。審理、審議は、資料や議事録も含めて非公開とし、後日、議事要旨を公開することが提案された。これは、原子力規制委員会議事運営要領7条、8条の規定に基づくものだと、市村知也・原子力規制部安全規制管理官は説明。
特に異論はなく、事務方の提案通りに了承された。
IAEAのCSS(安全基準委員会)会合が11月3日から5日にかけて、オーストリア・ウィーンで開催され、更田委員が出席、その出張報告を行った。
CSSは、IAEA理事会決定の一つ前のプロセスとなる会合。今回の会合では、IAEA基準上の要求になる文書に福島第一原発事故の教訓を踏まえた改正が盛り込まれ、DS457と呼ばれる緊急時の計画と対応について、IAEAの安全基準の改訂が議論された。
■jaikoman氏によるツイート