9月12日、九州電力の川内原発1,2号機が、新規制基準に適合するとする審査書が正式に決定してから初めてとなる、小渕優子経産大臣の会見が開かれた。小渕大臣は、「再稼働に求められる安全性が確保された」とし、資源エネルギー庁の上田隆之長官を鹿児島県に派遣したと報告。伊藤祐一郎・鹿児島県知事と、岩切秀雄・薩摩川内市長からの要請に基づき、再稼働に向けた政府方針を文書で手渡すためだ。文書の中身については、「後に公開する」とした大臣だが、「万が一、事故が起きた場合は関係法令に基づき、政府が責任を持って対処する」とする一文が盛り込まれたことが、面会後の報道で明らかになっている。文書を受け取った伊藤知事や岩切市長はそれについて、「国の責任が明確にされた」と高く評価したという。

　会見の中では他に、避難指示準備区域に指定されていた福島県川内村の避難指示が、10月1日に解除されることが発表された。避難指示解除は、田村市都路地区に続き2番目となる。小渕大臣は、「解除されて初めて復興が本格化する」と述べ、今後は復興庁と連携し、雇用の創出、商業機能の回復に取り組んでいきたいと話した。

　具体的にどう支援していくのか、記者から聞かれると、大臣は、「住民の帰還が本格化することを期待する。商業機能の回復、生活環境の整備をしっかり進めていきたい。働く場所を確保していくことが重要」と述べたが、放射線量に対する住民の不安については言及がなかった。

　吉田調書の朝日新聞記事取り消しについては、「事故当時、今まで経験したことのない現場で命をかけて立ち向かって作業員に対して、感謝や尊敬の念は忘れてはいけない」と回答するにとどまった。

• 日時　2014年9月12日（金） 11：35～
• 場所　経産省 10階 会見室（東京都千代田区）