米軍「Xバンドレーダー」建設地ルポ ~「防衛省の借り上げは秘密裏に継続」市民有志が告発 2014.5.25

記事公開日:2014.5.28取材地: テキスト動画独自
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(取材・聞き手:柏原資亮、記事:IWJテキストスタッフ・富田)

 京都府最北端にある京丹後市。豊かな自然を湛えるこの場所で、昨年2月より「米軍基地」の問題が噴き上がっている。米軍の高性能早期警戒レーダー(Xバンドレーダー)の建設工事が、5月27日に着工された。

 事前連絡を一切受けていない地元住民は、この工事強行に困惑。一方で、防衛省による地権者からの用地借り上げは今も秘密裏に続けられており、Xバンドレーダー配備に反対する市民らの怒りはピークに達している。

 25日、京都市京丹後市の米軍Xバンドレーダー基地建設予定地を、IWJ記者が訪れ、緊張感が高まりつつある現地の様子をレポート。レーダー基地建設の反対運動を行っている釜淵大樹氏に話を聞いた。

■イントロ

  • 収録 2014年5月25日(日) 15:45頃~
  • 場所 Xバンドレーダー建設用地前(京都府京丹後市)

 京丹後市にある碇高原牧場を訪れた柏原記者は、「この牧場は京都府営で、観光施設として作られたものだが経営は厳しいようだ」と説明。近い将来、この碇高原牧場が廃止され、「米軍の新型輸送機オスプレイのヘリパッドが作られるのではないか」との噂が流れているという。

 Xバンド配備に反対する「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」などのメンバーからは、すでに、「京丹後への米軍施設建設は、レーダー配備だけでは済まないのではないか」との指摘がなされている。日米政府の最終的な目標は、京丹後半島全域を、在日米軍の新たな主要拠点にすることにある、との見立てがあり、Xバンド配備はそのための「露払い」の役割も担っている、との認識だ。有志らは「京丹後市がXバンドレーダーを受け入れてしまえば、そこから先はドミノ倒し的に、米軍基地の拡大が進む」と警鐘を鳴らしてきた。

すでに農地の面影はない

 「ここは、地元の袖志地区などの皆様からお借りしている土地です」。

 近畿中部防衛局(防衛省)が立てた看板には借り入れ目的が書かれていないが、言うまでもなく、目的はXバンドレーダー施設の建設であり、この場所に米軍基地が作られることを住民に伝えている。

 米軍基地は、2017年度末までには完成される計画で、米軍人20人を含むその要員は、最大で約160人になる。

 看板が据えられている土地は、レーダー基地の建設予定地である、航空自衛隊経ヶ岬分屯基地に隣接する民有地で、そこはすでに、生来の農地の風情を失っている。

 「昨年の2月末、唐突に基地建設の計画が発表される前までは、畑が広がっていたが、すでに防衛省に借り上げられている」と柏原記者。米軍基地の規模は経ヶ岬分屯基地の一部と、地権者からの借り上げ地の合計で、約3万5800平方メートルに達する。

地権者への札束攻勢は続いている

 京丹後市がXバンドレーダーの受け入れを表明したのは、昨年9月のこと。中山泰市長は、その見返りとして、国負担での、市中心部から基地予定地までの道路整備を要求した。

 一方、反対派有志らが「地権者は札束で頬を叩かれた」と表現するように、防衛省からは、農地利用で得られる収益の相場よりも、はるかに高い数字で借り入れ金額が提示されており、すでに応じる地権者が続出しているという。

 5月24日の京都新聞が伝えるところでは、米軍は、14日にはすでに工事業者に着工を許可している。京都府や京丹後市は、工事車両の通行に伴う安全対策の視点から、防衛省に対して着工日の事前連絡を再三申し入れていたが、連絡は入っていない。

 米軍と防衛省による地元軽視の動きは、ほかにもあることを、市民活動家の釜淵大樹氏は指摘する。前述の立て看板が据えられた用地の、横を伸びる小道を挟んだ隣の土地。そこは、明らかに畑の佇まいを見せており、近くには木造の民家もある。釜淵氏によれば、その畑と民家が、今、基地建設のための新たな用地借り上げの対象になっているという。「地権者は、防衛省からプレッシャーをかけられている。しかし、そういった交渉が進められていることを、京丹後市役所は知らされていない」。

 この事実が判明したのは、2週間ほど前のこと。柏原記者は、防衛省が先月、地元住民に対して、工事日程や安心安全面の対策などに関する説明会を開いたばかりであることを指摘し、「にもかかわらず、防衛省は、今なお、基地建設に反対する地元住民の神経を逆なでするようなやり方を続けているのだろうか」と疑問を呈した。

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「米軍「Xバンドレーダー」建設地ルポ ~「防衛省の借り上げは秘密裏に継続」市民有志が告発」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見より) より:

    住民の声を無視して強行されてる蛮行には根拠がある、それは日米地位協定。これは京都だけでなく日本全体の問題だ。

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