「美味しんぼ問題」で過去に鼻血について国会質問していた森大臣「科学的事実と不安をごっちゃにしている」と釈明 2014.5.16

記事公開日:2014.5.16取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

 2014年5月16日(金)、森まさこ内閣府特命担当大臣の閣議後の記者会見が、消費者庁会見室で行われた。森大臣は前回の会見で、被曝と鼻血の因果関係を否定し、漫画『美味しんぼ』について、「放射能と鼻血との因果関係があるかのように誤解される記載だ」とし、「差別を助長する」などとコメントしていた。

 しかし、森大臣は野党時代の2012年6月14日の東日本大震災復興特別委員会で、「子どもが鼻血を出した、これは被曝による影響じゃないかと心配なんだけれども、それを診察してもらった、検査してもらった、そのお金はどうなるんですか」という福島県民の声を引用し、国会質問に臨んでいた。

■全編動画

  • 会見者 森雅子氏(内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画))
  • 日時 2014年5月16日(金)
  • 場所 消費者庁会見室(東京都千代田区)

「科学的事実と不安を『ごっちゃ』にしている」

 会見冒頭、森大臣は6月27日に「男女共同参画づくりの全国会議」を日比谷公会堂で開催すると発表した。テーマは「女性と男性で輝く社会」で、オーストラリアのブルース・ミラー駐日大使が「オーストラリアの取り組み」を紹介するため登壇し、森大臣らも講演するという。

 その後の質疑応答では、記者が「美味しんぼ問題」に言及し、野党時代の発言との整合性を指摘した。

 森大臣は「まったく矛盾しない」と、きっぱり否定。「科学的因果関係、鼻血と放射線の関係と、それに関する不安、つまり科学的事実と不安を、ごっちゃにしているのだと思います。科学的事実と不安は別に考え、不安についてはきちんと応えなければいけないと思う。今もそれは変わらない」と説明した。

 さらに森大臣は「医者に行くことや検査を実施することで解消していくと思う。不安解消のために病院に行っても、医療費はかかってしまう。この医療費はやはり審議すべきではないかということを(子ども被災者支援法の)法案の提案者として(国会質疑では)言及した」と釈明した。

 しかし、「科学的事実」と「不安」が混同しているからといって、必ずしも「因果関係がないと証明された」と断定できないのではないか。因果関係がある可能性を見極めながら健康調査を続けるべきではないか。記者は追及した。

 森大臣は「もちろん私たち科学者でない者が100%ということは言えないが、政府の立場は、鼻血と放射線に関して、因果関係は証明されていないということです」と弁明。「不安払拭のため、科学的見解を示すとともに、検査を将来に継続し、国民に示していくことが大事。現在では全福島県民に調査しており、子どもの甲状腺検査もしている。医療費も無料。こういった取り組みを継続していくことが大事」との見解を示した。

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「「美味しんぼ問題」で過去に鼻血について国会質問していた森大臣「科学的事実と不安をごっちゃにしている」と釈明」への1件のフィードバック

  1. hotaka43 より:

    甲状腺検査で異常が有っても、次回経過検査は2年後。更にデータは福島医大が握って出さない。結果だけを知らせるだけ。
    福島県内に居なければ医療費は無料にならない。
    こんなんで釈明になるか。これはモルモット。

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