憤る原告団「大阪高裁は自らの判断を示さずに逃亡した」 〜大飯原発3・4号機運転差し止め仮処分 却下決定 2014.5.9

記事公開日:2014.5.9取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ/奥松)

 「今回は負けたが、私たちの運動は多少なりとも、原子力規制委員会にも影響した感がある。問題は、規制委員会の結論が出てから、再稼働まで時間がないことだ」と、原告団代理人の武村二三夫弁護士は語った。原告の島田清子氏は「この裁判によって、われわれは大きなもの獲得できた。内容的には大きく前進した。特に、ずさんな避難計画の問題を指摘して、再稼働を止める布石にしたい」と話した。

 2014年5月9日、関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを求めて、大阪高等裁判所に仮処分申請されていた即時抗告審で、大阪高裁は訴え却下の決定を下した。決定直後の様子と、原告団記者会見・報告集会の模様を取材した。

※なお、大飯原発3・4号機を巡っては、この判決から12日後の5月21日、福井地裁が原発の危険性に言及し、関西電力に運転差し止めを命じる判決を出しており、司法の判断が分かれる形になっている。

記事目次

■ハイライト

  • 14:00~ 決定(判決)(大阪地裁正面玄関前)
  • 15:00頃~ 原告団記者会見(司法記者クラブ)
  • 15:40~ 原告団報告集会(大阪弁護士会館)

「不当判決、原発の安全性判断示さず」

 大阪市北区にある大阪地方裁判所前には、グリーン・アクション代表のアイリーン・美緒子・スミス氏、おおい原発止めよう裁判の会の島田清子氏ら原告団や関係者が集まり、大阪高裁の決定を待った。

 14時過ぎ、武藤北斗氏(原告)が「不当判決 原発の安全性判断示さず」の旗を掲げながら、裁判所から走り出て来た。それを見て、スミス氏、島田氏、中嶌哲演氏(小浜市・明通寺住職)らは悔しさをにじませ、「関電は、私たちの主張に反論することができなかった。それなのに、このような判決を出した裁判所は、自らの判断を示さずに逃亡した、といえる。司法の責任放棄だ」と憤りを表明した。

新規制基準を明らかにクリアしていない関電

 続いて、原告団の記者会見に移った。武村弁護士は「新規制基準の適合審査が終了する前に、裁判所から仮処分決定を出せ、と申し立てていた(仮処分によって保全すべき権利を、生存権・人格権の妨害予防請求権としていたが、)それに対し、大阪高等裁判所は『却下』の決定を下した。その理由は、保全の必要性がない、とのことだ」と報告した。

 武村弁護士は詳細の説明に入った。「新規制基準での申請では、関電は基準地震動の計算において入倉・三宅式を使い、津波地震動は武村式で算出した。なぜなら、武村式で基準地震動を計算すると、入倉・三宅式より4.7倍大きくなってしまい、今までの設備が使えなくなるのだ。根本的に耐震設計をやり直さなくてはならなくなる」。

 次に「新規制基準での、メルトダウンなど重大事故対策は、1点目が、新規制基準では原子炉容器に注水、冷却。2点目は、原子炉格納容器の下部キャビティの冷却。3点目、格納容器破損の場合の核物質拡散の抑制の措置」と続け、「新規制基準では、以上3点の改善要請を関電に指示するが、関電は対応をしていない。そして、台場浜とF-6の両破砕帯の安全性評価を放棄した。以上、安全性の基準を満たしていないことは明らか」と断じた。

 「しかし、裁判所の決定は、原子力規制委員会の審査が終了し、その判断が出ないと、保全の必要性も判断できず、ゆえに仮処分も認めない、ということだ」。

 さらに、「原子力規制委員会は、先に述べた多くの問題点を、基準をクリアするよう改善工事をしろと、関電には命じない。むしろ、その論点は審査済み、と記す。だからこそ、今の時点で差し止める必要があるのだ」と武村弁護士は強調した。

日本の原発の一番大きな問題は耐震性だ

(…会員ページにつづく)

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