民主党、日本維新の会、結いの党、生活の党の野党4党から推薦を受け、今回の衆院鹿児島2区補欠選挙に無所属で出馬した前衆議院議員の打越明司(うちこしあかし)候補に、IWJは投開票日(4月27日)を直前に控えた25日、単独インタビューを行った。
「政権与党の公認候補を打ち破る」と意気込む打越候補が掲げる政策とは。また、自民党との違いはどのようなところにあるのかについて、以下、インタビューの模様を一問一答形式でお伝えする。
(取材:原佑介、記事構成:安斎さや香)
民主党、日本維新の会、結いの党、生活の党の野党4党から推薦を受け、今回の衆院鹿児島2区補欠選挙に無所属で出馬した前衆議院議員の打越明司(うちこしあかし)候補に、IWJは投開票日(4月27日)を直前に控えた25日、単独インタビューを行った。
「政権与党の公認候補を打ち破る」と意気込む打越候補が掲げる政策とは。また、自民党との違いはどのようなところにあるのかについて、以下、インタビューの模様を一問一答形式でお伝えする。
記事目次
■イントロ
――選挙戦中盤を迎えて、手ごたえは?
「無所属の候補が政権与党の公認候補を打ち破る、本当に鹿児島からモノを言う、そういう選挙にしようじゃないかと。良い答えを出そうと、そういうみなさんの思いが日に日に増してきているというふうに思います」
――今の与党に「任せられない」という思いがある?
「与党・野党の対立構図で選挙をしていませんから、人を選ぶ選挙だと訴えて、どの人が、その地域のみなさんを最もよく受け止めているのか、実行できるのか、地域のためにこれまでも、これからも汗を流せる人は誰か、そういう戦い。そして、政権与党の候補者を打ち破ることで、数々の良いところもあれば、悪いところもある。悪いところをしっかりと正すのが政治。そういう役割を果たしていかなければならないと思います」
――今回の選挙は「争点が見えにくい」と言われる中で、有権者が注目しているのは「政治とカネ」の問題なのか?
「それぞれ立場が違うでしょう。候補者の立場も違うし、有権者のとらえ方も違うと思います。ただ、はっきりしていることは、この選挙はなぜ始まったのかということ。それは、大きなカネと選挙、引いてはカネと政治、そのことが、この選挙の引き金であって、そのことから目をそらして、選挙を戦うというわけにはいかない。しかも私は、これまでずっと、そのことを訴えてきた候補です。戦い続けてきた候補です。
お金を持たない候補であるということは、とても有名になってしまっている。だから、自分のキャッチフレーズは、『いつでも一生懸命、いつでも汗まみれ』ということで、政治家の姿、政治のあり方が問われているという面では、カネが絡む絡まないだけではなくて、本当の代表者は、どうあるべきなのかを訴えてきている。現役の国会議員もしていたので、それぞれの地域に応じて、特に関心のあること、みなさんの生活に関わることについては、私もいろんなかたちでお話をしています」
「特に、TPPについては、重要5品目と言われるようなものの中で、畜産王国と呼ばれる鹿児島の大きな部分を鹿児島2区は担っています。畜産農家の非常に多い地域。もう1つの重要品目であるサトウキビを持っている地域。サトウキビが島の命の産業になっている。つまり、重要5品目のうちの大半が存在する地域ですから、そういったことについて、これまでも主張してきましたし、これからもしっかりと守りながら、対策を1つ1つ組み立てていく。
今回はTPPの交渉の行方は非常に話題になっていますが、具体的な対策はどうなるのかという議論はほとんど出てきていません。そのことをしっかりと準備しなければならないというのは、前回の総選挙の時にも訴えてきたことでありますし、地域で大事な問題については、話をしてきていると思います」
――TPPには「反対」?
「TPPのしくみそのものは、世界中の国々ができるだけ活発な交流をしようと、交易をしようという方向は、日本も諸外国も同じであって、交渉自体はハードではあるけれども、しっかりやらなくちゃいけない。逃げ回っていても、いつかは必ず捕まる話です。
ただ、交渉をやるのであれば、姑息な手を使わずに、つまり前回の自民党の選挙みたいに、国民には『交渉参加しない』ということを訴えながら、2ヶ月3ヶ月後には『交渉する』と。その理由は、『聖域を認めてくれたからだ』と言って、その1年後、『聖域を認めてくれてるのか』と言ったら、『まったく認めてくれていない』と。話が違うじゃないですか。
これはTPPの問題というよりも、TPPに向かい合っている政党の姿勢がおかしい。全体としてはそう言いながらも、例えばTPPに関わる地域の自民党の議員は、『絶対守る、絶対守る』の大合唱。しかし、『絶対に守る』という方法は提示しない。
具体的に10年なら10年、20年なら20年、100年なら100年かけて、どう我が国の産業あるいは農業以外の分野も含めて、制度的に準備ができるのか、できないのか、いくらかかるのか、どういう方法であれば、みなさんは自分たちの生活を守りながら次の時代に引き継いでいけるのかという道筋を示すことが、政治家の仕事でしょう。それができていない。一番肝心なところから逃げ回っている、そんな気持ちがします。TPPについて、今一番言いたいのは、自民党って、全然嘘つきじゃんと。それを言いたいです」
――自民党とは違うかたちでのTPP参加の道筋を示せるか?
「それぞれの分野の勉強をさせていただいています。砂糖の糖価調整制度などは、日本で最も詳しい議員の一人だと思います。どういうしくみにして、どのぐらいの準備をしていけばなんとかなるのか、ならないのか、ならないものについては、絶対に守るしかない。守るという交渉をする。なんとかなるということであれば、なんとかなる道筋で交渉をする。それが交渉でしょう」
――なんとかならないのであれば、離脱も?
「なんとかならないのであれば、守り切るという立場で交渉する。守り切るという立場で相手が交渉しないのであれば、合意に達しなかったねということになる」
――火山が噴火した場合、川内原発は福島原発事故の何百倍もの事故につながると分析している専門家もおり、避難計画も遅れているが、再稼働できるのか?
「再稼働もルールですから、規制委員会もルールを作って、これまでの保安院・安全委員会のように独立が確保されていない、むしろ原子力ムラの人たちがやっている、そんな批判もある中で独立性の高い委員会を作って、その規制委員会が今まで起きてきたことを前提としながら、さまざまなハードルを高くしていって、1つの問題だけではなくて、さまざまな観点からきちんと調査と提案、チェックをしていくということがまず、前提です。
地域の住民の方々の安全・安心という気持ちをしっかりと確認しなければ、前には進めないんだと思っています。その上で、それぞれの地域の議会、首長さん、みなさんのGOサイン、すべてが整っていった場合には、再稼働はあると思います。
ゼロか100で議論する話ではないので、『れば』『たら』を言い出したら、国策すべてを変えなくちゃいけないという状況になる。それはそれで、国を2分した論戦になるんだろうと思いますけれども、今、国民は自民党を選んで、その政権が、我々から見ると少し前のめり過ぎる再稼働を進めようとしている。
これも現実の姿ですから、その中で最大限、住民側から見て安心と安全を確保できる方法、情報公開を徹底する、あるいは法に則った以外でも、必要があればきちんとした説明会を行う、さまざまな努力をしながら、どこかで立ち止まるということも含めて、進めていかないといけない」
――住民の方と原発の話をされますか?
「まったく出ないですね。まったくというほどでもないけれども。子どもを持つ女性は、非常に心配していると思います。しかし、奄美の原発に関心を持つ方々は、むしろ、川内原発よりも中国で原発ができたときの心配をする声の方が多いですね」
――鹿児島2区の課題は?
「一言で言うと鹿児島2区は、日本の政治の課題の縮図みたいなところで、鹿児島市内という世界でも有数の都市を持っていて、南薩地区という鹿児島の最も平均的な中央都市、あるいは農業地帯があって、さらには奄美という離島の生活がある。
それぞれの地域の政治的な課題というのがまったく違う。大都市から離島の問題まで全部ひっくるめてするとなれば、日本中にある課題はほとんど出てくるというぐらい、特殊で特別な選挙区だと思います。
ただ、すべての地域での悩みが高齢化。高齢者が非常に増えて、その方々への医療・介護の提供、サポートをどうするか。少子化で子どもたちが減ってきている中で、若者の流出が止まらない。高齢化と少子化の問題は非常に深刻で、そのことは政治家が重く受け止めるべきテーマだと思います」
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