現地からの情報発信を強化していく方針~東電会見「廃炉推進カンパニー発足に関する会見」 2014.4.4

記事公開日:2014.4.4取材地: テキスト動画
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 2014年4月4日10時30分から、東京電力Jビレッジにて「廃炉推進カンパニー発足に関する会見」が行われた。廃炉推進カンパニープレジデントに就任した増田尚宏氏は、廃炉推進カンパニー発足に際し、「部門横断的なプロジェクト管理体制、海外との連携、現地からの情報発信の三点を強化する取組みだ」と表明した。

■全編動画

  • 日時 2014年4月4日 10:30~
  • 場所 東京電力Jビレッジ(福島県楢葉町、広野町)

強化する三つの取組み

 廃炉推進カンパニープレジデントに就任した増田尚宏氏は、冒頭挨拶として、強化する三つの取組みを挙げた。

(1)プロマネ登用による、部門横断的なプロジェクト管理体制
(2)IRIDを通じ、積極的な海外との連携、知見の活用
(3)現地からの情報発信の強化

 プロジェクト管理体制を一新することにより、部門縦割りの弊害を取り除き、全体を見た工程管理を実施していくことがねらい。1月22日の”汚染水・タンク対策本部”会見にて、プロジェクトマネージメント体制を整え、WBSの手法で業務分析をすることが発表されていた。それらを実務に活かす対策だ。

 海外との連携、知見の活用は、以前から「国内外の叡智を結集して」などと謳われていることだが、改めて強化することとして取り上げられた。

 情報発信の強化としては、廃炉推進カンパニー発足に伴い、福島第1原発に密着する広報部員を6名増強した。”より現場に近い情報、現場を理解する部員が、しっかりとそれをタイムリーに発信できる”ことがねらいであるという。準備が整う7月以降、現在実施している原子力定例記者会見の内、週一回を現地から行うことを公表した。

 これまで廃炉の進捗に関する情報発信は、行われている東京本店の記者会見、福島県県政記者会会見などで行っている。増田氏は、今後は「知りたい情報」「安心できる情報」を「直接現場から」「一元的に」「わかりやすく」発信する機会を増やしたいとの考えを示した。自身も現場との通訳として、「丁寧な情報公開に努めてまいりたい」と抱負を述べた。

正確性より迅速性を優先

 増田氏は、会見について「皆さんと接する機会がいかに増やせるか」が大事だと考え、正確に伝えようとするがためにわかりづらくなるよりも「多少正確性を犠牲にしてでも、わかりやすく伝えるのが大事」だとの考えを示した。

 「正確性を求める事項は専門家にまかせて、自分は多少の誤解を生むような発言があったとしても、迅速にわかりやすく伝えるたことを心がけたい」と述べた。

労働環境の整備、改善が重要

 「労働環境を整備するというのは、とっても大事なことだと思っています」。増田氏は、被曝線量を減らすことはもちろんのこと、装備の軽減化、発注方法を工夫し、継続した仕事を可能にすること、休憩所や食堂など”普通の仕事の環境に戻す”ということも含めて、労働環境の改善だという考えを示した。

バイスプレジデント登用のねらいは?

 「今までは設備を守るというのが中心」というこれまでの東電の仕事のやり方に対して、廃炉推進カンパニーでは、「物事をプロジェクトとして扱う一般の会社の感覚がないとうまくいかない」と増田氏は述べた。社外から三名のバイスプレジデントを登用した理由については、「プロジェクトを運営するというセンス、各分野の原子力で積んだ経験を期待している」と語った。

 就任にあたって、出身メーカー色を消すように要請したというが、同時にメーカー母体の技術力、情報収集力も活用したいと述べた。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

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