石原・猪瀬都政から脱却し、「新しい東京」を作る ~外国特派員協会 舛添要一東京都知事 記者会見 2014.3.19

記事公開日:2014.3.19取材地: テキスト動画
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(取材:IWJ 石川優 記事:IWJ 野村佳男)

 2月に東京都知事に就任した舛添要一氏が、3月19日、日本外国特派員協会で記者会見を行った。舛添氏の同協会での会見は、都知事選最中の1月31日以来となる。都知事として初めての登場となった今回の会見では、4年間の任期中に実現を目指す政策の具体的な内容について語った。

 舛添都知事は、東京を「世界で最も災害に強い安全な都市にする」「世界で最も住みやすい都市にする」「2020年オリンピックを成功させる」という、3つの主要政策を掲げている。会見では、「東京は、日本の首都として、日本全体を牽引する大きな役割を担う」と、都政に対する意気込みを語り、主要政策に沿った具体的なビジョンが示された。

■ハイライト

東京で「エネルギーの自活」を実現

 災害対策に関して、舛添都知事は、各市区町村における飲料水や食糧の備蓄状況のチェックを4月から始めると説明。また、地震による火災を防ぐため、木造密集地区を改善して、道路の拡張を図ることを明らかにした。

 福祉政策については、自助、相互扶助、公共援助を組み合わせて、「子育てのしやすい、働きやすい都市を作る」と明言。現在8000人と言われる東京の待機児童問題を4年間で解消する「待機児童ゼロ作戦」を、あらためて訴えた。

 高齢化問題に対応するため、都の所有地を老人ホーム建設のために安価で開放する方針も発表。また、多摩ニュータウン地区に、低層階の新しい高齢者用住宅を建設するなど、45000人いると言われる老人ホーム待機者の早期軽減を目指す。

 また、ワークライフバランスの向上について舛添都知事は、「都庁職員全員に、夕方6時までには帰宅するよう指示した」と述べ、都知事自らが仕事の効率性を高め、夜間の電気消費量の削減を実施することを明らかにした。

 他にも、再生可能エネルギーを6%から20%に引き上げるなど、独自のエネルギー政策にも取り組む姿勢を示した。舛添都知事は、「福島や新潟などの地方に頼ることなく、エネルギーを自活できる体制を作りたい」と語った。

「国家戦略特区」で経済の活性化を

 経済政策について、舛添都知事は、「日本の首都として、東京の経済を活性化させることが、日本全体の景気回復につながる」との展望を強調した。

 具体的には、現在政府が進めている「国家戦略特区」を通じて、事業がしやすい環境を作ることを約束。前田信弘副都知事を座長とする「国家戦略特区タスクフォース」が設置され、3月末の候補地決定までに計画を策定することを明らかにした。

 猪瀬都政で課題となっていた、「東京メトロと都営地下鉄の統合」について舛添都知事は、「地下鉄だけではなく、公共交通全般についてのグランドデザインを提示する」と述べ、各社の建設計画を統合するべく、強いリーダーシップを発揮する意欲を示した。

 同じく猪瀬氏が提唱した「都バス24時間化」に関しても、「都心での24時間化の一方で、多摩地区では本数が3分の1に減らされて住民は困っている」と、前都知事の政策を批判。サービス是正の方向性を明らかにした。

 また、現在建設計画に批判が出ている「新国立競技場」については、都知事自身が現地に赴いて検討する姿勢を示した。北京やシドニーでは、五輪後のスタジアム活用に失敗していることを踏まえ、「東京では同様の失敗をしない」と約束した。

石原都政から脱却して、近隣国の姉妹都市と友好な関係を

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