東電前抗議「遠くの人に原発を押し付ける構図は『満蒙が日本の生命線』と言った戦前の発想と同じだ」 2014.3.11

記事公開日:2014.3.11取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・原佑介)

特集 百人百話|特集 3.11

 2014年3月11日――。

 東日本大震災から3年が経ったこの日、東京電力本店前で、「3.11東電前アクション 東電を加害責任から逃がさない」と題した脱原発行動が開催された。

 主催の「東電前アクション」は、震災一週間後の3月18日から、東電前で抗議行動を開始した。今も継続的に活動を続け、様々な場所で脱原発を訴えている。

■全編動画

 この日参加した、福島県双葉町から避難したという女性は、「東電や国が、何の指示もしなかったから、私たちは放射能が強い方に逃げました」と当時を振り返る。

 「何を信じればいいのか、わからなかった。これから行くところもありません。今すぐにでも双葉に帰りたいけど、帰れないこともわかっている。東電がなければ、こんな悲しみを味わうことはなかった。どんなことがあっても、最後まで東電と戦おうと思います。やっぱり故郷には帰りたい。いつか、双葉に帰る夢を見て、頑張ります」

遠くに原発を押し付ける構図は「満蒙は日本の生命線」と言った戦前の発想と同様

 「東電前アクション」主催者の栗原さんは、「私たちは3年前、被害者という立場で抗議を始めました。もちろん、今も被害者の側面はある。空気を汚され、食べ物を汚された。しかし、私たちは一方的な被害者なのかと、この3年間の運動で思うようになりました」と、自身の活動を振り返った。

 「都会に住む人間が、原発立地地域とどのように向きあえばいいのか」――。栗原さんは、こう問題提起する。

 「戦前で言えば、『満蒙は日本の生命線』と身勝手な論理で侵略戦争をして、多くの人を殺し、日本は破局に導かれたことがありました。自分たちの便利な生活のためなら、遠くの人を踏みにじってもいい、という感情が、戦後、原発を作り出し、そして今、安倍政権の原発輸出を許そうとしているんだと思う」

 今後の脱原発運動について、栗原さんは、「私たちは、自分たちの便利な生活のために、遠くの人々を踏みにじってはならない。そういう価値観を広げるのが、反原発運動だと思う」と主張した。

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

関連記事

「東電前抗議「遠くの人に原発を押し付ける構図は『満蒙が日本の生命線』と言った戦前の発想と同じだ」」への1件のフィードバック

  1. 「日本の生命線」は言いえて妙 より:

    そう!唸るのみです。福島、そして沖縄もそうですが、経済援助とともに危険の高い問題を押し付けたり焚き付けたりする。いざとなったら、まず逃げだす。事実を歪曲して平然としていられる。ここまで政府がめちゃくちゃだと真似する人が出てきます。また、2021年まで待て、オリンピックに備えろというスローガンで問題を塗りつぶそうという雰囲気を感じています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です