青木泰氏 講演会 in 北九州 2012.4.22

記事公開日:2012.4.22取材地: テキスト動画
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(IWJ福岡・神 湊)

 2012年4月22日(日)、福岡県北九州市の北九州国際会議場で行われた、「青木泰氏 講演会 in 北九州」の模様。

  • 日時 2012年4月22日(日)
  • 場所 北九州国際会議場(福岡県北九州市)

 4月22日(日)、福岡県・北九州国際会議場第21会議室において、「青木泰氏講演会 in 北九州 震災ガレキについて知っておきたいこと」が開催された。青木泰氏は、自然保護やゴミ問題に取組む環境ジャーナリストで、『空気と食べ物の放射能汚染 ~ナウシカの世界がやってくる』などの著書がある。この日の参加者は約130人で、ほぼ満席であった。

 青木氏は冒頭から「震災がれきを受け入れるような企業や自治体には信用が付いてこない。がれき問題は地域の文化も壊す。」と、受け入れの準備を着々と整えつつある北九州市などの姿勢を痛烈に批判した。

 また、青木氏は、「阪神大震災では、1トンあたり2.2万円の処理費用だったが。広域処理では、約6~7万トン。今回がれきの広域処理に約1兆円の予算が見積もられているが、地元だけで処理すれば5千億円で足りる。」とし、放射能問題以前に、震災がれきの広域処理が膨大な税金の無駄遣いであることを指摘した。

 加えて、「静岡県島田市での、試験焼却の結果は放射性物質が不検出だったと当初発表されたが、再計算したところ、バグフィルターで捕捉できたのは60~80%で、残りは大気中に出てしまっていた。フィルターのメーカーも『バグフィルターで放射性物質が取れる保証はない』と明言しており、バグフィルターで99.99%除去できるという裏付けは全くなかった。また、各自治体にある最終処分場も、放射性物質に対応した施設ではない。」という点を強調した。

 4月22日(日)、福岡県・北九州国際会議場第21会議室において、「青木泰氏講演会 in 北九州震災ガレキについて知っておきたいこと」が開催された。青木泰氏は、自然保護やゴミ問題に取組む環境ジャーナリストで、『空気と食べ物の放射能汚染~ナウシカの世界がやってくる』などの著書がある。この日の参加者は約130人で、ほぼ満席であった。

 青木氏は冒頭から「震災がれきを受け入れるような企業や自治体には信用が付いてこない。がれき問題は地域の文化も壊す。」と、受け入れの準備を着々と整えつつある北九州市などの姿勢を痛烈に批判した。

 また、青木氏は、「阪神大震災では、1トンあたり2.2万円の処理費用だったが。広域処理では、約6~7万トン。今回がれきの広域処理には約1兆円の予算が見積もられているが、地元だけで処理すれば5千億円で足りる。」とし、放射能問題以前に、震災がれきの広域処理が膨大な税金の無駄遣いであることを指摘した。

 加えて、「静岡県島田市での、試験焼却の結果は放射性物質が不検出だったと当初発表されたが、再計算したところ、バグフィルターで捕捉できたのは60~80%で、残りは大気中に出てしまっていた。フィルターのメーカーも『バグフィルターで放射性物質が取れる保証はない』と断言しており、バグフィルターで99.99%除去できるという裏付けは全くなかった。また、各自治体にある最終処分場も、放射性物質に対応した施設ではない。」という点を強調した。

 その後、マスメディアと市民推薦の識者を交えた記者会見(アーカイブ・後編から)では、以下の様なやりとりがなされた。

 IWJ福岡・神湊:「北九州市は、わざわざ燃えやすい木材系がれきを3万9500トン受け入れようとしているが、これは焼却炉の燃料として、ゴミを効率的に燃やすことが目的ではないのか?」

 青木氏:「がれきを燃料としてというのは、今回の場合はあまり関係ないのではないかと思う。とにかく広域処理自身が、霞ヶ関の机上の論として進められてきた行き当たりばったりの計画で、あまり深い事は考えていないのではないかと思う。」

 IWJ福岡・神湊:「がれきを焼却せずに、東北の沿岸部に埋めて防潮林をつくろうという宮脇昭先生などの動きがあるが、土壌汚染や地下水の汚染する恐れもあり、青木さんはどのようにお考えか?」

 青木氏:「汚染度の高いがれきをどうするかというのは、現在3つほどアイデアがあり、宮脇さんの他に、元高知大学学長の立川涼さんの原発周辺のエリアに、処理処分しない形でそのまま保管するやり方。東京都市大学 青山貞一さんの、三角形に大きな堤防のような物をつくり、その中に有害物を閉じ込めていこうなど、アイデアの原型が出されている。今回のがれきの広域処理をストップしながら、まずは最初に安全基準を定めて、様々なアイデアを福島の人達などが参加しながら具体化していく必要があるべきではないかと考えている。」

 小倉タイムス・藤本記者:「焼却されたがれきは、若松区の響灘西部地区に埋立られる。管理型護岸であるが、土壌はバターの様になっており、以前、ゴムが破れたこともある。こういう所で処分を行い、子々孫々どういうことになっていくのか?また、北九州市は、PCBの広域処理もおこなっており、現在は岡山県以西17県分を処理しているが、震災がれきの広域処理を受け入れてしまうと、岡山以西以外のPCBも受け入れをせざるを得なくなるのではないか?」

 青木氏:「全く、その通りだと思う。」

 毎日新聞・林田記者:「北九州市が、震災がれきを受け入れることのメリット。お金・事務費等は、入ってくるのか?」

 青木氏:「月刊廃棄物1月号では、交付金を支給していくという言い方をしている。環境省のリサイクル対策部長は、地方自治体が焼却施設改修の為の交付金申請をして、
(震災がれきの)広域処理に協力した自治体に対しては、気持ちよく交付金を受給していくということを話している。しかし、個別具体的に、どのようなフォローを環境省が自治体にしていくのかは、まだ見えていない。」

 環境省からの交付金目当てに、本来不要であるはずの遠隔地での震災がれき処理が、莫大な税金が投入される形で行われようとしているならば、許されないことである。

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