2014年2月4日(火)14時から、森本英香原子力規制庁次長の定例ブリーフィングが行われた。東京電力福島第一原発の地下水バイパス水の排水基準や、敷地境界線量の低減策の妥当性について、「これから検討会の中でひとつひとつ検討していく」との考えが示された。
2014年2月4日(火)14時から、森本英香原子力規制庁次長の定例ブリーフィングが行われた。東京電力福島第一原発の地下水バイパス水の排水基準や、敷地境界線量の低減策の妥当性について、「これから検討会の中でひとつひとつ検討していく」との考えが示された。
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東京電力福島第一原子力発電所の汚染水の管理について、森本次長は「規制で取り組むあたり、敷地境界線で1mSv/yが一つの基準になっている。それをできる限り減らしていくのが基本的な姿勢」とした上で、「できるだけ管理下に置かれる水を対象にしていきたい」との考えを示した。
では、管理下に置かれる水の範囲はどこまでなのか。森本次長は「測定をしているものは、基本的に対象にしていきたい」と述べ、「逆に言えば、コントロールができないものをここに入れても、今、規制で取り組むのが難しいのが基本的な発想だ」と発言。今後、特定原子力施設の会合で決めていく事になるとの見通しを述べた。
「1mSv/yは濃度でやっているが、量について今後考える予定はあるのか」という記者団の質問に対して、森本次長は、「今、これを検討対象にするかどうか、特定原子力施設の検討チームでは対象になっていない、とは聞いていない」と回答。「規制としてのアプローチには、一定の限界がある」という自身の考えを示した。
2月5日に開催する規制委員会の議題3が、急遽追加された。議題3は「東京電力福島第一原子力発電所への対応状況について」である。
折しも、2月3日に経済産業省の赤羽一嘉副大臣が、全漁連の会長に地下水バイパスの放水基準となる汚染濃度の指針を示して、同時に規制庁にも報告が来ている。この点について、5日の委員会で今後の審議の方向性が出る可能性を予想するのは当然のことだ。
この点を記者団が質問したところ、森本次長は、「特に何かあって議題にしているわけではない。進捗情報を報告する必要があるということで入れている」と回答した。
現在行われている、発電所の新規制基準の適合性審査は、規制庁の中で三つの審査チームがあり、各チームで複数のプラントを担当している。担当しているプラント数の関係から、特定のチームに負荷がかかっていることが、これまでの会見等で発覚している。
記者団から、BWRである浜岡原発と東海第2原発の審査がもうすぐ出てくるということから、BWR専属チームを作らない理由を問う質問が上がった。
規制庁の佐藤人事審査官は、「申請があってからの対応になる。適宜対応できるよう、人員配置に努めていく」と、これまでと同じ回答を繰り返した。
福島第一原発の地下水バイパス水の排水基準や、敷地境界線量の低減について、規制当局側の対応は、検討チームの検討会の中で、規制庁の考えを示していることから、「それに対する東電の考え、方策の妥当性は、検討会の中でひとつひとつ検討していく」方針が示された。金城慎司・福島第一事故対策室長によると、排水基準や線量低減についての具体的な実施方法は、検討会で議論した後に東電が示すことになるため、現時点で具体的にまとまった施策はないという。
規制庁は2013年度中に除染が終えられないか、東電に計画を確認しているが、東電の計画では、2014年度内に終了する計画が来ている。その間で実現可能性がどこにあるか、規制庁は検討している。
■jaikoman氏によるツイート