【文化】「僕らはつながることを、どんどんやっていけばいい」三宅洋平氏 〜日本アーティスト有意識者会議(NAU) 2013.12.19

記事公開日:2013.12.19取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ 花山/奥松)

 「この30年で、世界は一番残酷で野蛮になっていると思う」──。

 2013年12月19日、目黒区のカフェ「Cherir cabre(シェリール カブレ)」にて、日本アーティスト有意識者会議(略称 NAU)第11回が、公開生放送で行われた。代表の三宅洋平氏と進行役の岡本俊浩氏に、ラッパーのDELI氏、音楽家の椎名純平氏、ブロガーの座間宮ガレイ氏という多彩なゲスト陣に加え、三宅氏の「選挙フェス」を裏から支えた、市民の党党首の斎藤まさし氏を迎えて、2013年最後の放送を行った。

■全編動画

  • 日時 2013年12月19日(木)
  • 場所 カフェ「Cherir cabre(シェリール カブレ)」(東京都目黒区)

原発爆発しても変わらない社会。立候補しかない

 椎名氏は、三宅氏の参院選出馬に関して、「そんなに意外ではなかった。やってもおかしくないという感覚があり、手元に引き寄せて考えられる候補者が、選挙に出る時代になったという感慨があった。ただし、期待はしたが、単純に言葉の部分で何を伝えられるのか、単なるタレント候補の一種で終わらず、どこまでいけるのか、『友人として』とは違う軸で見ていた」と語った。

 それに対して、三宅氏は「『原発爆発しても、まだ方向転換しないのか、この社会はっ!』ていう時に、どれをやったら一番社会が変わるのか考えると、『立候補』というアクションが一番大きいアクションだった。切羽詰まったところであって、通例の政治家になろうという概念ではなかった」と答えた。

 続けて、椎名氏は「たとえば、Twitterでフォローしている人も、『なるほど、友だちのミュージシャンが選挙に出たりするんだ』ということを感じただろう。この自然な動きの中で、17万票も取れたことがすごいことだし、危機感が結実して、捨てたものではないと思った。いいものをいっぱいもらった選挙戦だった」と振り返った。

国家による支配を牽制するために

 DELI氏は、12月8日に閉会した国会の動きに触れ、「特定秘密保護法案が通った後、共謀罪、がん登録法など、『何それ?』というものが着々と出てきている」と危機感を示した。これに対して、三宅氏は「民衆が受理できる容量の限界を超えて、出し続ける作戦のように見える。こういうことは、世界的に起きていて、実はこの30年で、世界は一番残酷で野蛮になっていると思う」と述べた。

 三宅氏は、バーレーンの状況を例に挙げ、「2012年の段階で、国王派が強行的に市民を抑圧して、夜な夜な警官隊が反対勢力を催涙弾で抑え込むという闘争が続いている。死人も出ている。ひと昔前だと国際世論が立ち上がるところだが、国際世論たる当事者に問題がある。この何年かに各国で、常軌を逸した非民主的な権力の行使が、同時多発的に起き始めている。それで、フリーズしてしまって、他人のことにかまえない状況になっている」と解説した。

 続けて、その対応策に触れ、「市民がネットを通じて、国際的にネットワークを形成することが、国家単位の支配にとっては邪魔なことである。だから、僕らはつながることを、どんどんやっていけばいい。特に、東アジア地域の韓国、中国、日本、台湾の若者たちが、文化によって強烈につながりあうことは、戦争の抑止力になる」との見解を示した。

特定秘密保護法案は「憲法の蹂躙」

 斎藤氏は、特定秘密保護法案の強行採決は、安倍総理によるクーデターだとして、「総理大臣が独裁することは難しいが、安倍総理はやろうとしている。内閣法制局長官を切ったところから、『独裁したい』というサインが出ていた。長官の首を切るところまでは、総理の権限である。しかし、今回の特定秘密保護法案に関していうと、誰が見ても、今の憲法とは相容れない。憲法無視、基本的人権無視である。これをクーデター以外の何であると言うのか」と憤った。

 斎藤氏は続けて、「これは間違いなく、今の憲法体制の転覆である。しかし、彼らは自信がないと思う。なぜなら、明文改憲できないという自覚があるのだ。自分たちは少数であり、これに共感する国民はいないとわかっている。だから、クーデターは始まったが、絶対に私たちは負けない。私たちにはいっぱい材料があり、名護市長選、都知事選もある。そして、3年以内にひっくり返さなければならない」と訴えた。

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