「定量的に被曝量を規定するのは適切ではない」規制委 田中委員長が一般公衆の被曝低減に言及 2013.12.18

記事公開日:2013.12.18取材地: テキスト動画
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 2013年12月18日(水)14時より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。新規制基準適合性審査におけるベント時の一般公衆の被曝低減に関する基準について、田中委員長は「非常に難しい判断基準になる」と述べ、「定量的に被曝量を規定するのは適切ではない」ことから、一律の基準で良し悪しを単純には判断できないとの見方を示した。

■全編動画

柏崎刈羽原発の審査基準、ベント時は放出源

 ベント時の一般公衆の被曝低減策として、セシウムで100テラベクレル以下という放出量が規定されている。

 柏崎刈羽原発の適合性審査に関する論点の中で、規制委は東京電力にフィルターベント使用時の一般公衆の被曝を、できる限り低減する方策がとられているかについて説明するよう求めている。しかし、新規制基準に記載されていないため、説明の必要はないと反論が上がっている。

 規制委はこれまでにも「新規制基準に記載されていないのは事実だが、事業者が被曝をできるかぎり低減する措置をとるのは当然のことだ」という考えを示している。

 一般公衆の被曝低減策の基準とは何か、がんばりましたで良いのかと、記者団から質問があがった。田中委員長は、被曝量は「場所依存性があり、非常に難しい判断基準になる」、「一律には決めかねるし、それで良いか悪いかと単純にはならない」と、「定量的に被曝量を規定するのは適切ではない」という考えを述べた。

 柏崎刈羽原発のフィルターベントに関しては、セシウム137の放出量が100テラベクレル以下という放出源の基準がある。ヨウ素等の希ガスについては、フィルターで除去できないため、審査の過程で細かく見ていくという。

テロ対策の審査は一部非公開だが、特定秘密保護法とは関係ない

 12月18日の午前の定例委員会で、テロ対策等に関する審査の取扱いについて議論された。体制や基本的な手順等は公開されるが、具体的な詳細の手順は非公開となる。

 先日公布された特定秘密保護法との関連を記者団が質問した。原子力規制庁の森本英香次長は「今回の議論と特定秘密保護法は無関係だ」と回答。特定秘密保護法は”国が作った情報”が対象であり、発電所の情報は対象外だという考えを示した。

 田中委員長は、「日本は、テロ対策等のセキュリティ面は甘いのでしっかりみていきたい」と述べた。

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