生態学の観点から見た福島原発事故の影響、生物学者ティモシー・ムソー氏の報告 2013.11.16

記事公開日:2013.11.16取材地: 動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・石川優)

 16日、福島の野生生物を調査したティモシー・ムソー氏が放射線が生態系へ与える影響について研究報告を行った。

 ムソー氏は、報告のなかで、ひとつの例として、羽に部分的に白い斑点が出ている福島のツバメの写真を見せた。日本の他の地域を同様に集中的に調査していないため放射能の影響であるかは確かではないとしながらも、チェルノブイリと福島の比較をしながら野生動物に見られる影響の傾向を示した。

 ムソー氏は、チェルノブイリ事故以降のウクライナとベラルーシの300地点で896例の鳥と昆虫の調査を行っている。そして、福島では400地点で1100例の鳥と昆虫を調査した。その結果、調査対象の生物の大部分について、被爆レベルに正比例して遺伝子損傷率や奇形率や発育異常率の有為な上昇が見られたこと、さらに、出生率が低下し、寿命が短くなり、多様性が縮小していることが報告された。

■ハイライト

  • ティモシー・A・ムソー (Timothy A. Mousseau) 氏(サウス・カロライナ大学) ――英語、スライドは日本語
  • 石田健氏(東京大学大学院農学生命科学研究科)、山田文雄氏((独)森林総合研究所)、友澤森彦氏(慶応大学)、鈴木譲氏(東京大学名誉教授)、仲村昇氏(山階鳥類研究所)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です