参院選での「1票の格差」裁判、全ての高裁で結審に至らず ~「1票の格差」裁判についての記者会見 2013.9.27

記事公開日:2013.9.27 テキスト動画
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(IWJ・須原拓磨)

 「人口比例選挙が正しいということを、判決で述べてもらいたい」-。

 2013年9月27日(金)、司法記者クラブで、「1票の格差」裁判についての記者会見が行われた。今年7月21日に実施された、第23回参議院議員通常選挙について、升永英俊弁護士らが全選挙区の「選挙無効」を求め、全国14の高等裁判所・高等裁判所支部へ訴訟を起こした。この日は東京高裁で、口頭弁論が行われた。同選挙では、「一票の格差」が最大4.77倍となっている。

■ハイライト

参院選の「1票の格差」、判決は持ち越し

 升永弁護士らは、2012年12月に実施された第46回衆議院議員総選挙の「一票の格差」に関する訴訟において、100日以内に判決が出され、裁判が1回で結審されたことを挙げた。100日以内に判決が出される根拠として、公職選挙法第213条に定められている、「(略)訴訟の判決は事件を受理した日から百日以内に、これをするように努めなければならない」というものがある。しかし、今回の参院選に関する訴訟では、この日の東京高裁を含め、全ての高裁・高裁支部において、結審に至らなかった。

 これに対し升永弁護士は、「腰が抜けるほど驚いた」とコメント。「私は今回も100日以内に判決が出ると思っております」と話す一方、「最高裁が違憲無効、人口比例という判決を出した場合には、国会議員は99条によって、早急に立法しなければならない義務を負う」と適切な法整備を要請した。

 伊藤真弁護士は、「違憲が長引くのはとんでもないこと」と一票の格差が放置されている状況を指摘し、「全く民主的正当性がない国会議員が国会で権力を行使し続けることは、1日でも早く止めなければなりません」と声をあげた。

 次回の東京高裁での弁論期日は10月28日であり、10月30日には申し出から100日目を迎える。

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「参院選での「1票の格差」裁判、全ての高裁で結審に至らず ~「1票の格差」裁判についての記者会見」への3件のフィードバック

  1. 岩上休め より:

    IWJがこの件で既存メディアの情報操作に騙されているので、残念に思います。

    民主主義とは弱者や小さい県に配慮することであり、強者が多数決で押し切ることでは御座いません。高校野球の全国大会の例を出すと分かりやすいと思います。高校の数が最も少ない鳥取県の代表を毎年出すことが民主主義であり、人口比例だからといって十年に一度しか鳥取県の代表を出さないことは全体主義であると、私は考えます。小さい県から甲子園の出場権を奪うことは、地方から国会の議席を奪うことと同じです。

    この件は「東京による支配」か「地方の独立」かの選択だと私は考えます。連邦制国家の上院や、欧州議会、国連総会のような、州同士・国同士の独立関係が保たれている場合は、一州の価値が平等な、地域代表を取り入れた制度になっています。なので、「一県一票」の方が一人一票より優れており、東京による支配から地方の独立を守ることができると考えます。地方の独立なくして日本の独立はありません。

    まずは、沖縄県やアイヌ民族に対して人口比以上の議席を割り当てる制度をご想像なさって下さい(南米では先住民に議席を割り当てる制度があります)。民主化が進み、現実の問題が解決していくとお思いになりませんか?(私は、琉球・日本・アイヌに、1:1:1で議席配分するのが民主的だと考えています。TPPを阻止できます!)

    “Independent”WJ は、都鄙の隔差に苦しむ地方住民から会費を取って置き乍ら、よく地方議席まで奪おうというご発想になるなぁと、その貪欲さに呆れます。地方の独立をご承認下さいませ。

    {私の敵はIWJでは決してなく、人口比例選挙を仕掛ける経済同友会[http://www.doyukai.or.jp/kakusa/index.html]と経団連です。寧ろIWJに(特に原佑介様のような地方出身の記者に)は期待を寄せています。この点もご了解賜りたいと思います。}

    1. くれ より:

      衆議院議員や参議院議員は、日本国の全国民の代表者です。
      全国民の代表者ですから、琉球・日本・アイヌを問わず、全国民のために政治を行わなければなりません。
      国政は、一部の地域のためだけに政治をするわけではありません。
      そして今、選挙において一部の地域の国民が地方の国民より不当に低い価値の資格、権利となる扱い、つまり投票価値が不平等に扱われるという憲法違反、人権侵害を受けています。だから、このような裁判が行われるのであって、都市部か、地方か、ということではないでしょう。もし、地方のことを本当に大事に思われるのでしたら、都市部の人の権利、資格が不当に低い扱いをされている現状にも想いをめぐらしてみてください。そして、よりたくさんの人達のためによい政治を行おうとする人を選挙で選ぶようにしてください。それが、地方にも、都市部にも、そして日本全体、さらには世界全体に、よい政治が行われるようになる第一歩です。

      1. 岩上休め より:

        くれ様、ご返信ありがとう御座います。マスコミを信じていらっしゃいますのね。嬉しゅう御座います。

        一、私は「機会の平等」(資格)よりも「結果の平等」(実利)を重視します。都市に議員を集中させて、地方に基地・原発・離農を押し付ける方が、結果の不平等、不当な人権侵害であり、憲法違反になると考えます。少数(←日本)が多数(←米国)に支配され、独立性を失うことが問題なのです。

        二、この裁判は弁護士が自発的に起こしたものではなく、財界が関与しています。上にお挙げした、経済同友会の「投票価値の平等実現Webサイト/経済同友会の取り組み」を見ると、彼らは1996年から一貫して人口比例選挙を要求しています。それ以後では、参議院で2001年・2007年・2013年と、地方議席が吸い上げられました。地方が衰退した時期と重なります…。

        三、「一票の格差」という報導用語は、いかにも都市住民だけが損をしているかのようで、注意を要します。(都鄙の隔差に苦しむ)私なら「地方重視指数」と言い換えます。

        四、世界全体における、地域代表選挙の例をお示しします。オーストラリアの上院の「一票の格差」は15倍(15点)、スイスの上院は約40倍(40点)、米国及びスペインの上院は約70倍(70点)、ブラジルの上院は約90倍(90点)です。参議院の5倍(5点)で選挙無効になる日本は異常です。孤立しています。

        五、地域代表選挙で地方議席の割合を増やすと、TPPを阻止できます。これは都市住民の利益になります。地域代表選挙により、くれ様の所得が増えると考えております❤

        六、日本の司法は空洞化しているので、次の高裁・最高裁では貴殿のお望みになる判決が出ると私は予想しています。

        くれ様は宜しいとして、せめてIWJの皆さまは、この件が「TPP推進派によるゲリマンダー」であることにお気づき下さいまし。日経とIWJの論調が同じになってしまっています…。
        (IWJの会員数が一進一退だと伺っています。もしかして都市部では入会、地方では退会の傾向となってはいませんでしょうか?よくよく調査し、分析なさって下さいませ。IWJの会員増をお祈り申し上げます。)

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