2013年8月24日(土)18時、大阪市中央区のエル・おおさか(大阪府立労働センター)において、「福島のいまを見つめて 8・24講演集会 ―大飯・高浜原発の再稼働を止めよう―」と題する集会が開かれた。
冒頭、主催団体を代表して挨拶に立ったアイリーン・美緒子・スミス氏は、「福島第一原発事故による被害者の救済や補償が放置され、事故の原因究明や収束作業も放置されている」と述べた上で、停止中の原発の再稼働に向けて躍起となっている電力業界や規制当局などの姿勢を批判した。
(IWJテキストスタッフ・久保元)
2013年8月24日(土)18時、大阪市中央区のエル・おおさか(大阪府立労働センター)において、「福島のいまを見つめて 8・24講演集会 ―大飯・高浜原発の再稼働を止めよう―」と題する集会が開かれた。
冒頭、主催団体を代表して挨拶に立ったアイリーン・美緒子・スミス氏は、「福島第一原発事故による被害者の救済や補償が放置され、事故の原因究明や収束作業も放置されている」と述べた上で、停止中の原発の再稼働に向けて躍起となっている電力業界や規制当局などの姿勢を批判した。
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放射能の影響を避けるために、福島県郡山市から静岡県に家族で自主避難している長谷川克己氏は、紆余曲折が続く家族の日々の生活や、不安を抱えながらも様々な事情から現地に留まっている住民の苦悩を語った。その上で、「国は(公衆被曝線量)20mSv/年までは安全との立場だが、絶対的に正しい数値なのか。『絶対』がないのであれば、予防原則に立ち返るべきだ」と述べ、さらに、「子どもたちや子孫の健康と命を守るという、人としての基本に立ち返るべきだ」と訴えた。
国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花(かんな)氏は、政府が定めた特定避難勧奨地点が、「地域ごと」の区分けではなく、「世帯ごと」としたことにより、(指定の有無や賠償の有無によって)「地域社会に分断が生じている」と述べたほか、公衆被曝線量20mSv/年を下回る地域で避難指示の解除が着々と進められていることについて、「避難者への賠償を打ち切ることによって兵糧攻めのようにし、帰還を迫ることは許されない」と述べた。
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)の阪上武氏は、深刻の度を増している福島第一原発の「汚染水問題」について詳しく解説した。阪上氏は、「東電の試算値によると、ストロンチウム90が10兆ベクレル、セシウム137が20兆ベクレル、合わせて30兆ベクレルの放射性物質が流出した。もう一つの大事故が進行しているといっても過言ではない」とし、原発再稼働に向けた新規制基準の策定に注力するばかりで、汚染水対応を怠ってきた原子力規制庁を批判した。また、汚染水対応に資源エネルギー庁が乗り出していることに関連し、「新工法を売り込むためのゼネコンのコンペが非公開で行われている」とし、新工法による汚染水対策の実効性に疑問を呈した。
「おおい原発止めよう裁判の会」の小山英之氏は、大飯原発3、4号機の運転差し止めを求める仮処分裁判について、従来から標榜している3連動地震の想定や制御棒挿入時間などの争点に加え、新たに「地震動評価の不確定性により、蒸気発生器伝熱管の複数本破断が起こる可能性」について主張していく方針を説明した。