2011年5月6日、福島みずほ社民党党首にインタビューを行った。冒頭、1~20msv/年被曝しても差し支えないとする基準を文科省が進めてきた背景について説明した。また、招集手続きも議事録もなく、非公式な議論で進められたことを問題視。放射線の感受性は子どもの方が強く、放射線の測定も地上50センチで実施するのはおかしいと指摘。1~20msv/年という基準は決して安全であるというものとして示されたものではないと強調した。
同時に、浜岡原発で、作業員が8年間で50.6msv被曝し、白血病で亡くなっている事例に触れ、20msv/年が如何に高い値であるかを危惧し、子どもは2カ月避難して、その間に除染を行うべきだとした。最後に、30年以内にマグニチュード8程度の東海地震が発生する確率は87%であるから、津波対策もできず、安全宣言も出せない浜岡原発については、経済産業大臣は使用停止命令もできると語った。
岩上「皆さんこんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。本日は、社民党党首、福島みずほさんの議員会館の事務所におじゃまに上がっております。福島先生、よろしくお願いします」
福島「よろしくお願いします」
岩上「先日インタビューをさせていただいてすぐなんですけれども、原発の問題に関しまして参議院予算委員会でも集中審議があり、いろいろとご質問もされたということで、その内容が20ミリシーベルト問題、またそれからあと浜岡原発の問題、前回のインタビューでは浜岡原発の問題をお話しいただきましたけれども、また進展があったということ、それから20ミリシーベルトの問題に関しては大変関心が高まってきて論議の焦点になっていますので、これをぜひ文科省の大臣の回答も含めてお話を伺いたいと思いまして、間をおかずのインタビュー、よろしくお願いいたします」
福島「ありがとうございます。よろしくお願いします。もちろん、20ミリシーベルト問題は、民主党の森ゆうこさんをはじめ、他党の皆さんたちも、とても熱心に取り組んでいらっしゃいます。2回行政交渉をやりましたし、またこの事務所でも、いろいろな話を聞いていきました。また5月2日の予算委員会でも質問をし、福島からお父さん、お母さんたちが来られたりしています。また労災認定との関係でも、今日はお話をしたいと思います。
20ミリシーベルトに関しては文部科学省が主導してきたと私は思うんですね。それはなぜかといいますと、原子力安全委員会は、これはホームページにも、いろいろ言ってようやく載るのですが、『本件については、文部科学省から事前相談があった4 月9日以降、文部科学省との数回にわたる打合せ』をやってきた、ということなんです。だから、文科省が原子力安全委員会のところに来て、事務方レベルでいろいろな話し合いをしている。そして4月19日に原子力安全委員会で話をするのですが、今日とっても力説したいのは、これは正式に招集された会議でも全くないということなんです」
岩上「ちょっと待ってください。話がバーっと進んじゃったんですけれども、見ている人のためにちょっと整理しますと、こういう基準を決めるのは誰なのか、誰が決めてきたのか、誰が主導権を持って決めてきたのかという点ですよね」
福島「はい」
岩上「責任を持つのは、例えば原子力安全委員会も責任を持つでしょうし、保安院もでしょうし、政府、統合会議もあり、各省庁もある。ところが、この問題に関して言うと、原子力安全委員会よりも文科省のほうがリーダーシップを実はとっていた、実態がそうであったということがわかってきたということなんですね」