「人の話しを聞かないなら帰れ!」双葉町からの被災者100名以上が国会議員に申入れ ~2年3ケ月が過ぎた今、被災者の声 “双葉町民が語る” 2013.6.20

記事公開日:2013.6.20取材地: テキスト動画
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 「除染をやっても意味はない。馬鹿にしないで下さい」

 6月20日、福島原発事故が起きてから2年3ヶ月が経った今も、埼玉県に避難中である福島県双葉町民約100名が、議員会館を訪れた。先日の、復興庁水野氏のツィート騒動をうけて、井戸川元双葉町長が「子ども被災者支援議員連盟」に所属する国会議員に、被災者の声を届けるため企画したもの。参議院議員会館の地下の会議室には、立ち見が出るほど、双葉町住民や支援者が詰めかけた。住民らはそれぞれの想いを国会議員にぶつけた。「除染をしても結局、山からセシウムが降りてくる。除染をするなら山ごと削って下さい」と、住民の一人が声を張り上げる一幕もあった。

■ハイライト

  • 発言 避難している町民
  • 主催 「国会へ行こう」実行委員会・町民有志

 集会には、福島原発事故発災当時、事故対応や避難指示を指揮した菅直人元総理も出席。町民に対して、「大きな犠牲をみなさんに強いてしまったことを、申し訳なく思う」と頭を下げた。原発については、廃炉の道筋に向かうべきだと述べ、除染の限界についても理解を示した。子どもの健康調査に言及した場面では、「放射能の影響については、専門家の間でも議論が分かれる。長い時間をかけて検査や健康管理を続けていきたい」と述べた。これに対し、谷岡議員は、「子ども被災者支援法には、低線量被曝の健康への影響は科学的に証明できないことから、全てのリスクを勘案して支援するよう書いてある。それをやっていないことは違法である」と反論し、菅議員の同法に対する認識不足を指摘した。

 先日、自民党の政調会長である、高市早苗議員が「原発事故で亡くなった人はいない」と発言したことに対し、「原発事故後、自殺者も含め、福島県民の死亡者は1,383人です。なぜ、もっと何の処置もしてくれないのか」と、怒りを顕にした町民もいた。

 この集会の開催は、子ども被災者支援議員連盟に所属する議員全てに通知されていた。しかし、現場に姿を見せた議員はその中の10名。被災者たちが日々直面している実情と、政府の認識の乖離が露呈した集会となったが、最後、井戸川前双葉町長が、「今後もこういう集会を続けていきたい」と呼びかけると、町民からは賛同の声があがった。

 福島県双葉町は、原発事故直後から、役場機能を埼玉県加須市内の旧埼玉県立騎西高校校舎に設けていたが、6月17日付で、福島県のいわき市内の仮設の庁舎に移転。しかし、校内の避難所で暮らしている住民は今もなお100人を超え、平均年令は78歳と高齢である。避難生活はすでに2年3ヶ月に及んでいる。

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