2013年6月2日(日)13時30分から、愛媛県西条市の西条市民会館で、朴勝俊氏講演会「廃炉から始まるこれからの町づくりー原発に経済性はないー」が行われた。朴勝俊氏は、日本の再生可能エネルギーについて、「2004年までは、日本は世界一の技術を持っていたが、導入に失敗した。それは『electric power』=『電力』ならぬ『電気権力』が、再生可能エネルギーの普及を阻んできたからだ」と話し、これから脱原発へ向かうための多彩なアプローチを提案した。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2013年6月2日(日)13時30分から、愛媛県西条市の西条市民会館で、朴勝俊氏講演会「廃炉から始まるこれからの町づくりー原発に経済性はないー」が行われた。朴勝俊氏は、日本の再生可能エネルギーについて、「2004年までは、日本は世界一の技術を持っていたが、導入に失敗した。それは『electric power』=『電力』ならぬ『電気権力』が、再生可能エネルギーの普及を阻んできたからだ」と話し、これから脱原発へ向かうための多彩なアプローチを提案した。
■全編動画
・1/2(13:28~ 3時間0分)
・2/2(16:28~ 7分間)
朴氏は、日本の再生可能エネルギーで注目すべき点として、揚水発電所を挙げ、「揚水発電所は、蓄電池のようなものであり、日本では、すでに原発25基分に相当する発電力を持っている。自然エネルギーの安定した供給のために、これを活用すればよい」と話した。また、発想の転換として『節電所』を提案。これは、節電行動を積み上げていくことで、発電所に相当する節電所を作るという考え方で、「日本国内にLEDを普及した場合の節電効果は、原発13基分と言われている。がまんとしての節電は続かないが、仕組みとしての節電を始めることが重要だ」と述べた。
節電の取り組みとして、アメリカのカリフォルニア州にあるサクラメント電力公社の『DSM』を紹介し、「同地域で、ランチョ=セコ原発が閉鎖になったあと、省エネ家電の使用やエアコンの遠隔操作による短時間の節電、断熱材の使用や、木を植える『緑のエアコン』という取り組みなど、20件以上の節電プログラムを行うことで、6900万ドルもの節電効果が上げられた」と話した。
また、朴氏は「アメリカやヨーロッパ、カナダなどでは当たり前になりつつある、使用者が自然エネルギーや原子力エネルギーなど、さまざまな発電を自由な割合で使用できる、エネルギーの小売りの自由化が必要だ」と述べた。
原発のある地域の産業や経済について、朴氏は「原発立地地域は、原発関連収入に依存する割合が高く、ほかの産業に頼れない。原発三法交付金などは、原発が古くなったり、プルサーマルを導入したり、再稼働に踏み切るなど、危ない橋を渡ると割り増しでもらえる交付金である。逆に、原発が止まったら交付金を払う、という形にしていかなければ、地元の人たちが脱原発に向かうのは厳しいだろう」との見通しを示した。
朴氏は「脱原発や、政治を変えていくには、誰かが担い手にならなければいけない。緑の党の長谷川羽衣子氏のように『誰かではなく、自分がやる』と考えて、実行する人が増えていくことが大事である」と呼びかけた。