2025年7月9日午後2時より、東京都千代田区の駐日イスラエル大使館前にて、第27回参院選の社民党比例公認候補である元トラックドライバー、甲斐正康氏による街宣行動が行われた。
甲斐氏は、選挙戦の初日、7月3日にも、イスラエル大使館前で街宣を行なったが、機材などの準備不足のため、大使館前ではなく、そこから少し離れた場所での街宣を余儀なくされた。
甲斐氏は、次のように演説を始めた。
甲斐氏「私は、あなた方の虐殺行為、あなた方が先日、もう停戦、ハマスと停戦したと言っておきながら、まだあなた方が行っている虐殺行為、ガザの人々に対しての虐殺行為、そして、イランに対しての先制攻撃、そして、あなた方が世界の人々に行っている脅威と恐怖と戦争犯罪であるその行為に、私、甲斐正康は、どうしても許すことができず、今回の参議院選挙の一つの、大きな、大きな争点として、また、再び、ここイスラエル大使館に来ました。(中略)
シオニスト、シオニスト、シオニスト、シオニスト!
私、甲斐正康は、ユダヤ人の方々のことは一言も、――先に言っておきますよ――批判しておりません。むしろ、ユダヤ人の方で友達がいる。ユダヤ人の友達がいるんですよ。
このイスラエルに対しての批判というのは、本質を見誤ってはいけない。このイスラエルに対しての批判は、シオニズムに対しての、シオニスト、シオニズムという思想に対しての批判でなければ、分断が煽られる、そう思っております。
ですから、私は、イスラエル国家、いや、あなた達が行っている、植民地主義である、時代遅れの植民地主義、シオニズムを、今後も徹底的に批判をさせていただきます(後略)」
甲斐氏は続いて、東京経済大学の早尾貴紀教授からの応援メッセージを読み上げた。
甲斐氏「今から、この勇気ある、自らのお立場を顧みずに、私のこのイスラエルに対しての、シオニズムに対しての運動にご賛同してくださった、東京経済大学の早尾貴紀教授からメッセージをいただきました。
では、読ませていただきます。
『東京経済大学の早尾貴紀です。パレスチナ・イスラエル研究者です。
日本政府は、欧米と一緒になって、イスラエルを甘やかしているが、世界中の人々がすでに知っている。
イスラエルは、パレスチナでジェノサイド、大量虐殺を行っている。そしてパレスチナ人を虐殺することで、開発してきた武器で、金儲けをしようとしている。
アメリカと共謀して、日本政府を黙らせることができても、世界中の民衆が、もう黙ってはいない。
むしろ、10.7以降のジェノサイドで、イスラエルというシオニスト国家が、欧米の植民地国家であり、そして、人種主義、人種差別国家だということが露呈した。
私は30年間、イスラエルの研究をし、ずっとシオニズム批判をしてきたが、多くの共感者や読者を得られなかった。
だが、今やイスラエルのジェノサイドを批判する声は、世界に広がっているだけでなく、シオニズム国家が、欧米帝国主義の手先であり、差別と収奪の上に成り立っていることが知れ渡った。
イスラエルを批判しよう。人種差別と植民地主義の犯罪国家として、イスラエルを批判しよう。本当の人権と平和の名のもとに、イスラエルを批判しよう。
ガザを開放せよ。パレスチナを開放せよ。
甲斐正康さん、がんばれ! 甲斐正康さんを応援しています』」
IWJ代表の岩上安身は、これまでに早尾貴紀教授へのインタビューを何度も行っている。
IWJもまた、シオニズムとイスラエル国家が現在進行形で行なっているサディスティックなジェノサイドに反対し続けている。
ぜひ、以下のURLで、インタビュー記事と動画を御覧いただきたい。
早尾教授は、7月7日に新木場駅で行われた甲斐氏の街宣で、甲斐氏の応援演説を行なっている。その一部を以下に掲載する。
早尾教授の応援演説(抜粋)「東京経済大学で教員をしている早尾貴紀といいます。パレスチナ・イスラエル問題、それから、移民・難民の研究をしています。
出馬の第一声をアメリカ大使館、イスラエル大使館の前で上げた、甲斐正康さんに、最大限の敬意を表したいと思います。
戦争に反対する。ジェノサイドに反対する。虐殺を阻止する。それは、政治家の責務なはずです。
日本国憲法の前文には、こうあります。これは、皆さんも、中学・高校で習ったはずです。
『我らは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。
我らは、全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する』。
日本政府が、イスラエルのジェノサイドを支持しているのは、国際法違反であるのはもちろん、この日本国憲法にも違反しているのです。
だからこそ、甲斐正康候補が、イスラエル大使館前で声を上げたことの意義を、パレスチナ・イスラエル研究者として、私は強調しておきたいと思います。
さて、今回、私が応援演説に立つことにしたのは、日本社会の外国人差別と性差別について、完全に危険水域を越えてきているというふうに感じているからです。
複数の政党が、自分の方がより外国人排斥をし、性差別をしているのだと競い合って、 それで「票」を得ようとしています。
とんでもない社会に堕落していってます。
なぜ、差別が『票』に結びつくのか? それは、実際に生活が苦しく、そして、不安があるからでしょう。
この不安には、理由があります。その生活苦や不安を生み出しているのは、外国人や性的マイノリティーではありません」
街宣の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。

































