「東アジアを不戦共同体に」! 対米自立を提唱する東アジア共同体研究所の鳩山友紀夫元総理大臣が「欧米は価値観の同じ国家だけを同志とみなし、価値観の異なる国家を敵視し、排除する」と指摘! 日本はG7とグローバルサウスの間で「グローバル南北戦争」を未然に防ぐべきと訴え! 2024.9.4

記事公開日:2024.9.26 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 9月4日に衆議院第2議員会館で行われた、「ガーベラの風(オールジャパン平和と共生)」のシンポジウム「災害・食料・消費税 総選挙で日本をアップデート」に、東アジア共同体研究所理事長の鳩山友紀夫氏(鳩山由紀夫元総理大臣)が、ビデオメッセージを寄せた。

 9月4日に開催された「ガーベラの風」主催「災害・食料・消費税 総選挙で日本をアップデート」の全編動画は、ぜひ以下のURLから御覧いただきたい。

 「ガーベラの風」を主催する政治経済学者の植草一秀氏が、日本の政治を変えるための2つの柱として掲げる「対米自立」と「利権主義に抗う政治」のうち、鳩山氏は対米自立について、自身の考えを述べた。

 鳩山氏は「米国への従属思考を強めている政府に対して、友愛精神にもとづく安全保障の道を示すべき」だと訴え、「友愛とは、自己の尊厳や自由を尊重すると同時に、他者に対しても同じように、尊厳や自由を尊重する精神」だと語った。

 「欧米はややもすると、価値観の同じ国家だけを同志とみなして、価値観の異なる国家を敵視したり、排除したりします。それはしばしば、戦争を引き起こしてしまいます」。

 そう述べた鳩山氏は、「価値観の異なる者同士が喧嘩するのではなく、お互いに異なる考えを持っていることを、むしろ尊重して理解する、和を大切にする」という考えにもとづき、東アジアを不戦共同体にする、東アジア共同体の創設を訴えている。

 鳩山氏は、ウクライナ戦争について、「結局のところ、欧米諸国は、価値観の異なるロシアを弱体させるために、ウクライナを支援しているかのよう」だとの見方を示し、日本がG7と、対露制裁に冷やかなグローバルサウスの国々との間に立って、友愛精神のもとに、「グローバル南北戦争」が起きるのを未然に防ぐ役割を果たす存在になってほしいと訴えた。

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 以下は、鳩山氏のメッセージ全文である。

 「お集まりの皆さん、こんにちは。鳩山友紀夫でございます。

 本来ならば、尊敬する植草一秀先生が提唱しておられます『ガーベラの風』のイベントに参加をして、直接皆さんに、お訴えさせていただこうと思っておりましたけれども、たぶん政治家の皆さんなら、おわかりになっていただけるのではないかと思いますが、私が政治家になる前から、後援会の青年部長として、またその後は後援会長として、とてもとても本当にお世話になりました方が、お亡くなりになってしまいました。

 そして、どうしても室蘭にうかがわなくてはならなくなりました。私としても、とても残念ではございますけれども、今回は、ビデオメッセージでご挨拶をさせていただきます。ご容赦ください。

 岸田首相が、今月行われます自民党の総裁選挙に出馬されないことを決意されました。『長期政権は腐敗する』という、まさにその言葉どおり、自民党は、統一教会問題、そして裏金問題で、危機的な状態にございます。

 民主党が政権交代を果たした2009年の時より、自民党ははるかに腐敗しており、政権交代の大きなチャンスであることは間違いありません。それだけに、自民党は死にものぐるいになって政権を明け渡すまいと、総裁選挙を通じて若返りによって変革した姿を示してくるでありましょう。

 そして、新総裁のもとですぐに解散。そして総選挙に打って出ることではないでしょうか。

 その時、迎え撃つ野党側がまとまりなくバラバラで戦ったら、政権交代は楽ではないと思います。その意味において、今日のような会合を開くことはとても意義のあることと信じています。

 そして、いくつかの共通の政策を掲げて、協力できる範囲で、選挙においても協力をして、自民党を政権の座から引きずり降ろすのであります。

 植草先生が、『平和と共生』の旗の下に、オールジャパンが協力すべきだと、今回の会合を開かれた趣旨を、それぞれの政党の幹部の皆さんが理解してくださることを、心から、心から、期待をいたします。

 その『平和と共生』の旗でありますけれども、植草先生は、日本の政治を変えるためには、2つの柱があると述べておられます。

 1つは、対米自立。アメリカにすべてを支配される、植民地の現状から脱却すること。

 もう1つは、経済活動、財政活動の部分で、利権主義に抗う政治を作ること。

 経済・財政問題に関しては、多くの方からお話があるかと思いますので、私は今回は、対米自立に関して自身の意見を述べたいと思っております。

 皆さん、あと21年で、戦後100年を迎えるのであります。戦後100年経っても、多くの米軍基地の存在する日本であることを、当たり前だと認めるのでしょうか?

 一国の領土に他国の軍隊が居続けることは、歴史的にも極めて異常なことです。国の安全と平和を自国で守ることは、至極当然であって、ポツダム宣言の履行を求めるまでもなく、日本は米軍基地の縮小撤退の方向を強く、強く、求めていくべきであります。

 私の力が不足しておりまして、普天間基地の移設先を辺野古に戻してしまいましたけれども、軟弱地盤もあり、2兆円をはるかに超える予算が必要で、しかも、いつ完成するかもわからない辺野古の新基地建設は、即刻中止すべきであります。

 できあがっても滑走路が短いなど、とても不便で、米軍の幹部の方が『普天間の移設先は、普天間である』とまで言い放つ始末でございます。

 卑屈なまでに米国に従属する姿勢は、長く続いた安倍政権から菅政権に引き継がれ、岸田政権において極まってしまいました。

 安倍政権では、明白に憲法違反であるにもかかわらず、集団的自衛権の行使を容認する法整備を行って、米国がアジアなどで起こす戦争に、戦争を放棄したはずの日本が、協力を求められるという懸念が高まっております。

 また、岸田政権では、米国の要求に従って防衛費を増額して、5年間で43兆円として、防衛費をGDP比の2%にまで高めることになり ました。

 さらには、先制攻撃で敵基地を攻撃できる能力を持つことも、うたわれたのであります。

 その結果、本来ならば教育とか、あるいは少子化対策とか、まさに倍増をして子供の命を守らなければならないその予算が、防衛費に 費やされることになってしまいました。

 こんな日本で良いのでしょうか? そもそも、なんでこんなに急激に、防衛費を増やさなければならないのでしょうか?

(…会員ページにつづく)

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