2022年8月9日、午後3時半より、東京・千代田区の司法記者クラブにて、「安倍元首相の国葬を許さない会」の主催で、「故安倍晋三元首相国葬差止等請求訴訟裁判」の訴状提出後の記者会見が開催された。
登壇者は、安倍元首相の国葬を許さない会・代表の藤田高景(ふじた たかかげ)氏、東京造形大学名誉教授の前田朗氏、経済評論家の植草一秀氏、そして、原告訴訟代理人であり弁護団長の大口昭彦氏と一瀬敬一郎氏(いちのせけいいちろう)の計5人である。
記者会見に先立ち、藤田氏らは、午後1時、東京地方裁判所民事部に訴状と仮の差止申立書を提出し、受理された。
訴状の「請求の趣旨」によると、訴えの内容は、「被告(国)は、元首相故安倍晋三の国葬を行なってはならない」、また、「被告(国)は、2022年9月27日に行おうとしている元首相故安倍晋三の国葬について、約2億円と見積もられているその費用を、予備費から出損してはならない」というものである。
原告は、「日本国憲法に於いて主権者と位置づけられている日本国民」であり、「今般被告が内閣閣議決定を以て決定した、故安倍晋三元総理大臣の国葬を行うとの方針に、原告らは多大の人格権侵害を被っており、もし予定どおりに挙行された場合には、更に回復不能の損害を被ることが明らかである」ことがこのたびの請求の原因とされている。
原告の数は、8月9日朝の時点で231名で、現在、SNSなどを使った原告団への参加の呼びかけに対し、連日、全国から申し込みが殺到しているとのことである。
記者会見の冒頭、藤田氏はあいさつの中で、次のように述べた。
「私たちはですね、安倍元首相の国葬の強行は、いかなる観点から見ても、まったくおかしい。日本国憲法を踏みにじり、国民の『思想・信条の自由』を侵害し、具体的には、『国葬』は明治憲法下においては、天皇の勅令でありました。『国葬令』はですね、現在の日本国憲法に適合しないということでですね、昭和22年に失効しているんです。
つまり、国葬を強行するということは、日本国憲法の精神を踏みにじり、何らの法的根拠もないことに国民の血税をつぎ込む違法行為だと断じなければなりません。岸田首相が挙げた国葬をやる理由は、どれ一つとして、まともな理由とは言えません。みんなでたらめです」。
記者会見の詳細については、全編動画にてご確認ください。