2022年3月6日午後1時30分頃より、埼玉県さいたま市のさいたま共済会館にて、埼玉・市民ジャーナリズム講座実行委員会(以後、「実行委員会」)の主催により、「埼玉・市民ジャーナリズム講座 60回記念対談講演『生きよ!ジャーナリズムは死んだ』」が開催された。
ゲストに社会活動家・作家の雨宮処凛氏と評論家の佐高信氏を迎え、対談が行われた。
冒頭、実行委員会の竹内暁氏より、「(埼玉・市民)ジャーナリズム講座が2014年から今日で9年目に入って、60回ということになりました。そして、『生きろ!』ということと『ジャーナリズムは死んだ』という2つの相反するものの関係をテーマに、雨宮さんと佐高さんに大胆にいろんな話をしてもらいたいということで、皆さんに声をかけさせていただいた」と、挨拶があった。
続いて、基調発言として、雨宮・佐高両氏からの近況報告があり、現在進行中のロシアによるウクライナへの軍事侵攻などについて、それぞれがそれぞれの所感を述べた。
佐高氏は、「バイデンがどう、プーチンがどう、といった話がありますけれども、日本がどうそれに関わっているかということが重要」とし、「プーチンを増長させた3人の男」として、元総理の森喜朗氏、安倍晋三氏、そして、参議院議員の鈴木宗男氏の名前を挙げ、「この3人が政治的なプロセスの中で、プーチンに完全に『手玉に取られていた』」と述べた。
また、「やっぱり、戦争というのは言うまでもなく『独裁』と結びついているわけですね。日本の場合は露骨な独裁ではないかもしれないけども、明らかな自民党独裁であり、それに公明・維新とかがすり寄っている」とも指摘した。
対談の中で、雨宮氏は次のように語った。
「この数年、すごく言われることだし、一般のメディアを見ていても感じるのですが、原稿を書く際に、担当の編集者や記者の人に『とにかく炎上しないようにして下さい』って言われるんですよ、ネットで。
私はそれを言われるようになって、ちょっと、愕然としたというか。…10年前には絶対に言われなかったし、(中略)あまり過激なことやとんがったことを書いたりして、正しいか間違っているかではなく、炎上が怖いっていう編集の人が多い」。
雨宮氏は、それはつまり「自分の主張を書けない」ということであり、ジャーナリズムの衰退を意味していると述べた。
これに対して佐高氏が「逆に言うと、今こそ、言いたいことを言う雑誌や新聞は生き残れると思う。みんながなめらかになっているんだから」と応じると、雨宮氏は「『コンプラ』とか言って、様子見や忖度をしているところは面白味がなくなってきますもんね」と賛同の意を示した。
両氏の対談、及び、参加者との質疑応答の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。