11月24日、立憲民主党秋田県連キックオフ大会に枝野幸男代表が出席した。そこで、「参院選で秋田や山口ではイージスアショアが大きな争点になるのは間違いないと思う」と話す。
▲11月24日に開かれた立憲民主党会派の寺田学衆議院議員(東北比例)の国政報告会のチラシ(横田一氏提供)
直前に同じ会場で開かれた立憲民主党会派の寺田学衆議院議員(比例東北ブロック)の国政報告会では、東京新聞の半田滋論説兼編集委員(防衛省担当)が、イージスアショア問題について講演し、防衛戦略上の必要性に関する疑問や、電磁波による健康被害の恐れおよびドクターヘリ航行制限の弊害などについて指摘した。
これを受けて寺田氏が「保革を超えて反対すべき地域の問題」と強調し、安倍政権(中央)の言いなりになっている地元自民党国会議員を批判した上で、反対派急先鋒の沼谷純県会議員に参院選出馬要請をした。
なお沼谷氏は、寺田氏の国会追及を評価する挨拶を国政報告会冒頭でしていたが、とりわけ寺田氏のイージスアショアに関する国会での質疑(追及)を高く評価していた。以下にそれぞれの発言内容、囲み取材の模様を記す。
1)寺田学衆議院議員の国政報告会での沼谷純県会議員の冒頭挨拶~県有地は県民の財産、財産を売り払ってまでイージスアショアを置くことは許されない!
沼谷純県会議員「(前略)今年、秋田はイージスアショア一色という年になりました。5月に防衛省が秋田と山口の名前を挙げた。それから半年しか経っていないのにどんどん話が進んでいる。私は、寺田さんに一市民として感謝をしたいと思っています。寺田議員の質疑の中で小野寺五典・前防衛大臣が『地元の組長の理解と協力が必須だ』という答弁を引き出してくれました。何回も寺田議員が食い下がって答弁を引き出したのです。その結果、県議会でも市議会でも『それでは、どうやって理解を得るのか』『知事さん、市長さん、どうするのですか』という質問ができるようになった。つまり答弁を引き出したからこそ、我々が県議会や市議会で質問をし、知事や市長が頭を悩ませて、悩んでいただいている。
▲小野寺五典・前防衛大臣(2018年5月8日 IWJ撮影)
あの答弁がなければ、もっと早く、『どうせ無理だ』『反対しても仕方がないのだ』という諦めの空気があったからも知れませんが、あの答弁があったので今、いろいろな議論をしながら皆様にも関心を持っていただいているという状況になっています。
また『来年の通常国会が終った早々にアメリカと契約をしたい』という答弁も引き出してもらいました。そうすると、我々に残っている時間は半年少ししかないのだということも分かってくる。寺田議員が国会で質疑をして答弁を引き出してくれているからこそ、我々もしっかりと議論ができているということであります。
そういう意味では市民の一人として感謝をしたいと思いますし、さらに奮闘をしていただきたいと思いますし、一方では、姿が見えない与党の国会議員の皆様は沢山いますが、『目の前の県有地を広めればいいのではないか』という声について報道がされていますが、『冗談じゃない』と思います。県有地は県民の財産です。『財産を売り払ってまでイージスアショアを置く』ということはまかり間違っても認めるような国会議員はいて欲しくないと思います。
これからも寺田議員に頑張ってもらって、『イージスアショアは日本を守るためだ』と言われますが、寺田議員には『秋田を守るために頑張ってもらいたい』と思っております。もう一つだけ、寺田議員には、みんなが乗れる大きな船を作っていただきたいと思いますし、なかなか国の方で進まないのであれば、『まずは秋田だけでも、秋田モデルとしてもう一回野党をまとめ上げる役を担っていただきたい』とお願いをしたいと思います。寺田議員と二人三脚でやっている小原(正晃)県議(立憲民主党秋田県連代表)のアキレス腱が切れてしまったということでありますが、小原県議とは同じ会派でありますので、私も一緒に頑張っていきたいと思っております。
この後の寺田さんのますますのご活躍を祈念して、また、ますますの力をお寄せいただくことについてお願いして私のご挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございます」
2)寺田学衆議院議員の挨拶~イージスアショア配備問題は「あれだけ学校が近いところにミサイルを置いていいのか」という地域の問題!
寺田学衆議院議員「東京新聞の半田(滋)さんに来ていただきました。半田さんとは安保法制の時に、質疑の時に示唆をいただきながら関係を作らせていただきました。イージスアショアのことについても非常に鋭く、そして専門的にご指摘をなさっていますので、私の国政報告の合間に20分程度お話をしていただいて、またマイクをいただいて話を続けたいと思っています。
イージスアショアについて機会があるごとに国会で質問をして、防衛大臣に質問をして答弁を引き出しています。この後、半田さんが詳しくお話をされますが、日本で初めての常設のミサイル基地です。耐用年数がどれ位かと聞くと、30年から40年ということです。
これから安全保障環境がどうなるのか分かりませんが、ずっと(秋田市の陸上自衛隊)新屋(演習場)のところにミサイルの基地が置かれるというのはどういうことが起きるのか。どういうことが想定されるのか。県民、市民にきちんと伝えているのか。私はそうは思わない。だからこそ、まだ我々の働きかけが弱いのかも知れませんが、あまり秋田県民の皆様、秋田市民の皆様、問題意識を強く持っているとは思えないのです。
新屋の中でも地域が二つありますから、『いや、あっちの話だ』と言う方もいらっしゃいます。ただ私は、これは本当に大きな問題だと思います。安全保障の議論をして『この装備品がいるのか、いらないのか』ということはありますが、われわれ秋田市民にとっては安全保障の議論ではなくて、『あれだけ学校が近いところにミサイルを置いていいのか』という地域の問題です。そういう意識を持ってわれわれ政治に携わる者、そこに暮らす住民、市民、県民が問題意識を持って議論することだと思って、今回、半田さんに来ていただきました」
3)国政報告会での東京新聞の半田滋論説兼編集委員の講演~FMS(対外有償軍事援助)調達によってアメリカからイージスアショアを言い値で無駄に買わされる!
半田氏「東京新聞でずっと防衛省を担当しています。イージスアショアの話はごく最近出てきたものでありますけれども、そもそもイージスアショアとは何なのか。日本が他国から飛んで来たミサイルを迎撃するミサイル防衛システムを持っています。どこの国の弾道ミサイルを撃ち落すのかというと、北朝鮮のミサイルを前提に組み立てている。まず弾道ミサイルが発射される。それをイージス艦で迎撃を試みる。
日本にあるイージス艦で現在、弾道ミサイル迎撃に使えるのは4隻です。この4隻で迎撃を試みるけれども撃ち漏らしてしまう。要するに外れる。あるいは、イージス艦で迎撃できるミサイルよりも沢山のミサイルが飛んで来てしまう。その場合、最終的には地上に置いたPAC3という地対空迎撃ミサイルで対処をする。イージス艦とPAC3による二段階の迎撃システムというのが日本のミサイル防衛システムであります。
▲国政報告会でイージスアショア問題について講演をする東京新聞の半田滋論説兼編集委員(防衛省担当)(横田一氏提供)
弾道ミサイルが飛んできます。これに対してイージス艦から迎撃ミサイルを撃ちます。これで外したら地上から迎撃するということです。これらの全体のシステムというのは、これは1980年代のレーガン大統領の時代に開発が始まった。そして、2002年、ブッシュ大統領が正式にアメリカ軍のものとして採用を決めました。翌2003年に小泉純一郎政権が閣議決定をして導入をすることを決めました。
世界中でイージス艦とPAC3の二段階で迎撃をするシステムとしてアメリカから買っている国は日本しかありません。開発をしたアメリカはもちろん買って使っていますけれども、世界中193ヶ国国連加盟国がありますけれども、我が国しか買っていません。我が国は毎年、2000億円の巨額の防衛費を投じて今までミサイル防衛システムを着々と構築をしてきたということです。大体、今までかけてきたお金が2兆円を越える。あまりにも巨額すぎて想像できないくらいのお金をかけてきたのです。
今、ミサイル防衛システムがどんどん進化を遂げていまして、『イージス艦から発射する迎撃ミサイルは(イージス艦を)2隻浮かべて置かないと北朝鮮から飛んでくるミサイルに対応できない』と(かつて防衛省は)言っておりました。それが、今度、新型のミサイルになりました。新型のミサイルは大変性能がいいものですから、『イージス艦1隻で対応できる』ということになろうとしているわけです。『まだ開発は終了していませんが、近い将来、なんとかイージス艦1隻で対応できることになる』と防衛省は説明をしています。
そういう中で去年12月、安倍政権はイージスアショア、これはイージス艦を地上に置くシステムですが、これを導入することを閣議決定しました。その際の文言が、『北朝鮮の核ミサイル開発が我が国に対する重大かつ差し迫った新たな段階の脅威となっており』です。これは去年の話です。皆様、ご存知のように今年になって南北首脳会談が行われて、初めて北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長とアメリカのトランプ大統領の間で米朝首脳会談がシンガポールで行われたわけです。
今、朝鮮半島の非核化、そして米朝の間の平和協定が結ばれようとしている。他方、『イージスアショアは北朝鮮のミサイル対処だ』ということは閣議決定をされている。そういうことだとすれば、『今の情勢の中で北朝鮮が将来、核放棄をする可能性がある中で予定通りミサイル防衛システムの導入を、さらにイージスアショアを追加していくことが本当に必要なのだろうか』ということが出てくるわけです。
さらに申し上げれば、先ほどミサイル防衛に対応できるイージス艦は、『こんごう』というタイプの4隻しかありません。しかし、ミサイル防衛に対応できないイージス艦『あたご』というタイプは既に改修が始まっている。すでに『あたご』と『あしがら』という(『あたご』型の)二隻はミサイル防衛がほとんどできるようになっている。従って、ここで(弾道ミサイルを迎撃できるイージス艦が)6隻になったわけです。
2015年と2016年、もっと新しい『まや』型というイージス艦を2隻造っているところであります。『まや』はもう進水式を行いましたので、間もなく来年が再来年には実戦配備されることになっています。そうしますと、イージス艦がこれまでの4隻体制から8隻体制になる。まもなく完成をしていくということなのです。
先ほど説明をしたように、今まで日本を防衛するのに2隻のイージス艦が必要だと。しかしながら、それが4隻から8隻になる。しかも新しいミサイルなので、1隻だけ浮かべておけばいい。8隻中1隻、8分の1を使えば、なんとか日本列島を守ることができるのだというのが日本の今の状況です。
▲ミサイル防衛対応のイージス艦が4隻から8隻になることを示しながら「イージスアショアは過剰ではないか」と疑問視する講演をした半田氏。(横田一氏提供)
それにもかかわらず、イージスアショアをさらに追加しないといけないというのは、『過剰な装備ではないのか』『無駄なものを買おうとしているのではないか』ということが言えるわけです。しかもイージスアショアを日本に配備したとしても、いま予定している2023年度がさらにずれ込むことが間違いないということになっているわけです。
そうだとすれば、『米朝の話し合いがどんどん進んで行って、北朝鮮が核も放棄する、核も持たないことが確定した後にイージスアショアが入ってくるのは無駄』としか言いようがない。
イージスアショア(の購入)は、安倍政権になってずっとアメリカ製の武器を買い続けているという話の流れの一貫なのです。民主党政権まではアメリカから買う武器は500億円から600億円ぐらいでした。安倍政権になって、どんどん右肩上がりでアメリカ製の武器が増えているわけです。来年、2019年度の防衛費は概算要求では7000億円近いお金をかけて買うことになっている。これは10年前の2010年の516億円に比べると、実に12倍ものお金をアメリカに払うことになっているのです。
何を買うのかというと、青森県に配備されるF-35A戦闘機。グローバルホークという無人偵察機。評判の悪い垂直離着陸機のオスプレイ。さらに水陸両用車。これら全部アメリカ製の武器をアメリカから買う。ここに『FMS(対外有償軍事援助)調達』とあります。これは、極めて特殊な購入のやり方でありまして、Foreign Military Sales。日本語に置き換えると、対外有償軍事援助と言うのです。これはアメリカ政府の武器の売り方の一つなのです。何かと言うと、アメリカ政府が外国に武器を売るときに必ずFMSでないと売らない。
これはどういう仕組みかと言うと、まず日本とアメリカとの間で契約を結びます。しかしながら、この契約は見積もりにすぎない。一方的にアメリカの都合で金額を変えても構わない。さらにFMSの第二の特徴は代金の先払いなのです。『とにかく金だけ先に払え』と。アメリカの都合で一方的に契約を解除することができる。べらぼうな商売のやり方なのですが、アメリカ政府から武器が欲しい国々はこれを唯々諾々とこの契約に従っているわけです。
特に、これまで4000億円を越えていたFMSがなぜ来年、どかんと増えるのかというと、これはイージスアショアの料金なのです。イージスアショアを買うだけで2000億円以上の追加でアメリカにお金を払わないといけないわけです。
このイージスアショアですけれども、秋田市の新屋演習場、そして山口県のむつみ演習場の2ヶ所に配備する予定と言われています。この2台を置くことによって日本列島が守ることができると。『今やイージス艦2隻で守れる』という話はどこかに行ってしまっているのです。『イージス艦は8隻体制になって、1隻を置けばいいじゃないですか』と言うと、『船の場合だと乗員が疲れるから』『潜水艦にやられたら困るから』といったいろいろな理由をつけていますけれども、地上に置いたらイージスアショアは何の問題もないのでしょうか。そんなにいいものなのですかということです。
▲イージスアショア配備候補地となった秋田市の新屋演習場。(横田一氏提供)
これは現在の新屋演習場です。この地図で見てお分かりの通り、秋田商業高校がすぐそばにある。そして小学校や中学校や県庁や市役所がある。全国の演習場の中でも、これほど市街地に隣接した演習場は全国でも珍しいです。しかも、ここにイージスアショアを置くということになると、もしここが攻撃対象になったら秋田市が巻き添えを食う恐れがあるのではないですか。そういう心配が出てくる。
さらにレーダーというのは電磁波なのです。強力な電磁波がここから出ることになるということなのです。アメリカはこのイージスアショアを使った試験を始めているのです。今回、今年の1月に小野寺防衛大臣(当時)がアメリカに行きました。アメリカのハワイのカウアイ島にイージスアショアが置かれていて、その前で小野寺防衛大臣が記者会見をするのです。その際に説明をしてくれたアメリカのミサイル防衛局のグリーブス局長は、電磁波による人体や通信機器への影響について『全く問題がない』というふうに言っているのです。
この言葉が本当に信用できるのか。これは今年1月(11日)の毎日新聞の記事(※)です。『視察時にレーダーは稼動していたが、建屋の外は静かで、鳥のさえずりが聞こえるほどだった。一方、試験施設の壁や周囲の高さ約2メートルのフェンスには「放射線危険区域」と警告する看板があった』(と記事のコピーを映し出して説明)。電磁波というのは、放射線の一部なのです。
※陸上イージス日本に初公開 米軍『導入全力で支援』(毎日新聞、2018年1月11日)
ですから『電磁波が危ないよ』ということが書いてある。『記者が周辺で撮影した動画には、ジジジいう雑音が頻繁に記録されており、電磁波が影響した可能性がある』と。強力な電磁波が周りに漏れているということです。『政府は秋田市と山口県萩市の陸上自衛隊の演習場に1基ずつ配備する方針だが、運用の実績が少ない新装備だけに慎重な影響評価が求められそうだ』と(記事内容を読み上げて)言っているわけです。実際に、すでに防衛省が業者と契約をしました。『環境影響調査をやる』というのです。
ところが防衛省がイージスアショアに採用するロッキードマーチン社のレーダーはまだ完成していない。完成をしていないので、仕方がないので同じ技術でアラスカ州に建設中の弾道ミサイル迎撃用レーダー『LRDR』に注目して、『LRDR用に製造されたレーダーの情報を元に米国の協力を得ながら机上で分析する』と説明をしている。つまり新屋の演習場に実際にレーダーを持って来て、そこからレーダー波を出してテストをするのではなくて、机上の計算だけで環境影響評価をやるというのです。実際にレーダー波を出さなくても検証ができるというのだけれども、これで環境影響調査と言えるのだろうか。これは今年の現代ビジネスの記事(※)であります。
※総額4600億円の押し売りか…日本はイージス・アショアで損をする(現代ビジネス、2018年8月6日)
もう一つ、見逃せないのがドクターヘリへの影響です。強力な電磁波を出しますので、飛行機の計器が狂ってしまうのです。秋田市の場合、秋田赤十字病院がドクターヘリを運航しています。今年3回目の防衛省の住民説明会の中で、仮に飛行制限区域を設定する場合、ドクターヘリが緊急に飛行できるように関係自治体と連携の上、例えば、緊急停止マニュアルを作成するなど速やかに対応できる仕組みを構築する考えです。もう、これは『飛行制限区域ができるかも知れませんよ』ということを住民の皆様に説明をしているのです。
秋田県の地図を見ると、秋田の一番外れであっても30分で到達することができる。要するに交通事故などで1分を争うような患者さんでもドクターヘリがいまスムーズに飛べるような体制が現在、秋田県ではできている。ところが、同じように既にレーダーの種類は違いますが、京都府京丹後市と青森県にミサイル防衛用のXバンドレーダーがすでに置かれています。京都の場合は、経ヶ岬のところに飛行制限区域が設けられているのです。半径6キロ、高さ6キロにわたってドクターヘリは飛べないことになっているのです。これは10月26日(24日カ※)、私が書いた記事ですけれども、実際に問題が発生しております。
※半田滋「緊急空輸を脅かす電磁波」(東京新聞、2018年10月24日)
防衛省が導入を進める弾道ミサイル迎撃システム『イージスアショア』に対し、配備予定地の秋田市、山口県萩市・阿武町で不安を訴える声が収まる様子はない。レーダー波、つまり電磁波への健康不安ばかりではない。ドクターヘリへの影響も見逃せないということです。『防衛省は8月にあった地元住民説明会で『ドクターヘリが緊急時に飛行できるよう、手続きマニュアルを作成する』と説明をし、飛行制限区域を設定する可能性に初めて言及した』ということであります。
例えば、『弾道ミサイルを探知する米軍のXバンドレーダーが置かれた京都府京丹後市の経ケ岬通信所の場合、海側の半円柱状の空域が飛行制限区域。今年5月、京都府の消防本部が交通事故のけが人を緊急空輸するため、レーダー波の停止を要請したが、米軍が聞き入れず、ヘリの着陸地点を変更せざるを得なくなった。搬送は17分遅れた』ということなのです。『米軍がなぜ止めなかったのか』というと、京丹後市の基地対策室によると、『停波要請がマニュアル通りでなく、米軍が混乱したため』ということです。
『一分一秒を争う緊急事態でマニュアル通りかを問われるのはおかしくないか』ということなのです。『防衛省はイージスアショアの説明会で、「手続きマニュアルを作成する」と話したけれども、そもそもイージスアショアがなければ、停波を求める必要さえない。国民の生命を守る武器類が日常生活を脅かすようでは本末転倒だろう』ということです。
イージスアショアが設置された場合、電磁波による健康被害の恐れがある。電磁波が引き起こす健康被害はもう既にあちこちで公表をされています。例えば、がんの発生が増える。白血病が増える。そううつ病になる。長い時間、電磁波を浴びることによって、その地域で劇的に増えてくるということは既に証明されている。二番目に飛行制限区域が設定されることによるドクターヘリへの影響が出てくる。そして、4664億円もの防衛費がかかる。
4つ目としてロシアとの関係もある。これは秋田市の住民に関係があるわけではありませんが、要するに日本が取ったイージスアショア(による情報をアメリカ軍へ伝えることができるよう)に共同交戦能力(Cooperative Engagement Capability)が持たされることになる。そうすると、ロシアにとっては、アメリカに対して圧力をかけようとする自国のミサイルの意味がなくなる。
だからロシアは安倍首相との議論の中でも、『イージスアショアはやめてくれ』ということは何回も言っている。それを我が国は聞こうとしていません。北方領土問題の解決を遠ざける要因になりかねない、ということがあります。こうやって見ていくと、地域の問題だけではなく、日本全体の問題にまで、このイージスアショアの問題は広がっていくのではないかと思います」
4)沼谷県議へ参院選出馬を求める寺田衆院議員~我々が住んでいる地域に、これから何十年間も電磁波を出し、そしてミサイルの標的になるような基地を造ることを阻止せよ!
寺田氏(再びマイクを握る)「専門的な言葉もありますし、難しい話かも知れないのですが、半田さんからお話をしていただいた通り、何と言うのですかね、私も国会議員ですから、『日本の安全を守るために必要な装備品は買うべきだ』と私は思っています。ただ政府の説明をいくら聞いても必要なものにまず思えないのです。先ほど(半田氏の講演で)、イージス艦が4隻から8隻体制になる(という話があった)。
▲半田氏の講演の後、再びマイクを握る寺田衆院議員。この時に来年夏の参院選でイージスアショア反対の民意を示そうと呼びかけ、沼谷純県議に出馬要請をした。(横田一氏提供)
そして北朝鮮との関係も、もちろん北朝鮮ですからどうなるかは分かりません。ただ現在、大きな歩みで緊張が緩和する方向性になっていることを見落としてはいけないと思っています。
イージスアショアを購入することは急に決まったのです。なぜですかね。日本の防衛装備品は5年ぐらいのスパンで『こういう物を買います』というのを決めるのです。その中にイージスアショアは入っていないのです。けれども、昨年の秋、ミサイルがびゅんびゅん飛んでいる時があったので閣議決定をした。閣議決定文書には『北朝鮮のミサイル開発が我が国の安全保障に対するより重大、かつ差し迫った新たな脅威になった』という理由でイージスアショアを入れましょうと。去年の12月です。去年の12月だったら少しは理解ができる話だったかも知れないのですが、その『差し迫った脅威』に対してイージスアショアを入れるのは5年後です。『いま差し迫っている脅威に対して5年後に入れます』と言われても、私は全然ピンと来ないのです。