- 参加者 築地市場営業権組合から数名、熊本一規氏(明治学院大学名誉教授)
- 司会 猿渡誠氏(同組合)
- 内容
・今までの活動経緯
・今後の取り組みについて
・築地市場閉場についての法的見解
・10月11日当日の取り組みについて
- 日時 2018年10月10日(水) 15:00~
- 場所 都庁記者クラブ(東京都新宿区)
以下、記者会見の全文文字起こし
猿渡氏「築地市場の問題について、報告の会を始めます。本日は忙しい中、集まっていただき、ありがとうございます。私は、築地市場で茶屋番をしております猿渡(さわたり)誠と申します。本日の司会を務めてまいります。よろしくお願いいたします。
今日は、3つの点について、報告を用意しております。1つは、営業権組合の問題について。2点目は、法律上の問題について。3点目は、築地市場における買い物ツアーについて、報告をさせていただきます。
それでは、営業権の組合の問題について、営業権組合の共同代表である、宮原洋志(ひろし)さんにお願いいたします」
宮原氏「皆さん、こんにちは。私は築地の仲卸の乾物屋で、明藤(あかとう)商店の代表で、宮原洋志といいます。よろしくお願いします。営業権組合は、皆さんもご存知だと思うんですけど、共同代表が3名いまして、その中の一人ということで、今日は私が入れさせていただきました。
それと隣にいらっしゃる村木さん。そして、今日は山口タイさんはいらっしゃらなかったんですけど、欠席されております。そして、杉原さん、そして吉野さん。皆さんが仲卸の方です。
元々私たちがですね、築地でいいんじゃないかと、運動していました。ところが、東卸組合が、中小企業協同組合法に沿った法律じゃなくて、いろいろと改竄した組合法を作って、それで私たちを、組合員を扇動したという経緯があります。
そのような中で私たちは、豊洲に移転するのだったら、全体会議を開いて、各お店の経営者を、一人ずつ、一票ずつ持っているのですから、それで判断したらどうかと、前から言っていました。すると『いや、それは組合法じゃない』と、『何言ってんだ』と、『中小企業組合法っていうのは、一軒一軒が権利を持っているのであって、組合は慈善団体なんだ』と。
その件でいろいろもめましたけど、結局は、私たちは、東卸組合に押されまして、彼らが勝手に拍手で決めたという経緯があります。その時は、伊藤淳一さんが理事長の時ですね。それから伊藤淳一さんが理事長を退きまして、早山(はやま)っていう理事長が選任されました。その時も全く同じやり方で、総大会の全体会議でやらないで、総代会で選出して、それで行く行かないを決定いたしました。これは全く組合法に違法していまして、全く納得していないです。今でも納得していない。
そういう経緯がありますもんで、私たちは『営業権組合』っていうのを発足いたしまして、立ち上げた次第であります。
6月に発足しまして、それで、組合員も今現在150名、仲買の方が加入しております。今度の築地の移転の時に、私たちは、この人たちに、説明が足りなかったかなと。
都から、築地の解体に説明がありまして、築地の解体の件で用紙を出されまして、『これに後日、サインして、実印を押して来なさい』と言われまして、皆さん、素直にこれにサインして、印鑑を押されたわけなんです。解体処理ですね。解体しなさい。
これは大変なことでありまして、私たちはすぐに営業権組合で、これを『撤回書を出しなさい』と。『撤回書を出さないと、すぐに解体されてしまいますよ』ということで、撤回書を先だって集めました。東京都に撤回書を88件分、築地のですね、副場長の所に持って行きました。
それで、1回目、持って行きましたら、受け取りまして、向こうも88枚あることを確認しまして、『確かに受け取りました』っていうことで、その場は帰りました。それで3日程経ちましたら私の店に突き返して来まして、2人で。その時の説明は場長が来まして、一つは『屋号が記入してない』と、『名前だけだからどこのお店かわからない』と。
そして魚河岸ではよくやるんですけど、印鑑の代わりにスタンプを、うちは明藤っていうんですが、明藤のスタンプをポンと、日付と押すんですね。『こういうものが押してある』と、『これじゃあちょっと受け取れない』と。突き返して来ましてね。『まあ、それはそうですよね』って、私も納得は半分していたんですけど。
それで、大至急ですね、選別いたしまして、各お店の方に実印を押していただいて、60枚用意いたしました。それで副場長の所に持って行きましたら、副場長はたまたま留守で、留守なのか居留守なのか、その辺はちょっとわかりませんけど、他の人が出て来て、受け取りを拒否されました。どうして拒否されるのか、私たちは本当に憤慨いたしました。その帰りに、簡易書留で早速、市場長宛てに簡易書留で送った次第でございます。
仲卸の皆さん、そういう風に、今それで解体をこれで止められるという確信はあるんですけど、私たちが、仲卸が一番、今、ここで、築地で営業したい人が、今のところは大体30名ぐらいいらっしゃるんですけど、その中で実際売って商売をされるって方が、5人ぐらいいらっしゃいます。うちの所は、乾燥物とか、そういうものをですね、乾燥物と鮭フレークとか、海苔とか、そういう日持ちのする物を売って行きたいなと。
それで、電気は、今、交渉中であります。水は出ます。水は、これは止めることはできません。電気はただ今交渉中で、進行中であります。
そういうわけでですね、私たちは、ぜひここで、電気を確保しまして、築地にどんどん帰って来る人を募集して、向こうが、不平不満がおそらく積もって来ると思いますから、1ヶ月2ヶ月3ヶ月しますと、かなり不平不満が出て来ると思うんです。駐車場の問題、お客さんの駐車場が足りない。
あとですね、地下水の管理システムが崩壊しているんじゃないかと、私は思うんです。地下水が下から湧いて来まして(注1)、アンモニアの臭いがした水が噴き出して来まして、『これは大変だ』と。『これはもう、東京都にすぐ調べていただかねばいけない』と言ったんですけど、『これは単なる地下水だ』。『処理された地下水だから大丈夫だ』って、そういう説明がありましたけど、本当にそうだったのかどうかは定かではございません。私たちは、こういう危険な所に行ってはならないと、今でも確信しております。
(注1)地下水が下から湧いて来まして:
建築エコノミストの森山高至氏は9月26日、豊洲市場から「謎の地下水」「臭い水」が噴出していることをツイッター上で明らかにした。ツイートには噴出時の動画も一緒に投稿されている。
- 森山高至氏ツイート(2018年9月26日)
- 開場間近の豊洲市場で臭い水噴出マジか(You Tube、takashi moriyama氏による投稿動画)
そして、カビが、あそこは市場に生えてる。湿度が高くてカビがものすごく発生しております。湿度は絶えず80%を下回りません。このカビの問題は非常に重要な問題で、これを吸い込んだり魚に付着しますと、お客さんのとこに行ったら、3日ぐらいしますと、目視できるぐらいのカビが生えることが判明いたしました。そうしますと、豊洲の魚は売れません。特に生マグロ。こういうものは水を使わないですから、拭きとるような感じですから、これはもう絶対、カビが生えると思います。
築地の冷房の管理システムというのは、専門家に聞いた話ですと、外気を取り込んで急激に冷やすと。大規模に。そうしますと、湿気がかなり出て来るんだっていうことがわかりまして、その時にダクトを通って各店舗の上を行くと。ダクトにカビがいっぱい生えますと、カビを吸い込むわけですね。カビが、胞子が各お店に飛んで行くと。場内の中に蔓延するという現象が起きますから、これはもう非常に大変なことだと。今でも危惧しております。そのようなわけで、私たちは、築地に帰る運動は決してやめないと。そういう強い意志を持っております。以上でございます」
猿渡氏「ありがとうございました。次に第2点目に入ります。今、宮原代表から説明がありましたように、問題点が山積しております。それで、法律上の問題は、それだけに限らず、まだまだ非常に大きな問題が横たわっております。その法律上の問題点について、熊本一規先生から、報告をさせていただきます。お願いいたします」
熊本氏「お手元に、『築地閉場解体事業は違法である』というレジュメ(注2)が届いていると思いますが、それに則して報告いたします。営業権組合の発足にあたって、いろいろ勉強会をした時の、講師の熊本です。
(注2)レジュメ:
10日の会見で配布されたレジュメは以下のURLからご覧いただきたい。
※https://iwj.co.jp/wj/open/wp-content/uploads/2018/10/20181016210501.pdf
1、2は、これまでかなり説明しました。ここでも説明したことありますから、簡潔に済ませて、3、それから、特に4を中心に報告したいと思います。
まず、築地仲卸業者及び関連事業者は営業権を持つ。これはもうご存知だと思います。営業権ていうのは無体財産権の一つであって、許可や暖簾にもとづいて持つ権利です。築地の仲卸業者関連事業者は営業権を持っております。それは、許可にもとづき及び暖簾にもとづいて持っております。
営業権は財産権ですから、財産権の侵害には損失補償が必要ということになります。損失補償というのは損害賠償と違って、加害行為をした後、お金を払えばいいっていうわけにはいきません。加害行為をする前に、補償することが必要です。それが損失補償です。で、この営業権の侵害、財産権の侵害に対して、都は一切補償をしておりません。
損失補償というのは、先に保証して、適法行為にしておかなければ、加害行為ができないわけです。じゃあ適法行為にするにはどうしたらいいかって言うと、一つは任意交渉。補償交渉をもって、補償契約を交わすという方法が一つあります。で、その補償契約が行き詰まった場合に、強制収用っていうことができるわけですね。
その補償契約か強制収用のいずれかを経ない限り、加害行為はできないということになっているわけですね。その根拠は、憲法29条の1項及び3項にあります。その損失補償の基準としては、一般的には、Aの方の基準ですね。それから公共施設に対する損失、公共施設に損失を与える場合にはBが適用になりますが、営業権の損失補償についてはAに決められております。この損失補償をしなければ、公共事業ができないにもかかわらず、都は一切してないわけです。そうしたら事業は違法になるんです。
ところが、この都の業務課長は、事業者と公の関係が解決すれば、つまり、農水省の認可が出れば、事業ができると思い違いしてまして、私が指摘して、『そんな認可得たからって事業できないよ。公の関係とは別に、事業者と民の関係をクリアしなければ事業はできないよ』ってことを教えてあげました。全く知りませんでした。
ちなみに都は、今までの都道府県の中で最も無知です。それで、それを教えて、そうすると事業者と民の関係をクリアしなきゃいけない。つまり損失補償をしなければいけないということが、もう今ではわかっております。
ちなみに上関(かみのせき)原発では、2000年に埋立免許が出た、つまり事業者と公の関係はクリアされておりますけれども、いまだに着工されていない。その理由は事業者と民の関係、つまり損失補償がまだなされていないから、着工できていないわけですね。もう18年経って、着工できていないということです。
じゃあ、損失補償しなければ事業できないんですけれども、都が何と言ってそれをごまかしているか、逃げているかと言いますと、受忍限度論。つまり我慢できる限度内だと。『経済的損失が今回の事業で生じるとしても、それはすべて受忍限度内なんだ。だからその補償の必要はないんだ』ということで、クリアしようとしています。
加害者が加害行為の受忍限度を一方的に決めることなんか、できるはずがない。セクハラ行為を思い浮かべれば、誰しもすぐにわかることです。もしそんな滅茶苦茶な論理が通るのなら、この世に加害行為ってのは一切ないことになってしまいます。損害賠償っていうことも一切必要ないことになってしまいますね。
レジュメの項目3にいきます。損失補償がなされない限り、築地の解体工事は違法ということになるわけですけども、もうおわかりだと思いますが、その中でも、損失補償の中で一番多いのは、得意先喪失保障。これまでの得意先を、豊洲に移ったら失ってしまう。これが一番多いんです。
この損失補償がなされない限り、工事が違法というのは、東京高裁の平成3年7月30日の判決で、示されております。これは千葉の中央卸売市場の移転に伴って、千葉市が損失補償したんです。千葉市は立派な市で、ちゃんと損失補償したんですね。それを住民が、『税金の無駄遣いだ』っていうことで、住民訴訟で訴えたんですね。それに対して損失補償が適法であるという判決が出ております。
ですから、その同意書なんかに印鑑を押さなければ、事業はできなかったんです。ところが、ある方が『判を押してもいいよ』と言ったものだから、どんどんどんどん押してしまって、いっぱい出てしまったんですね。ですから、それの撤回書を集めようと。で、撤回書は2種類ありました。この2種類は違いますから、しっかり記録してください。
一種類は、『築地で営業を続けます』と。『だから撤回します』。もう一つは、『いずれ築地に戻る可能性を確保しておきたいので撤回します』と。この2種類の撤回書を集めて提出しましたが、もう実に子供じみた対応で『受け取れません』と職員の人が言いましたから、郵送した、ということですね。
営業権についての損失補償が必要であるのに加えて、その付記の所を見てください。水神社(すいじんじゃ)のご神体を、魚河岸会の一部の人が、勝手に移動しました。豊洲にですね。あれは違法です。
というのは、魚河岸会っていうのは、法律用語でいえば、『権利能力なき社団』ということになるんですね。その所有は『総有』という共同所有になるんです。これは入会権の所有の仕方と同じです。総有の財産っていうのは、全員の同意がなければ、それは動かせません。処分できません。
ところが、魚河岸会の一部の人が動かしましたから、これは明らかに違法行為です。最高裁判決昭和39年10月と15日ですね。これは『権利能力なき社団の財産は、総有であるという明確な判決です。ですから、これは明らかに、争うまでもなく違法行為ですから、いずれ築地に戻す予定です。
それから2つ目。築地市場内に地上権があることが判明しました。これについては、地上権があることが判明したということぐらいで、一切、都との交渉…それからですね、もう一言言っておくと、都はですね、それを、あろうことか『寄付しろ』という風に迫ってですね、ちょっと地上げ屋さんもびっくりするような話ですけども。要するに『ただで寄付しろ』という風に迫って、かなり強制的にさせようとしてきたんです。
一応そこまでにしておきます。ご本人があまり氏名を明らかにすることを望まれていませんので、それから都との交渉及びマスコミの応対は、すべて私に一任されておりますから、ご本人に尋ねられても私の方に回って来ますから、公表できるのは以上にしたいと思います。
豊洲に移転した方々からも、得意先喪失の損害賠償請求書を集める予定です。先ほど損失補償と損害賠償の違いを申しましたけれども、移転した人も、これは加害行為が不法行為として行われた後の、損害賠償をできるわけですね。ですから、損害賠償請求をすると。得意先喪失の損害賠償請求書を集める予定です。で、おそらくほぼ全員の方が請求書を出されると思います。
次に項目4に移ります。築地市場解体には廃止の認可が必要ということです。卸売市場法5条にもとづいて、9月10日に食料農業農村政策審議会の意見が開かれて、意見を踏まえて、中央卸売市場整備計画の変更が、9月10日になされました。このPDFファイルを印刷したもう一つの資料をご覧ください。これが9月10日に出された公式文書です。
1ページ目がその文章のものですね。これは形式的なもので。『審議会の意見を求める』って。それで、『意見を求める』と言って、その日にまた諮問された日に、認められたわけですね。
諮問された内容、決められた内容は、裏に紹介しております。2ページと3ページがあるんですが、1枚に収めるために、ちょっと縮小しております。これ見て皆さん、びっくりされる方もおられると思いますが、2ページ目、豊洲について載っていますね。変更案と現行と示してありますが、全く変わっておりません。全く同じですね。だから全く変更されてないんです。
下の方3ページ目ですが、築地市場。築地市場はですね、現行にはあるんですね。アンダーライン引いてありますね。ところが変更案にはないんですね。『削る』とされているんですね。何が削られたかというと、現行の所を見てください。『必要に応じ、施設の改善を図る事ができる中央卸売市場』、載せてあった。それが変更後は、そこから外されたんですね。
そこから外されて、じゃあ何が変わったかというと、明らかですね。『必要に応じ施設の改善を図ることができなくなった』というだけですね。だからもう、簡単に言えば『改築しませんよ』ということになっただけなんです。明らかですね。築地市場は存続しているんです。そうでしょ? ただ『改築はしませんよ』ということになっただけなんです。おわかりですよね? もう明らかです。
そうすると、レジュメに戻りますが、だからそこに書いてあるように、変更内容は『改築できる』から『できない』になっただけ。それから豊洲市場には何ら変更は加えられておりません。そして『新設』ということになってますね。で、9月10日には、豊洲市場について、卸売市場法8条にもとづいて、開設の認可もなされました。これはもうはっきりしております。
何か変ですね。今度③に移りますが、これまで東京都は、『業務規程の変更をやるんだ』って説明して来ましたね。『位置及び面積の変更をするんだ』と説明して来ました。どこの位置及び面積を変更するかと言うと、『築地市場の位置及び面積を変更します』と、そして、『豊洲市場になるんです』と、説明してきましたね。そして、8月1日の認可申請も、業務規程の変更でやっております。
ところが、9月10日の認可は違うんです。業務規程の変更の認可はなされてないんです。なされたのは、豊洲市場の開設の認可がなされているんです。これは明らかにトリック。騙しの手口ですね。はじめから意図していたか、それとも結果的に、途中、何か上手くいかなくてそういう風に変更したのかは、ちょっとわかりませんが、何にしろ、当初の説明と全く違う手続きがとられているということです。
そして、付記の所を見てください。もしも、第1条、業務規定の変更がなされたということであれば、その変更が認可されていたとすれば、築地市場の業務規程が変更される。位置及び面積が変更されるに過ぎないわけですから、あくまで築地市場なんです。築地市場がコロっと豊洲市場の新設に変わるわけがないんです。そうでしょ? だから位置が変わったとしたら、築地市場at築地から築地市場at豊洲に変わるだけの話なんですよ。
それが業務規程の変更はなされなくて、しかも、豊洲市場の開設が、しかも新設がなされた、その認可がなされたということですから、明らかに築地市場は存続しております。そしてこのページ3を見ても、変更を見ても、単に『改築できない』とされただけで、『改築できない』とわざわざ説明しているということは、市場そのものは存続しているということですね。
じゃあ、どうしたら認可が廃止できるかというと、廃止するには、卸売市場法14条の廃止の認可が必要です。廃止の認可をしない限り、市場は廃止されません。そして解体もできません。閉場もできません。
その次、14条の廃止の認可をするには、何が必要かというと、これは14条を読めば明らかです。『一般消費者及び関係事業者の利益が害されるおそれがないと認めるときでなければ』、廃止の認可はできないんですよ。わかりました? そこがポイントです。廃止の認可をするには、消費者及び事業者の利益が害されるおそれがないと認められるときでなければ、できないんです。
じゃあ、その廃止の認可の前に解体しちゃえばどうかというと、そんなことができるわけないですよね。解体して事業者いなくなれば、事業者の利益が害されるおそれはないじゃないかって、そんな無茶苦茶なことはできませんよね。
だから、とにかく解体するにも、とにかくそこが、消費者及び関係事業者の利益が害されるおそれがなくなった時に、はじめて廃止の認可を得て、その上で解体事業にかからなければいけないんです。そうでない限り、解体事業、違法になります。閉場も違法になります。
この点について、その築地事業の法的根拠について、10月1日に、都中央卸売市場事業部施設課に問い合わせました。それで、昨日までのレジュメでは、ここに『全く回答がない』と書いていたんですが、実は昨日の夕方ありました。1回目の回答は16時20分頃にありました。その内容は、『予算をつけた』と言うんですね。ここには『別に墓穴を掘るだけ』としか説明していませんが、皆さんにちょっと考えていただきたいからこうしてるんです。予算をつけたということが根拠になるでしょうか? なるわけはないです。
わかりますね。法的根拠があるから初めて予算をつけられるんです。予算を先につけたからと言って、法的根拠が生まれるわけがないです。あべこべなんです。これは。本末転倒。話になりません。墓穴を掘っているだけ。よろしいですね。それで、そういう風に言ったんです、私が。そしたらもう、それで完全に向こうが敗北しました。
それで、今度は1時間半後、17時50分に2回目の回答の電話が入りました。今度はまた、当然新しい理由をつけて来ました。『条例改正をします』と。『10月11日施行されます』と。これも墓穴を掘っています。おわかりでしょうか? 都議会議員の方も、『これで何か、こうするみたいですよ』というようなことを、メールを私に送ってくださいましたけれども、これぐらいはご自分で判断していただきたいと思います。
おわかりですよね? 条例というのは法令の範囲内でしかできません。法律を無視した条例というのは、はじめから無効です。だから、卸売市場法14条、これを無視した条例というのは、はじめから無効なんです。だから『条例を施行します』って言ったって、卸売市場法14条に反して、廃止の認可も得ないで、一般消費者及び関係事業者の利益を損なうような廃止とか、解体をする事は、そんな事、条例で決める事は、はじめっから無効です。
ということで、もう完全に法的には論破してると思います。あと、受忍限度論ですね。向こうが言っているのは。
それから、こういうことも言いましたからご紹介しておきます。これは9月21日に、大谷課長が言ったことです。要するに、『営業はできるかもしれない』と。『営業できるかもしれんが使用指定、使用場所の指定をしているんだ』と。
使用指定書というのがあるんですね。つまり位置を指定しているわけですね。広い仲卸事業の棟の中で、どこで営業できるかという指定をする、指定席ですね。指定席を指定しているわけです。それをやめちゃうから、その使用指定書をやめるから、『使用指定の許可をしなくなるから、だから営業できなくなる』と言ったんですね。これはもう、本当に馬鹿な、墓穴を掘るだけの主張で、これは指定席がなくなっただけで、自由席ばっかりになったということです。
要するに営業できるということは認めているわけですから、許可がなくなっても、築地の方は、暖簾にもとづいて営業権を持っていますから営業できますね。ただその場所の指定がなくなったというだけなんです。
そうすると、要するに、豊洲に移転した人の後は、これは、自由席になったっていうことなんですね。残っている人のも、もう自由席だけど、そこを占めているというだけの話。だから、空いている所は、皆さん自由に使えると思います。そこで音楽やるとか、スポーツやるとか、自由な開放空間になると思います。
結論として、①、築地市場は依然として中央卸売市場として存続しています。で、②、築地市場の廃止の認可がなされない限りは、築地解体事業は、違法な事業となります。で、③、一般消費者及び関係事業者の利益が害されるおそれがなくならない限り、築地市場の廃止はできません。以上です」
猿渡氏「どうもありがとうございました。次に、ご報告を用意している第3点について、説明いたします。今、熊本先生が話されたように、法律上重大な問題が、未解決のままであります。また営業権についても、営業権は東京都が許可したという事で、いろいろと議論が強硬にされて来ております。
しかし、私たちが、83年かかって築き上げた暖簾は、東京都から与えられたものではありません。そうした暖簾を守っていくという、私たちの最大限の努力を活かすべく、築地市場に買い物に、これからも来て下さるという方々が、たくさんいらっしゃるわけですね。そういう方々に対して、築地市場の『買い物ツアー』というものが催されます。その事について、水谷(みずのや)先生から、報告をお願いいたします」
水谷氏「水谷和子と申します。営業権組合のご協力を得て、買い物ツアーという、これは都民の自主的な集会、というか団体を組んだんですけども、一応仮称ですけども、『築地市場を地上げ屋に渡すな!築地市場存続再開連絡会』というような名前を付けました。できたばかりの会です。
せっかく営業するということなので、ぜひ皆さんに、『ちゃんと営業されていますよ』ということをお知らせして、『皆で買い物をしましょう』と、できればプロの方にもたくさん来ていただきたいという意味で、このツアーを企画しました。皆さんのお手元にあると思いますけども、これですね。
『築地市場存続イベント「場内お買い物ツアー」10月11日朝8時築地市場正門集合』。正門から『買い物です』と言って場内へ入ると。営業権組合仲卸さん数店が店開きをします。物販もあります。一応お店は、1時まで営業しております。こういうイベントです。
正門からと、それから波除(なみよけ)さん口からも同様に入って、普通に買い物をしようと、そういうイベントです。『皆で買い物を楽しもう。他の日もずーーっと営業予定』ということで、ご案内しています。これは今、大変反響があります。
ちょうど8時といいますと、解体が始まる時間なんですね。ですから、解体に対する抗議という意味も含めて、普通に営業というか、営業しているお店を応援しようというような内容です。
解体といいますと、どの辺りだろうかとご心配になる方もいらっしゃると思うのですが、ちょっと逆さになってますけども、こういう図が付いてると思います。これ現在の築地市場の解体工区の分類です。
1から7まで解体予定に入っています。2期に分かれていまして、最初は明日、10月11日8時からスタートということで、第2回目は、第2回目って言うか、第2陣といいますか、それが18日からです。
お手元の資料の、この1、2、5、これは6、5ですね。これに関しては、明日着工ということです。これは1は青果門付近。これは青果ですね。これ、駐車場や関連の事業者さんのもの。で、あとはこの、こちらの方の、関連の施設ということで、ここから一応、着工になります。
なので、私たちは一応、買い物ツアーは正門に8時に集合して、中に入るという予定にしております。あとは、暫時、波除さん側からも入っていただくということで、たぶん、たくさん人が集まってしまうと思うので、何組かに分かれて、ツアーのように組んで入ろうかなと思っています。
お店を開かれているのが、ここの、ちょうどこの緑の4番の所が、仲卸棟なんですけども、ここで、現時点で何店舗でしょうか?」
宮原氏「一応5店舗は営業するということで」
水谷氏「そうですか」
宮原氏「何カ所か。生ものはちょっと、当日はね、無理でもね、先ほど説明しましたけど、乾燥物。冷蔵庫が必要ないですから。それで、あとは鮭フレークとかですね、岩海苔の瓶詰とかですね、そういう瓶詰が多くなると思います」
熊本氏「5店舗っていうのは仲卸で5店舗ですよね。その他に物販の方で、丸八食品が営業します。はいばらさんが」
水谷氏「そうですね。丸八さんはどの辺りなる? この3の辺りになるんでしょうか?」
熊本氏「それと、茶屋の猿渡さんが開業する」
水谷氏「そうですね。あと、猿渡さんは、茶屋の」
熊本氏「茶屋として営業します」
水谷氏「猿渡さんは、この辺りにちょうど。この3つ、はしけのようになってますけども、一番端っこの所に、茶屋の猿渡さんが、市場の仕組み等について、お話しいただくということで、そのような茶屋になっています。ですので、本当に買い物する気で来ていただくと、嬉しいなと思っています。
一応8時からということで、開始しますけども、豊洲から帰って来るといううか、移動するということで、少し遅れるお店もあると思いますので、すぐ全部が8時からそろうってわけではないと思うのですけども、9時ぐらいになりましたら大体揃うと思います。ぜひ皆さんに来ていただきたいな、と思っています。すみません。ありがとうございました」
猿渡氏「ありがとうございました。以上で、3点について報告は終わりました。これからは、質疑応答に移りたいと思います」
読売新聞・野崎記者「じゃあ、今月、幹事社の読売新聞の野崎と申します。幹事社から少しだけ質問があります。熊本先生になると思うんですけれども、営業権、ご説明いただいたんで、ちょっと繰り返しになる部分もあるんですけれども、営業権に対して、そもそもずっと、都に対して説明はされて来たとは思うんですけれども、都側の、営業権に関する、この組合の営業権に関する認識というのは、どういう回答というか、認識を示されたんでしょうか?」
熊本氏「明確に営業権として認めますという発言はないです。ただ、国の、国交省の公共用地室は、もう当然のことですけども、認めています。それで都は、営業できるということは大体認めているんですね。で、それは先ほどの、営業できるけど、使用所指定を取り消すので、営業はできないじゃないかという、指定席じゃなくなるからできないじゃないかというね、指定席でなくても自由席には自由に乗れるでしょ? 馬鹿な答弁してますから。
要するに営業できることは認めてるわけですね。その前提に立って答弁しています。
それから、経済的損失が生じるとしても受忍限度内である。だから受忍限度を超えれば、当然、損失補償が必要であるってことは認めている。それを認めた上での発言ですよね。それでもう明らかだと思います」
読売・野崎記者「関連して、その築地の事業についての法的根拠についても、ご説明されていたんですけど、例えばこの、廃止の認可が必要だって、割とわかりやすい指摘をされてる事に関して、東京都側は、このことについてちゃんと回答はしてないんですか?」
熊本氏「だから、根拠を示せ、要するに『あなた方が解体事業なんかやられるという事ですけども、法的根拠を示してください』というのを、10月1日に出したら、ずーっと無回答だったんですが」
読売・野崎記者「この①と②のみ」
熊本氏「①と②だけですね。で、①は、すぐに引っ込めて、『本末転倒だ』で引っ込めて。今はだから、②の、条例を施行する。実はさっきちょっと見ましたら、大谷課長から、同じ趣旨のメールが届いてました。『施設課長は、ちょっと今、超多忙なので、私が代わりにメールを送ります』ということで、同じ趣旨の条例が施行されますと。だから私、昨日も言ったと思うんですけど、言ったかどうかちょっと忘れましたけども。
要するに簡単に言えば、これ常識なんですけどね、法令とは法律だけじゃないです。施行令、施行規則がありますよね。それを含めて『法令』と呼びますが、法令の範囲内で、条例は決められるんですよ。だから違法な、法令の条文に違反するような条例は、はじめっから無効なんです。これはもう、常識です。はい。これで終わりです」
読売・野崎記者「その次が、明日の朝のイベントの関係なんですけれども、こちら、『買い物です』と言って場内で入るという事を、多分事前に都側に」
水谷氏「宣伝していますから。そうですね、はい」
読売・野崎記者「どういう風に、『問題ない』っていう風に言われてはいますか?」
水谷氏「中で営業しているので、普通に『買い物に来ました』で問題ないですし、理由を聞いてもらいたいですね。もし制止されるんでしたら、『その理由がどうか』ということですし、『誰からそれを指示されたか』ということも、ぜひ聞いていただきたい。それできっちり反論したいと思います。熊本先生もいらっしゃいますので、控えていますので、すぐ出て来る状況になると思います。ですから多少そこであるかもしれませんけども、まあそれも想定内ということです」
読売・野崎記者「確認なんですけど、明日は5店、仲卸は水産仲卸が5店舗と物販1店舗と、猿渡さん、茶屋さんの。業者で言うと7になるのかな?」
水谷氏「まあでも、店舗としては6店舗ということに」
読売・野崎記者「店舗としては6」
水谷氏「はい」
読売・野崎記者「あと、このイベント自体は、その日以降、明後日以降も似たようなことは予定はされていますか?」
水谷氏「明後日以降は普通に入っていただきたいということで、明日からスタートという意味で、イベントを明日組みましたということです」
読売・野崎記者「じゃあ、店舗はずっとやるんだということ」
熊本氏「ちょっと待ってください、水谷さんは、そういうプランですけども、もし可能であれば、毎日になるかどうかわかりませんが、例えば月曜と木曜とかね、プランを示して、1回限りじゃなくて、持続、継続して」
読売・野崎記者「イベントを」
熊本氏「はい」
読売・野崎記者「店舗は、イベントあるなしにかかわらず、営業されているっていうことでいいですか?」
猿渡氏「私たちは、営業権にもとづいて、しかも、東京都から与えられたものではない暖簾にもとづいて、営業を続けているわけですよ。それは正当な権利であって、奪われるものではないですよね。その正当な権利にもとづいて、営業を続けているわけですよ、普通に。ただ普通に築地市場の暖簾を守って続けていこうという、ただそれだけのことなんですよ。東京都がそれに攻撃的なことをするということは、たぶん、道理に反していると思いますね。
だから、買い物に来てくださる方々が、『入り口でいろいろ問題があるんじゃないか』と言うんですけども、それも考えてみたら、普通、営業しているお店の前で、いろいろ妨害をするということ、その方が私は異常だと思いますね。
正常に営業権を持って、暖簾を持って営業しているわけですから、『どうぞいらっしゃってください』と、私は答えたいですね。まだまだ、だけど、移転の問題で中がガタガタしていますし、酷いですけど。
あと、神社なんかも、関心のある方だったら、私は30年、1日も休まないで掃除をして、神事をやってきていますので、解体で、非常にもう、見るに無残な姿になって、水神さんのことについても、説明をさせていただきます。どうぞいらっしゃってください」
読売・野崎記者「こちらからいったん最後にしますけど、明日から、解体工事自体も、工期に入って、たぶん、本格化していって、都側は、築地市場のあそこを、閉鎖するということになる、というと思うんですが、それでも、たぶん、都側としては安全性とか色々言って来ると思うんですけど、それでも残られるという覚悟?」
猿渡氏「いや、残る残らないというよりも、正当な権利をもって営業しているわけですから。それに、例えば工事をして、買い物のお客さんに対して迷惑かけるってことは、営業妨害じゃないですか。私たちは正当なことをやっているだけなんですよ」
読売・野崎記者「幹事からは以上なので、各社さん、お願いします」
TBS・カコ記者「TBSのカコと申します。明日、築地市場内で営業される店舗に関して、豊洲にもお店を出されるという認識でよろしいんですか?」
猿渡氏「そうですね。両方ですね。店舗は豊洲にも築地にも、両方権利がありますので、それは全然問題ないと思います」
TBS・カコ記者「取引されてるお客さんは、どちらに行くとおっしゃっていますか?」
猿渡氏「それは今、築地市場自体が、品物がない状態ですから、それは向こうに行くこともあるでしょうけど、でも、こちらの方で、例えば私たちの茶屋に来ているお客さん達や、寿司屋さんでも、『店が開業すれば、必ず買いに来ます』ということを、皆さん、おっしゃってます。
豊洲と築地という風に議論がされちゃうんですけど、汚染された所で、今でも密閉された所に魚を置いて、そこに今、汚染物質が気化して出ているわけじゃないですか。『そこに買いに行きたい』っていう人はいないんですよ。
で、現実に私が茶屋にいて、都内のお客さん達、たくさん毎日話ししてますね。だけど、その方達の圧倒的多くの人達は、『築地を再開してください』って言うんですよ。
で、それに私たちは、83年間営業して来てて、そういう声を暖簾というものに、託されたお客さん達の心をね、それに応えなきゃいけないと思います。だから汚染された所に行かないで、築地に来てくださいって、私たちは営業権があって、暖簾もあって、東京都が営業権を取り上げてるわけでもなんでもないですよね。正当に営業してるわけですから。ぜひ来ていただきたいと思います」
TBS・カコ記者「いったん解体工事が着手になりますと、近隣住民の方もアスベストとかを気にされてる方、多くいらっしゃるようなんですが、その辺、築地で今後も営業を続けて行くとなると、その影響っていうのはどのようにご覧になっていますか?」
猿渡氏「それは、私は営業を続けていることを中心に考えて行くべきだと思いますよ。正当な権利を持って、正当に暖簾に基づいて、商売して行ってるわけですから、そこでアスベストを出すっていうこと、そういう工事があること自体が問題だと思いますね」
熊本氏「よろしいですか? アスベストの解体工事って大変な事で、密閉して、そして程度の大きい物、レベル1、2、3とありますけども、レベルの程度の大きい物については、密閉して中を負の圧力にして、決して空気が外に漏れないようにしてやらなきゃいけないんですよ。
つまり、一切のアスベスト飛散ていうのは、やっちゃいけないことになっているわけで、それはだから、一般の市民のことを言われましたけれども、中で営業しているのに、そんなアスベストの解体工事なんかできるわけないですよね。そもそも大体法的に根拠がないわけですから。廃止の認可がない限り、解体工事はできないわけですから。それに加えてアスベスト解体工事をやるなんてのは、これはもう、想像を絶する違法なことです」
日本テレビ・森記者「日本テレビの森といいます。いくつかちょっと事実関係の確認なんですけど、今、その営業権組合に加入されいてる方は、トータル何人いらっしゃるんですか?」
宮原氏「約150名ですね」
日テレ・森記者「150。わかりました。
それから、今回こういうかたちで違法だというご主張だと思うんですが、提訴と仮処分の申し立てもされてると思うんですけど、今後どういうかたちでそちらを進めて行こうというのは…」
熊本氏「提訴はしておりません。宇都宮弁護士が、仮申立書を出されていて、もう判決が出て、何か控訴もするとか何とか、ちょっとわけのわからない不可思議な、もう移転がされるから、移転差し止めしてもしょうがないと思うんですけども。されるそうですけれども、あれには営業権は全く含まれておりません。
ちなみに申しますと、当初の案で入ってたから、それはもう抜いてほしい、あるいはそれ以上に強い要請をして、ま、抜かせました。だから全く営業権とは関係のない訴訟で、営業権で訴訟する気は全くありません」
日テレ・森記者「訴訟する考えはないっていうことです?」
熊本氏「訴訟は、どっちが正しいかわからない場合に判断を求めるわけで、もうここに書いてあることをちゃんと読めば、どっちが正しいかは明らかですから、訴訟するまでもありません。
都の反論は、もう墓穴を掘るだけの反論しかありませんから、もう明らかですから。だから、訴訟をする気は一切ありません。もう法的には、もうこれで勝負がついていると思います。疑問があればどうぞお出しください。法的に結論が出ている以上は、あとは当たり前に権利を行使すればいいだけの話です。
今までそのようなやり方で、埋め立てやダムや原発を、20例ぐらい止めてきております。それと同じ方法で、ここに適用しているというだけのことです」
日テレ・森記者「組合としてもそういうお考えということでよろしいですか?」
宮原氏「全く同感でございます。はい」
日テレ・森記者「わかりました。ありがとうございます」
猿渡氏「そもそも正当な権利を持って、営業していることに対し、そこから裁判を起こすっていうことは、全く意味のないことだと思います」
小山氏「Facebook市民報道クミチャンネルの小山と申します。いつも皆さんありがとうございます。文春の記事で、汚染水について、汚染水がマンホールから噴き出したというお話しを読んだんですけれども、こちらについては公なTV番組ですとか、新聞とかであまり見たことがないんですが、こちらについて何かご説明いただける方がいらっしゃいましたら、地下水の件ですね。お願いいたします」
水谷氏「マンホールから吹き出した件ですよね。あれは正式に、東京都は地下水であるということを認めました。最終的に、危険か危険じゃないかというと、東京都の発表では、『定期的な検査の数値によって、それからすれば、基準以内だったから安全である』と言ったんですが、あれは全くのごまかしで、そこに噴出したものが危険かどうかと見なければいけないのに、いろんな所から集まって来た水が、最終処分場に行った、処理場に行った時のデータをもって、『基準内だから大丈夫』と言ったに過ぎないんですね。
それはいろんなとこから入って来れば、例えば緑地とかですね、あまり汚染されていないとこから入って来れば、それはきれいなものもありますから。薄まるはずなので。だから、全体の汚染に対して『大丈夫』と言う、その回答の仕方が、実にごまかし、欺瞞に満ちている、という風に思います。
そのように報道してしまっている所もあると思うのですが、あれは全くの間違いですので、それは皆さんに、ぜひ、考えていただきたいです。
それからどういう状況か少し説明させていただきますと、今、揚水ポンプで水を汲み上げていますね。汚染地下水を汲み上げて、それで処理施設にいって処理して排水すると。下水に流すという風な経路で、水が流れているんですが、地下水を揚水してから、その処理施設に入るまでの途中で、トラブったわけですから、当然その汚染水がそのまま出たという状況ですよね。
最近、これを問題にした都議さんの聞き取りによりますと、都の説明は、『管が詰まったので、ジェット噴射して、管をきれいにしたんだ。その時のトラブルです』ということです。じゃあ、なぜ、何が詰まったんだと、そこまで説明しなければ、本当の説明ではないですね。で、土木の詳しい方によればですね、それは吸い上げた、ポンプで吸い上げた時に、泥も一緒に吸い上げる。だからそこに溜まると。
ここで非常に問題なのは、その泥なんですが、そこにはたくさん重金属の汚染が残っているんですね。特にシアン化合物が残っていて、それから水銀、六価クロム、ヒ素、鉛。この辺りがですね、泥に付着して、それが地表に出てしまったっていうことは、土壌汚染対策法上、大変問題で、これは口と鼻から直接摂取の暴露の危険が出たということですね。
本来は、民間の企業であれば、これは立ち入り禁止のレベルであると、専門家は言っています。それなのに『何も汚染がなかった』と。『ない』という結論はあまりにもという。
実はあれは11時から少なくとも2時半までの間は、ずーっとあの勢いで噴出していたということですね。で、U字溝にも入りましたから、当然下水に流れて、下水道法違反になり、それからもちろん表に出たことで、土壌汚染対策法違反になり、そういう違反をしていながら、何でもないかのように見せかけたというのが、非常に問題。しかもその、管が詰まるという状態は、割合起きる状況になると、また同じようなことがあるかもしれないわけですね。
もう一点、非常に心配なのは、ターレとかフォークリフトが、外でも荷物を出し入れすることができるようになりましたよね。外にも出られるようになったので、そのまま車輪に付けて、売り場に持ち込むという問題も起こって来ますので、これは徹底的に調査をしてからでないと、本来は、立ち入り禁止にして調査をしてからじゃないと、問題だなと感じております。すみません、長くなりました」
小山氏「ありがとうございました。真っ先に吹き出した水をはかっていたわけではないということですね」
水谷氏「そうです。それは全くしていないし、付着した物質というのも、空気弁に付着した物質っていうのも、実際は調べていないということでした」
小山氏「わかりました。ありがとうございます。
もう一点お願いします。バキュームカーが出動していると聞いたんですけれども、そちらについても情報をお願いいたします」
水谷氏「バキュームカーの問題なんですけども、今、真空ポンプウェルポイント揚水というのやっています。ウェルポイント揚水は、かなり真空にして強力に吸い上げるものですから、当然泥も一緒に吸い上げるので、吸い上げた後で、ノッチタンクと言って、泥と水を分離させる、泥を沈殿させる装置にいったん入れて、そこからバキュームカーで吸い出して、処理槽に入れて行くという、何かそういう工程を踏むんですね。
ですから分離させるというところが重要なんですが、そこでも問題なのは、その汚染重金属を含んだ泥がそこに、もう地表に出て来ているという問題と、それから、ガスが、たくさんそこで出ているわけです。この間もブログで紹介されていましたけども、何かこう、扇風機で袋にガスを詰めてるような状態。だから非常に危険であるという認識はあると思うんですね。
どんな危険があるかって言うと、ガス化するものは、水銀と、それから以前、朝日さんで問題にしたベンゾ(a)ピレンとかあるんですが、一番問題なのが、シアン化合物って物ですが、シアン化合物は、地表に出て来て二酸化炭素に触れると、シアン化水素という青酸ガスに変質するので、それが発生してしまうという事を、薬学の専門家は指摘しています。
本当はシアン化合物は、地中がアルカリなので、地中にいる間は安定しているんですが、地表に出てガス化すると危険と。で、そういうガスがたくさん、有毒ガスが吹き出している。
あ、それから失礼しました。ベンゼンももちろんあります。重金属ではないですが、ベンゼンも吹き出しています。その近くで、作業がされているっていうのと、真空ポンプは常設化すると、7月30日の、平田さん(土壌汚染追加対策を助言している専門家会議の座長・平田健正氏)の安全宣言で、そういう方向が出ましたので、そういう状況を続けながら、開場できるんだろうかっていうのは、非常に疑問があります。あのガスはどうするんだっていう風に、私はずっと考えております」
小山氏「(ありがとう)ございました」
共同通信・井上記者「共同通信の井上です。熊本先生、ちょっと教えて頂きたいんですけども。豊洲の開設の認可があったので、築地廃止の認可をすべきだというところで、農林水産省の9月10日の文章を読んでいると、『業務規程の変更については、卸売市場法の11条1項の規定によりこれを認可する』と書かれていて、つまりこれは素直に読むと業務規程、つまり条例で改正した名称や位置の変化を認可したと読み取るのが素直かな、と思うんですけども、開設の認可というのは、農水省はどこでしているのかを、ちょっと教えてもらえますか?」
熊本氏「すみません、『業務規程の変更の認可をする』ってどこに書いてあるんでしょうか?」
共同通信・井上記者「農水省の『農水省指令』ってやつに出てます」
熊本氏「9月10日付ですか?」
共同通信・井上記者「はい」
熊本氏「で、開設の認可は載ってないんですか?」
共同通信・井上記者「特に。つまり8条には触れてないですね」
熊本氏「昨日の午前中、私、武田さんにも確認しました。『開設の認可はしました』って言っていました。
業務規程の変更については、これは『業務規程の変更の認可申請したのに、何で開設の認可したんですか?』って聞いたら、『業務規程の変更の認可申請されたら、開設の認可ということになるんですよ』とか何とか言って、ちょっとわけのわからないことを言ってました。
仮に、今、おっしゃっていることが、それは、私知りませんでしたけども、事実だとしても、さっき言いましたが、業務規程の変更がなされたら、それは築地市場の業務規程の変更がなされたに過ぎなくて、それで築地市場の閉鎖は、あくまでなされてないんですよ。やっぱり閉鎖するには閉鎖の認可が必要だと思います。
中で業務が営業され、そして、営業されて誰もお客さん来なければ別ですけども、営業され、かつ消費者が来ていれば、その実態があれば、閉鎖はできないと思います。
因みに、水谷さんが調べていただいたようですけれども、神田市場の移転に何年かかったかご存知ですか? 56年かかったそうです。で、それは知ってました。で、実際にどういう実態で、どれ程かかったかっていうとこまではちょっと、書物はあるみたいですけども、とても分厚くて見てませんが、どうもずっと中で営業続けてたみたいですね。
で、営業権の主張はなかったようですけれども、私は、中で営業を続けていたから解体できなかったんだと思います。解体されなかったから営業できたわけではないんですよ。
わかりますね? もうここまで説明したらわかりますね。神田市場も中で営業する人がいたから解体できなかったんです。もしそれが違法なら、とっくにもう解体できていますよね。解体されなかったから営業できたわけじゃないです。その逆なんです。営業が続き、消費者がそれを買うという実態があれば、閉鎖の認可なんかできません。はい」
東京新聞・石原記者「東京新聞の石原と申します。明日営業するその5店舗の名前を教えていただけますでしょうか?」
宮原氏「私、明藤商店、それと有限会社よしのですね。それと樋徳(ひとく)商店。それと堀冨商店。それと、もう一軒はマグロ屋さんの佐駒ですね。そこは一応営業します」
東京・石原記者「もう一店物販のお店は?」
宮原氏「そうですね。そこも含めると6軒」
熊本氏「丸八(まるはち)。まるって三角、丸の『丸』に、数字の『八』」
東京・石原記者「丸八は何屋さんですか?」
熊本氏「船舶食料ですね。船舶用の食料」
宮原氏「丸八船舶はもう歴史がありまして、かなり古いです。日本橋時代から確かやっているはずです」
熊本氏「ちなみに丸八さんの所は、都の役人が度々来て、『早く印鑑を押せ』とか何とか強引に迫っていたのに対して、私に『そういう時には連絡してもいいか』と言われたんで、『どうぞ連絡ください』という風に言っていましたところ、実際に私に電話しようとされたら、都の役人が、『私は法律が苦手ですから』って言って、すぐ帰って、それ以降は訪ねないようになったようです。と聞いております」
日刊スポーツ・清水記者「日刊スポーツの清水といいます。熊本先生に。4時20分と5時50分のお話なんですが、法律が優先するというのは、先ほどのご説明でわかったんですけど、予算とは何の予算かっていう所と、条例改正ってのは何の条例か」
熊本氏「だから、築地市場を廃止するとか解体するとか、そういうことだと思います。全部録音されていますから、聞けばわかるんですけど。たぶん、廃止に関わる予算で、それは共産党の議員さんも、前におっしゃっていました。
ちなみに、公の施設を廃止する際には、条例の廃止と共に、議会における2/3以上の議決が必要。これは地方自治法の244条の2、第2項に書いてあります。『それはされているんですか?』っていう質問したら、それに対する回答はなくて、『予算が可決された』っていう風な回答が、共産党の議員さんからあって、『それは全く違うんじゃないですか』って、『地方自治法の議決じゃないんじゃないですか?』ってやり取りをしたことあります」
日刊スポーツ・清水記者「損失補償の予算ではない?」
熊本氏「全然あり得ません。それはちょっと。それはあり得ません」
猿渡氏「他にありませんか?」
熊本氏「なければいいと思いますよ。ありがとうございました」
男性「ありがとうございました。あとは個別で」
猿渡氏「じゃあこれで終了いたします。ありがとうございました」
【全文文字起こし】「築地に帰る運動は決してやめない!」「廃止の認可」がない限り築地解体事業は違法!? 築地仲卸業者・関連事業者は今まで通り営業してよい!? https://iwj.co.jp/wj/open/archives/434067 … @iwakamiyasumi
これは市民的不服従ではない。東京都による不正を許さない当然の権利だ。
https://twitter.com/55kurosuke/status/1052679439027339264