TPP(環太平洋パートナーシップ協定)承認案は2016年12月9日、参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会、日本のこころを大切にする党などの賛成多数で可決、承認された。合わせて関連法も可決、成立した。
参議院会館前では、「TPP批准阻止アクション実行委員会」の呼び掛けによって、午前中から抗議行動が行なわれ、参加者らがTPPに反対の声を上げた。
アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長の内田聖子氏は、「皆さんご存知の通り、基本的に今のTPPは死んでいる」と述べ、参加者に次のように訴えかけた。
「あるイギリスのジャーナリストはこう言っていた。『日本政府は死んでしまった婚約者を揺り起こして結婚しようとしている』と。今日本政府がやっていること、また、これまでTPPを前提といってやってきた、予算の執行、様々な緩和、二国間の並行協議等々、どれをとっても本当に異常なことだ」
また、元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、「アメリカがもうTPPの批准はやめると言っている。そうであれば、このTPPはもう終わっている。終わっているものを日本だけが批准しようとしている。こんなバカな国会運営はない。逆に、このおかしさを国民に訴えられる大きなチャンスだと思う」と語った。
シュプレヒコールの途中で、関連法が参議院本会議で可決、成立したことが伝えられると、涙ぐむ市民もいた。