福島第一原子力発電所の事故の当事者である東京電力は、その一方で柏崎刈羽原子力発電所の再稼働へ向けて着々を準備を進めている。「違和感を感じるという、その違和感は当然の感情であろうと思う」「違和感みたいなものは、私達も十理解しているつもり」と更田委員は言った。
福島第一原子力発電所の事故の当事者である東京電力は、その一方で柏崎刈羽原子力発電所の再稼働へ向けて着々を準備を進めている。「違和感を感じるという、その違和感は当然の感情であろうと思う」「違和感みたいなものは、私達も十理解しているつもり」と更田委員は言った。
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原子力規制員会は、9月19日付で更田豊志委員が再任、放射線影響・防護が専門の伴信彦新委員が就任し、両委員の就任会見が行われた。
9月19日付で、3年の任期を終えた更田豊志委員が5年の任期で再任した。また、退任した中村佳代子委員の後任として、医学博士の伴信彦氏が就任した。
放射線影響、放射線防護を専門としている伴委員は、ICRP(国際放射線防護委員会)第1専門委員会委員、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)のメンバーでもある。今後、規制側の立場に立つが、ICRPメンバーは継続、UNSCEARメンバーは検討の上対応する意向を示した。
今後の課題として伴委員は人材の不足、人事の育成の問題を挙げた。原子力の分野、その先につながる将来のキャリアが学生にとってあまり魅力的でなかったことが原因ではないかと自身の考えを示している。その結果人材が枯渇しかかっている危惧感から、「国として、今後の10年先20年先を見据え、どうしたらよいのかを考えてできることをやっていきたい」と意気込みを示した。
また、更田委員は、規制庁が担う発電所の検査制度の見直しと、事業者の安全性向上の取り組みが、あまり手を付けられていない課題として残っていると指摘。これから取り組む課題だと述べた。
更に、東京電力は「福島第一原子力発電所の安定化廃炉作業に最大限の努力ははらう立場」だが、同時に柏崎刈羽原子力発電所6,7号機の審査も進めている事に対して、「違和感を感じるという、その違和感は当然の感情であろうと思う」「違和感みたいなものは、私達も十理解しているつもり」だと言う。
廃炉と再稼働、東京電力のこれら取組みは、一つの会社の、同じ一つの会社の取り組みとしてとらえるべきだと更田委員は言う。しかし、事故当事者だという印象や感情、審査に影響してしまう事は「大きな議論のあるところだ」と科学的技術的な判断をベースにする事を印象付けた。