第4回福島原発事故による長期影響地域の生活回復のためのダイアログセミナー「子供と若者の教育についての対話」1日目 2012.11.10

記事公開日:2012.11.10取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

 2012年11月10日(土)、福島県の伊達市役所シルクホールにて「第4回福島原発事故による長期影響地域の生活回復のためのダイアログセミナー 子供と若者の教育についての対話」第1日目が行われた。

■全編動画 1/3 ※セッション2途中からの中継となっています。何卒ご了承ください。

■全編動画 2/3

■全編動画 3/3

  • プログラム第1日目 全体司会:ジャック・ロシャール氏、多田順一郎氏 セッション1:プログレスレポート セッション 2:教育に関するチェルノブイルでの過去の経験 セッション 3:子供と少年の教育 中学校では セッション4:子供と若者の教育についての対話(第一ステップ) 報告担当者によるまとめ 総合討論
  • 発起人 国際放射線防護委員会 (ICRP)
  • 日時 2012年11月10日(土)
  • 場所 伊達市役所シルクホール(福島県伊達市)

 「郡山市の中学校における放射線教育の実践」と題した佐々木清氏(郡山明健中学校)のプレゼンテーション途中から映像がはじまる。佐々木氏は発災後、生徒のみならず、親たちも放射線の知識を渇望している現状を知り、中学1年生から放射線教育をはじめた。震災前は高校入試の一部の知識として教えていたが、震災後は、自主的判断で自ら考えて行動できるように、授業内容を知識、観察実験、事実の把握の三本立てとして教えたという。

 2年目の授業について、佐々木氏は「内閣から発表された空間線量率予想図を使った。除染モデルの実験も合わせて授業課題に用い、内部被ばく、放射線によるDNAの損傷、体の免疫システムとそれを高める生活方法などを教えた」と述べた。

 佐々木氏は「いま、郡山などは平常に戻ってきている。しかし仮設住宅などにいる子供たちが暗くなってきていて、二極化している」と語り、「チェルノブイリ原発事故のあと、ウクライナやベラルーシでは、そういった子供たちの非行が激増した前例もある」と懸念を表した。さらに、「それを防ぐためにも」と、きずなスクエア計画を発表。縦割り行政の弊害の解消、地域ごとの啓発、放射能教育啓蒙、風評被害対策の一元化などを目指す、施設の構想を提唱した。

 次に「中学校理科における放射線教育の方向性」と題し、高畠勇二氏(東京練馬区立開進第一中学校)が演台に立ち、全国の中学理科授業の取り組みについて発表した。まず10年ごとに改訂される学習指導要領における、原子力発電、放射線の取り扱いの変遷を示した。

 高畠氏は、授業140時間中の6時間を割り振ったという、その授業プランを説明し、「安全、危険の判断は個人の意思に委ね、その判断ができる人間を育てるのが教育だ」と語った。「原発事故を境に、除染方法などの実験などを授業に取り入れ、放射線に対する正しい知識を教えるようにした」と話す高畠氏は、授業以外の、地域や保護者との共同学習の必要性などにも言及した。最後に、「復興の、一番の支えになることは、教育である」と主張し、発表を締めくくった。

 3人目のプレゼンターは、伴信彦氏(東京医療保健大学)。テーマは「日本の学校教育における問題」である。「自分は放射線の専門家で、教育の専門ではない」という伴氏は、中学校学習指導要領の放射線の取り扱いに対する懸案事項を抽出し、担当省庁の示す教育指針に対する現状と疑問点を提示した。また受験の弊害、そして、被ばくという日本語がもつ問題点を説明した。最後に、飯舘村での教育研修の内容を話した。

 映像2/3、3/3では、安東量子氏(福島のエートス)の「ノルウエーとベラルーシで見たこと、感じたこと」のプレゼンテーション途中から映像がはじまっている。ノルウエーやベラルーシで見聞きしたことや、チェルノブイリ事故の被災者たちの当時の状況、その対策、現在の住民の実態などを語った。

 午後のプログラムのセッション4 子供と若者の教育についての対話(第一ステップ)は、今回のテーマと進行について、次の日のスケジュールなどの説明があった後、大学機関、NPO、市民グループ、教育関係者、報道関係者などのパネリストたちが、今回のテーマや前半のセッションに対する感想や意見、また各自の思いなどを短く語った。

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