2006年の第一次安倍内閣から、2010年の鳩山内閣まで内閣法制局長官を務めた宮崎礼壹氏(現法政大学大学院法務研究科教授)は、2015年9月3日、東京永田町の憲政記念館で講演し、集団的自衛権行使容認をはじめとする安全保障関連法案について、内容自体が違憲だと断じた。
宮崎氏は、第一次安倍政権時に、安倍総理から憲法解釈変更の指示を受けたが、これを拒否し、職員の総辞職を示唆し阻止したといわれている。
(石川優)
特集 安保法制反対メッセージ
※9月17日テキストを追加しました!
2006年の第一次安倍内閣から、2010年の鳩山内閣まで内閣法制局長官を務めた宮崎礼壹氏(現法政大学大学院法務研究科教授)は、2015年9月3日、東京永田町の憲政記念館で講演し、集団的自衛権行使容認をはじめとする安全保障関連法案について、内容自体が違憲だと断じた。
宮崎氏は、第一次安倍政権時に、安倍総理から憲法解釈変更の指示を受けたが、これを拒否し、職員の総辞職を示唆し阻止したといわれている。
記事目次
■ハイライト
宮崎氏は、集団的自衛権行使容認の安全保障関連法案について、「内容自体が違憲」であると指摘した。また、安全保障関連法案は手続き上にも問題があり、二重の意味でも問題だと指摘し、廃案しかないと明言した。
「長年の積み重ねのある憲法解釈は、政府が40数年間言っている。これは、単に学問として言っているのではなく、いろいろな立法、例えば周辺事態法だとかそういう時の説明として、政府が責任持って言っている答弁が40数年、少なくとも続いている。
それは、引き返しのつかない憲法上確立した解釈で、それを言ってきた政府自体が、それを破って政府提案しているというのは、手続的にも正当性に疑問があり、二重の意味で問題のある法案。これは廃案しかない」。
宮崎氏は集団的自衛権について、「もう耳にタコ」だと前置きしつつ、そもそも集団的自衛権とは何かを説明した。
「(集団的自衛権について)案外わからないという方が、まだたくさんいます。テレビを見ていますと、評論家の顔をした方が『やられた時に、みんなで守る権利が集団的自衛権だ、何でそれを認めるのが悪いんだ』といった論評をしています。
しかし、集団的自衛権というのは、基本的に他国の防衛をするという鍵括弧付きの権利であります。政府の公式見解というのがそうです。これまでの政府だけでなく、現在の安倍政権でもそうですと明確にいっている」。
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