東京都は、中央区にある築地市場の移転先として、江東区・豊洲を予定しているが、豊洲新市場予定地は、東京ガスの跡地で環境基準の4万3000倍もの有害物質が見つかった場所だ。それでも、都はこの地に市場を移転する計画を進めている。
11月27日、「第18回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」が行なわれ、2011年から続けられてきた土壌汚染対策工事が完了したと宣言した。
(IWJ・石川優)
特集 築地市場移転問題
東京都は、中央区にある築地市場の移転先として、江東区・豊洲を予定しているが、豊洲新市場予定地は、東京ガスの跡地で環境基準の4万3000倍もの有害物質が見つかった場所だ。それでも、都はこの地に市場を移転する計画を進めている。
11月27日、「第18回豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」が行なわれ、2011年から続けられてきた土壌汚染対策工事が完了したと宣言した。
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これまで技術会議の座長を務めてきた首都大学東京の学長・原島文雄氏が突如、9月初旬に辞任。これまで技術会議委員を務めてきた矢木修身氏を座長に据えた。
この日の会議終盤、新座長の矢木氏は、都がこれまで実施してきた土壌汚染対策工事が完了したことを確認。都の対策を称賛し、これまでの工事をこう振り返った。
「単に、汚染土壌や汚染地下水を除去、浄化したことに留まらず、遮水壁、地下水を遮断したとか、液状化対策をしたとか、耐震性を向上させた。環境基準をクリアするということは、健康に過ごすことができるという基準で、ここまで徹底した対策をとったということは、世界で類を見ないことだ」
今年2014年7月に就任した新しい中央卸売市場長の岸本良一氏も、矢木座長とともに、土壌汚染対策工事完了を確認し、技術会議の太鼓判を受けて、こう挨拶した。
「平成23年(2011年)8月から技術会議の提言を踏まえて、最先端の知見や技術をもって、対策を進めてきた土壌汚染対策工事が全街区において完了し、ご確認いただいた。世界に類を見ない大変大規模かつ、抜本的な対策を進めてきた。
技術会議の皆様に厚く御礼申しあげますとともに、大変、難工事の中、施工を進めていただいた各JV(各建設共同企業体)の皆様にも、この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。
3年あまりにわたり進めてきた土壌汚染対策工事の履行が、本日、技術会議によりご確認いただいたことから、これにより都としては、豊洲新市場用地の安全性が確認できたものと認識いたします。
今後はご確認いただいた地下水管理システム等により地下水の水位についてのモニタリングを行ない、徹底したリスク管理のもと継続して、市場用地の安全性を確認し、都民や市場関係者の皆様の安心に資するよう取り組んでまいります」
東京都中央卸売市場は、この技術会議を踏まえて「土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会」も開催し、市場関係者の理解を得たい考えだ。
しかし、会議終了後に行なわれた記者向けのぶら下がり取材で、矢木座長や岸本市場長らが述べた「豊洲新市場用地の安全性が確認できた」という発言を、「安全宣言」とみなしてよいのかという質問に、都の担当者は、「安全宣言」だと断言できなかった。
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