震災の経験を伝え、福島で暮らし、福島の今を語る星巌氏(南相馬市在住)が講演 2014.7.21

記事公開日:2014.7.27取材地: テキスト動画
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(IWJ・安斎さや香)

特集 3.11|特集 百人百話

 「どんなに苦労しても、風評被害は払拭できない」――。

 南相馬市で復興に向けた活動を続ける一般社団法人「いちばん星 南相馬プロジェクト」理事長の星巌(いわお)さんを招き、7月21日、震災当時の様子や復興・再生への活動が語られた。

 星さんは現在、地域の人々と協力し合いながら、南相馬市で民宿を運営している。独自に農産物の線量をはかり、できる限り情報を提供しようと努力しているが、なかなか理解してもらえない現状もあるという。

 「努力しても報われない努力は、しないようにしようと思った」

 星さんは自身の率直な思いをこう語りながら、それでも前を向いて、地元での活動を続けている。ソーラーパネルの電力を使い、放射性物質が付着しないよう水耕栽培をして農産物を作っているという。

■ハイライト

まず、現地を見てほしい

 「どんな支援をしてほしいですか」、「被災者と言われることをどう思いますか」。活動をしていて、星さんはこう聞かれることが多いと話す。こうした質問の前に「まずは現地を見てほしい」と星さんは力を込めて語った。

 福島第一原発から20キロ圏内は、ようやく瓦礫が撤去されてきたばかりで、復興とは程遠い状況であるのが現状だ。  南相馬市にある農家民宿は8軒。それぞれが助けあって運営しているという。8軒共通で提供できるものを考えていると星さんは話し、「それぞれの個性を出しながらやっていけたら」と今後の展望を語った。

街としての機能は回復するのか

 戻れるのか戻れないのか――。政府は2016年から、徐々に帰還を進めていく考えを示しているが、「本当に街として機能するのか」ということに星さんは疑問を呈する。

 街を歩いてみると、戻るつもりがある人の家は、庭先を綺麗にして手を入れているが、戻るつもりのない家では、全く手入れをしないまま、放置された状態になっているという。

 「戻るなら店をやらなくちゃ」という一方で、「人が戻らなければ、店はやれない」。戻る人と戻らない人がバラバラになったまま、街が機能するのかどうか、星さんの疑問は拭い去ることができない。

3.11当時の体験

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